自己破産せざるを得ないほど状況がひっ迫している方にとって、藁にもすがる思いで相談する弁護士事務所。
しかし、すべての依頼が受任される訳ではありません。
実は、借金の状況や弁護士事務所によって、判断は異なります。
もし仮に1つの弁護士事務所から断られたとしても、他に専門性がマッチしていて実績のある事務所を見つければ受任される可能性もあるでしょう。
本記事では、自己破産を弁護士に断られたケースに共通する7つの理由やその後の対処法、各種の債務整理方法、ベストな弁護士の選び方について解説します。
自己破産を断られる理由と対処法が知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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自己破産を弁護士に断られた!具体的な7つの理由

自己破産を弁護士に相談しても、場合によっては依頼を断られることがあります。
これは弁護士が借金の支払い義務の免除が得られない可能性が高いと判断した、あるいは弁護士として受任するメリットが薄いと判断した場合が主です。
具体的にどんなケースで断られる可能性が高いのか気になる方は多いでしょう。
1.借金が少なすぎるから
自己破産は抱えている借金の全額免除を目指す最終手段です。
そのため、借金総額が100万円未満など少額の場合、将来利息のカットを目指す任意整理で十分解決できると判断されてしまい、受任を断られることがあります。
その場合には、他の債務整理方法を案内される可能性が高いため、弁護士と相談しながら最適な方法を検討しましょう。
2.予納金が支払えないから
自己破産の手続きには、裁判所に納める予納金が必要です。
| 項目 | 同時廃止事件 | 管財事件 |
| 申立手数料 | 1,500円 | 1,500円 |
| 予納金 | 11,859円 | 法人管財事件 14,786円
個人管財事件 18,543円 |
| 予納郵券 | 4,400円 | 4,400円 |
| 引継予納金 | 無料 | 20万円〜 |
この予納金を準備する見込みが全く立たない場合、手続きがストップしてしまうため、弁護士が受任を断る理由となります。
参考:東京地方裁判所「破産事件の手続き費用一覧」
3.全く借金を返済していない
借入後に一度も返済していない、または借入から短期間で破産を申し立てる場合、「最初から返済するつもりがなかったのでは?」と疑われる可能性があります。
破産法第30条には、裁判所が破産開始決定の申立てを認めない場合について、以下のような記載があります。
- 不当な目的で破産手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき
引用:e-GOV 法令検索「破産法 第30条」
このように、本来の目的を逸脱した申立ては却下される可能性が高いです。
自己破産はあくまでも「支払不能」になった人が対象です。
このケースは免責不許可事由に該当するリスクがあるため、弁護士が慎重になることもあります。
4.免責不許可事由に該当する
「免責不許可事由」とは、浪費やギャンブル、他人を騙すことによる借り入れなど、免責を認めないとする法律上の原因のことです。
裁判官の判断次第では免責が認められる可能性はありますが、その可能性が極めて低いと判断されると弁護士は受任を断ることがあります。
【免責不許可事由に該当するケース】
- 著しい浪費や射幸行為で財産を減少させた場合
- 債権者の利益を害する目的で財産を隠したり、不当に安く売ったりした場合
- 特定の債権者にのみ優先的に返済した場合
- 嘘の情報を伝えて金融機関からお金を借りた場合
- 裁判所や破産管財人の調査に協力しなかった場合
- 説明の拒否や虚偽に発言をする行為
5.債務が免責の対象外となっている
自己破産をしても、一部の債務は免責されず、支払い義務が残ります。
これを非免責債権といいます。
債務の大部分が非免責債権である場合、自己破産のメリットが少ないため、弁護士に断られてしまう可能性が高いです。
【非免責債権の主な例】
- 税金、社会保険料
- 養育費、婚姻費用
- 罰金、科料
6.7年以内に自己破産している
破産法第252条1項10号では、免責許可の決定確定日から7年以内に再度自己破産の申立てをしても、免責は認められないと定められています。
期間内に再度の申立てをしても免責を得られる可能性がないため、弁護士は受任できません。
参考:e-GOV 法令検索「破産法 第252条1項10号」
7.1回目と同様の理由で自己破産している
過去に免責を受けたにもかかわらず、再び同様の理由(浪費やギャンブルなどの免責不許可事由)で多額の借金を作ってしまった場合、裁判所が免責を認めない可能性が高くなります。
弁護士も手続きの困難さから依頼を断ることがあります。
【理由別】自己破産を断られたら?知っておきたい対処法

ここまで見てきたように、自己破産しても弁護士に断られてしまうケースがあります。
そのため、断られたらどうすべきかについても考えておくことが重要です。
断られた理由別に、考えておきたい対処法についてチェックしましょう。

自己破産の受任を断られても、相談場所や弁護士事務所によっては、対応してくれる弁護士が見つかることがあります。
【費用】法テラスや柔軟に分割払いできる事務所を探す
予納金や弁護士費用が払えないことが断られてしまう理由の場合は、費用面でのサポート体制が整っている事務所を探しましょう。
具体的には、弁護士費用の分割払いに対応している事務所を探すのがおすすめです。
着手金ゼロ、費用は最大で十二分割で支払えるなど、柔軟に対応してくれる事務所もあります。
または、法テラス(日本司法支援センター)を利用すれば、収入や資産などの要件を満たすことで、弁護士費用の立替え制度を利用できます。
| 家族構成 | 収入基準 | 資産基準 |
| 1人 | 20万200円 | 180万円以下 |
| 2人 | 27万6,100円 | 250万円以下 |
| 3人 | 29万9,200円 | 270万以下 |
| 4人 | 32万8,900円 | 300万円以下 |
| 家族構成 | 収入基準 | 資産基準 |
| 1人 | 18万2,000円 | 180万円以下 |
| 2人 | 25万1,000円 | 250万円以下 |
| 3人 | 27万2,000円 | 270万円以下 |
| 4人 | 29万9,000円 | 300万円以下 |
引用:日本司法支援センター 法テラス「無料法律相談・弁護士等費用の立替」
立替金は法テラスに毎月分割で返済していくことになります。
【免責不許可事由】裁量免責に強い事務所を探す
免責不許可事由で断られた場合でも、すぐに諦める必要はありません。
免責不許可事由があっても、裁量免責が下りることがあります。
破産管財人との連携や、反省を示すための家計改善指導に慣れている弁護士を探しましょう。
【分野外】自己破産の手続きに実績のある事務所を探す
弁護士にはそれぞれ得意分野があります。
自己破産や債務整理の案件経験が少ない弁護士の場合、手続きの複雑さから依頼を断ってくることもあります。
債務整理や自己破産の実績がある事務所を改めて探し、相談しましょう。
【信頼問題】弁護士に嘘偽りなく誠実に話す
借入状況や資産状況・破産の経緯について、正直に話すことが最も重要です。
弁護士は依頼者の情報に基づいて戦略を立てます。
事実と異なる説明をすると、後で弁護士との信頼関係が崩れ、受任しても途中で辞任されるリスクが高まります。
まずは、自分から弁護士に対して心を開いて率直に話すようにしましょう。
自己破産を断られたら|他の債務整理を検討しよう

自己破産の受任を断られたら、ほかの債務整理方法もチェックしてみましょう。
- 任意整理:元本と利息分を3〜5年で返済
- 個人再生:元本を減額(最大1/10)して3年で返済
- 特定調停:裁判所の仲介で債権者と和解
いくつかの選択肢を並べて比較検討してみることが重要です。
1.任意整理
債権者と直接交渉し、将来発生する利息(手数料)をカットしてもらい、元本のみを3〜5年で分割返済していく債務整理方法です。
手続きが最も簡単で、官報に載らないため秘密が守りやすいほか、整理したい借金を選べます。
ただし、元本は減らないため、借金額が多い方には不向きです。
2.個人再生
個人再生は、裁判所を通して借金を大幅に減額(1/5〜1/10)してもらい、残額を原則3年で返済していく債務整理方法です。
マイホームを維持したまま借金を大幅に減額できる「住宅ローン特則」を適用でき、たとえ免責不許可事由に該当するケースでも利用可能です。
ただし、手続きは自己破産並みに複雑なので弁護士に依頼することがおすすめです。
3.特定調停
簡易裁判所に申立てを行い、裁判所を介した債権者との話し合いで和解を目指す手続きです。
弁護士を立てずに手続き可能で、費用も1件1,000円前後と安いのが特徴です。
ただし、債務者自身が手続きを進めるという点で時間と労力の負担が大きくなります。
また、任意整理と同様、原則として利息カットのみで元本事体は減りません。
参考:東京簡易裁判所「特定調停」
自己破産を断られないために!ベストな弁護士の選び方

「自己破産を依頼して弁護士に断られた」というケースを万が一にも避けるために、はじめから受任してくれる可能性の高い弁護士を選ぶことが重要です。
おすすめの弁護士選びの方法を、ポイント別にチェックしましょう。
1.自己破産の総額・内訳を説明してくれる
単に「手続きできます」だけでなく、弁護士費用や裁判費用の総額と内訳を明確に示してくれる弁護士を選びましょう。
費用の透明性は信頼の証です。
具体的には、以下のような費用総額の内訳があります。
- 相談料
- 着手金
- 報酬金
- 実費・諸経費
項目別に費用を説明してくれる弁護士を選ぶようにしましょう。
2.自己破産のサポート実績・経験が豊富にある
自己破産は主として「同時廃止事件」と「管財事件」に分かれます。
特に、裁量免責が必要となる可能性が高い「管財事件」の経験が豊富で、破産管財人との連携実績がある弁護士を選ぶことが成功のカギです。
また、債務整理全般に精通した弁護士を選べば、総合的に判断して、あなたのケースに役立つ債務整理の方法を教えてくれるでしょう。
3.メリット・デメリットを教えてくれる
自己破産後の実生活への影響(資格制限やブラックリストへの登録など)といったデメリットや、他の債務整理方法との比較を含めて、丁寧に説明してくれる弁護士を選びましょう。
メリットだけを強調する弁護士には注意が必要です。
自己破産を弁護士に断られたら?よくある3つの質問

ここでは、弁護士に断られた場合に、よくある質問についてご紹介します。
私と一緒にあなたが抱えている疑問を解消しましょう。
Q1.弁護士に自己破産の途中で辞任されました。どうなりますか?
弁護士が辞任した場合、自分で裁判所に申立てを行うか、別の弁護士を探して改めて依頼する必要があります。
担当弁護士の辞任は、依頼者による虚偽の説明や提出書類の不備、弁護士費用が未払いになった場合などに起こりえます。
前の弁護士が作成した書類を引き継げる場合もありますが、信頼関係の回復が難しいため、すぐに別の事務所に相談するのがベターです。
Q2.自己破産を弁護士ではなく司法書士に頼むのはどうですか?
司法書士は、手続きの代理人として活動できません。
あくまでも自己破産申立書や個人再生申立書の作成のみにとどまり、代理人としては関与できません。
複雑な事案や免責不許可事由がある場合は、裁判所とのやり取りや申立代理人としての権限を持つ弁護士に依頼する方が安心です。
参考:神奈川県弁護士会「弁護士と司法書士との違い」
Q3.法テラスに相談すればすべての費用を建て替えてくれる?
法テラスは、弁護士費用や司法書士費用をすべて立替えてくれますが、あとで分割での支払い義務が発生します。
また、勝訴した場合は弁護士や司法書士に報酬金を支払う必要があります。
参考:日本司法支援センター 法テラス「弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ」
自己破産を断られた方もお気軽にご相談ください

一度自己破産を断られたとしても、借金問題の解決は可能です。
まずは断られた理由を正確に把握し、債務整理の実績が豊富な弁護士に現状を正直に相談することから始めましょう。
自己破産の手続きは複雑です。
必要な書類や手続きの流れ、おすすめの債務整理の方法にいたるまで、懇切丁寧に説明してくれる弁護士を選ぶことが大切です。
自己破産の手続きで時間とお金を無駄にしたくない方は、ぜひご相談ください。
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