認知症の家族に多額の借金が残っていると、「自己破産はできるのか」「家族が返済しなければならないのか」など心配が尽きません。
どんな行動を取ればいいのか迷ってしまう方も多いはずです。
本人の意思能力が低下すると、借金の契約自体が無効となる場合もあり、状況に応じた適切な対応が求められます。
本記事では、認知症の方でも自己破産できるのか、必要な手続きの流れ、家族が注意すべき3つのポイントを分かりやすく解説します。
安心して借金問題に向き合いたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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認知症でも自己破産できる?


やっぱり、意思能力がないと手続きできないのでしょうか。
認知症を抱えていても、状況に応じて自己破産の手続きを利用できますよ。
意思能力がないと本人が申立てることはできませんが、成年後見人が代理すれば進められます。
認知症の方が自己破産をする際、認知症の程度や意思能力によって、選べる方法が変わってきます。
認知症の方がどのように自己破産を利用できるのか、状況別に確認していきましょう。
本人に意思能力がなくても成年後見人を通じて自己破産できる
認知症が進行して本人が判断できない状態でも、家庭裁判所で成年後見人を決めてもらえば、代理で自己破産を申立てられます。
成年後見人は、意思能力が低下した本人に代わって法的行為を行う権限を持つため、自己破産の手続きや必要書類の収集、裁判所とのやり取りまで対応可能です。
認知症によって手続きの内容を理解できない場合でも、後見人がサポートすることで手続きが滞りなく進められます。
参考:裁判所「Q.後見とは、どのような制度なのでしょうか。」
軽度の認知症の場合は本人申立てが認められることもある
認知症の症状が軽く、本人に意思能力がある場合は、本人自身が自己破産を申立てられる可能性があります。
家庭裁判所は、医師の診断書や後見開始の審判にともなって行われる「審尋(しんじん)」と呼ばれる本人との面談をもとに、意思能力が十分かどうかを慎重に確認します。
手続きの流れや必要書類が複雑になるため、実際の申立ては弁護士や司法書士と相談しながら手続きを進めてもらうと安心です。
認知症の親の借金契約は無効になる可能性がある
認知症の症状により意思能力が大きく低下している場合、結んだ借金契約自体が無効になる可能性があります。
高齢者や認知症の方につけ込んだ悪質な訪問販売や強引な契約によって、あとから借金トラブルに発展するケースも少なくありません。
契約時に本人に意思能力があったかどうかは、医師の診断書や家族の証言などを総合的に見て判断されます。
契約が無効かどうかの判断は専門家が行うため、早めに弁護士へ相談しておきましょう。
認知症の方が自己破産するまでの流れと期間


自己破産するまでの流れや期間を教えてください。
あります。
本人の意思能力が低い場合は、まず成年後見人を決める手続きから始まります。
そのあとに後見人が代理人として自己破産の申立てを行うため、通常よりも少し期間が長くなるでしょう。
以下では、認知症の方が自己破産するまでの流れと、期間の目安を解説します。
成年後見人を選任する手続きを行う
認知症を抱えていて自分で申立てを行えない場合は、まず家庭裁判所で成年後見人を決める手続きが必要です。
申立て人は、配偶者・子ども・親戚などのほか、市区町村長も対象となり、家庭裁判所が本人の生活内容や財産などを確認したうえで後見人を選任します。
後見人が選ばれるまでの期間は状況によって異なり、長い場合で3〜4ヶ月ほどかかるケースもあります。
成年後見人が代理人として自己破産の申立てを行う
成年後見人が決まったら、後見人が本人の代わりに自己破産手続きを進めていきます。
医師の診断書や債権者一覧表、財産の内容など、申立てに必要な書類も後見人が中心となって準備し、弁護士や司法書士と相談しながら慎重に手続きを整えていく流れです。
書類が揃ったら裁判所へ申立てを行い、内容に問題がなければ自己破産の手続きに進めます。
自己破産にかかる期間は手続き内容や状況によって変わりますが、全体の完了までには半年〜1年ほどを見込んでおくと安心です。
認知症の方が自己破産手続きする際の3つの注意点


自己破産は複雑な手続きなので、失敗しないためにも事前にきちんと確認しておきましょう。
以下では、認知症の方が自己破産手続きを行う際に注意したい3つのポイントを紹介します。
自己破産にかかる費用や成年後見人の報酬を確認しておく
自己破産にかかる費用や成年後見人の報酬については、必ず事前に確認し、把握しておきましょう。
自己破産の手続きでは、依頼する専門家への報酬に加えて、裁判所へ支払う実費が必要になります。
事務所ごとに料金体系は異なるため、見積もりを取って比較することが大切です。
さらに、成年後見人が専門職(弁護士・司法書士など)の場合、その報酬は原則として本人の財産から支払われます。
財産が不足していると手続きが進められないケースがあるため、費用を調べておくのは資金面の準備という意味でも欠かせません。
費用を確認すれば本人の財産状況を把握でき、「自己破産が本当に必要なのか」を判断する材料にもなります。
「費用が想像以上に増えた」「説明と違う」などのトラブルを避けるためにも、早めに費用の詳細を確認しておくと安心です。
家族が勝手に手続きを進めるとトラブルが起こりやすい
認知症の方に代わって自己破産手続きを行うには、成年後見人を選ぶのが大前提です。
家族が本人の同意や意思能力がない状態で勝手に手続きを進めた場合、その手続きは法的に無効となる可能性が高く、大きなトラブルを招きかねません。
成年後見人が決まっていないまま申立てを行うと、書類が受理されなかったり、やり直しが必要になったりと、結果的に時間と費用が増えてしまいます。
さらに、家族の独断で手続きを進めた場合、あとから「誰が費用を払うのか」「誰が勝手に手続きをしたのか」などの問題が生じ、家族間の関係が悪化するケースもあります。
安全かつスムーズに進めるためにも、必ず成年後見人を通じて、弁護士や司法書士と相談しながら丁寧に手続きを進めることが重要です。
債権回収や差押えを防ぐためにも早めに弁護士へ相談する
認知症で借金返済が見込めない場合は、債権回収や差押えを防ぐためにも早めに弁護士へ相談してください。
認知症の悪化により返済管理が難しくなると、督促が続き、遅延損害金が膨らみ、最終的には預金口座や不動産などの差押えに発展する恐れがあります。
こうした事態を避けるためにも、成年後見人の申立てと並行して、弁護士や司法書士に相談し、債権者に直接交渉をさせない「受任通知」の手続きを進めておくと安心です。
認知症と自己破産手続きに関するよくある質問


認知症の方に関する自己破産は、通常よりも複雑になるケースが多いので、その分不安や誤解が生じやすいんです。
ここでは、特に相談の多い質問を順番に見ていきましょう。
認知症の場合自己破産手続きにかかる費用はいくらですか?
認知症の方の自己破産手続きにかかる費用は、事務所や手続き内容によって大きく変わります。
最低でも数十万円、高い場合は100万円以上かかるケースもあります。
主な費用の内訳は次のとおりです。
- 弁護士や司法書士への報酬(着手金・申立て費用・書類作成費など):30~70万円程度
- 実費(収入印紙・郵便切手・予納金など):3~25万円程度
- 成年後見人(専門職が就く場合のみ)への報酬:月額2~6万円程度
専門職の成年後見人が就く場合は、自己破産の費用に加えて毎月の後見人報酬も発生するため、総額が大きくなる点を理解しておきましょう。
本人に意思能力がない場合は誰が手続きできますか?
本人に意思能力がない場合、自己破産の手続きは成年後見人が代理で進めます。
成年後見人の選任は家庭裁判所を通じて行われ、家族や親族、市区町村長、弁護士・司法書士などの専門家が対象です。
家庭裁判所が、本人の生活状況や財産の状態、医師の診断書を把握したうえで適切な後見人を選任するため、誰でも自由に手続きを進められるわけではありません。
連帯保証人になっている場合も自己破産が必要ですか?
債務者が返済できない状態になると、連帯保証人である認知症の方にも返済義務が発生します。
返済が困難な場合は、自己破産による整理を視野に入れましょう。
ただし、契約を結んだ時点で認知症の症状が進んでいた場合は、契約そのものが無効となる可能性があります。
契約が有効であれば連帯保証人としての返済義務は避けられないため、早めに弁護士や司法書士に相談し、保証契約の有効性と最適な手続きを確認しておくことが重要です。
認知症の親の借金を放置するとどうなりますか?
借金を放置すると、次のようなリスクが生じます。
- 督促が続き、精神的な負担が大きくなる
- 遅延損害金が増えて借金が膨らむ
- 親の財産(預貯金や不動産など)が差押えの対象になる
- 連帯保証人がいる場合は、その人に返済義務が及ぶ
- 親が亡くなると、借金が相続の対象となる
特に認知症の場合、返済管理ができないまま時間が絶ち、気付いたときには差押え寸前まで進んでいるケースも珍しくありません。
認知症の自己破産手続きに迷ったら早めに弁護士へご相談ください

認知症の方が自己破産の手続きを行えるかどうかは、認知症の程度や意思能力によって大きく変わります。
症状が軽く、意思能力が認められる場合は、本人による申立てが可能です。
一方で、意思能力が低下している場合は、成年後見人を通じて進める形となり、まず家庭裁判所で後見人を選んでもらう手続きが必要になります。
どちらに該当するのかは、診断書や生活状況によって異なるため、弁護士に相談しながら慎重に進めると安心です。
不安を感じる方や迷いがある方は、どうぞ弊所へご相談ください。
状況に合わせて最適な方法を提案いたします。
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