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携帯ブラックリストは何年で消える?債務整理後の分割審査・契約の可否

佐久間 大地

弁護士法人大地総合法律事務所 代表弁護士

佐久間 大地

紛争や問題は、数字や契約の世界だけで完結するものではなく、必ず人が関わってきます。借金や支払いの悩みもまた、人と人との間で生じるものです。そして、そこには必ず感情や立場があります。
私たちは、法的な手続きを駆使することはもちろん、依頼者の不安や生活への影響に配慮しながら、最適な解決を目指して日々研鑽を積んでおります。

債務整理といえば「大地総合法律事務所」と思い出していただけるよう、所員一同、プロフェッショナルとして全力でサポートいたします。

監修者

「債務整理をすると携帯やスマホが買えなくなるのでは」と手続きを迷っている方もいるかと思います。

スマホは生活や仕事に欠かせないインフラとなっているため、利用できなくなるのではという心配は切実なものでしょう。

特に、端末の分割払いが一般的になっている現状では、「債務整理後に分割購入ができない」という話がひとり歩きし、過度な不安を抱いてしまうケースも少なくありません。

実際には、債務整理をしても携帯回線の契約自体は可能な場合が多く、すぐにスマホが使えなくなるわけではありません。

本記事では、債務整理後にスマホを使い続けるための実態と注意点を、わかりやすく解説します。

また、分割払いができなくなる理由や対処法、避けるべきNG行動も紹介しますので債務整理を検討している方や、すでに手続きを終えた方もぜひ最後までご覧ください。

\毎月の返済が苦しい.../

目次

結論:「買えない」は主に「端末分割購入が難しい」の意味

結論:「買えない」は主に「端末分割購入が難しい」の意味

事務局さん
債務整理をすると「携帯やスマホが買えない」とよく聞きますが、本当に使えなくなってしまうのでしょうか?
佐久間先生
「買えない」という表現は少し誤解を招きやすいです。
正しくは、債務整理後は端末の分割払いでの購入が難しくなるという意味であり、通信契約そのものが一律にできなくなるわけではありません。

債務整理後でも回線契約は原則可能

まず押さえておきたいのは、債務整理後でも携帯回線の契約自体は原則として可能だという点です。

回線契約において重要なのは「通信料金の支払い状況」です。

過去に携帯料金を滞納したことがなく、債務整理の対象に携帯会社を含めていなければ、現在の契約をそのまま継続できます。

また、他社への乗り換え(MNP)や新規契約も、料金未納がなければ信用情報がブラックであっても契約可能とされています。

ただし、携帯料金を滞納している場合は注意が必要です。

TCA(電気通信事業者協会)が交換している不払者情報の対象は、契約解除となったうえで料金の不払いがある方とされており、これに当てはまると「携帯ブラック」として新規契約を断られる可能性があります。

つまり、債務整理そのものよりも「料金を滞納していないか」が契約可否の大きな分かれ目になるのです。

債務整理のメリット:家計を立て直し・通信費の見直しがしやすい

債務整理には当然リスクもありますが、同時に家計を立て直す大きなメリットもあります。

特に、通信費は毎月必ずかかる固定費であるため、見直し効果が得やすい分野です。

債務整理をきっかけに、格安SIMや低価格の料金プランへ切り替える人も多く、結果的に家計改善につながるケースも少なくありません。

佐久間先生
債務整理をすると「不便になる」と考えがちですが、実際には生活の無駄な支出を見直すチャンスでもあります。
特に通信費は削減効果が大きく、月数千円単位で負担を減らせることもあるのです。

債務整理のデメリット:信用情報の事故登録で端末分割審査が通りにくい期間がある

一方でデメリットとして、信用情報に事故情報が登録される(いわゆるブラックリスト)ため、端末を分割払いで購入することはほぼ不可能になります。

CICやJICCといった信用情報機関には、任意整理・個人再生・自己破産のいずれでも5年間は事故情報が残り、その間は新規ローンやクレジットカードと同様にスマホ端末の割賦審査も否決されやすくなります。

そのため、債務整理後にどうしても新しい端末が必要な場合は、現金一括払いで購入するか、中古・低価格のスマホを活用することが現実的な選択肢となります。

佐久間先生
多くの方が「スマホが持てなくなるのでは」と不安に感じますが、実際には回線契約は維持でき、分割購入だけが難しくなるのです。
この点を正しく理解しておけば、債務整理をためらいすぎる必要はありません。債務整理について詳しく知りたい方は下記記事も併せてご覧ください。

携帯・スマホのブラックリストは何年で消える?端末の分割払いと通信料金では別に扱われます

携帯やスマホの「ブラックリスト」という言葉には、実は性質のまったく異なる2つの情報が混ざって語られています。

ひとつは端末の分割払い(割賦)の延滞や債務整理が記録される信用情報で、もうひとつは通信料金そのものの不払いを携帯会社どうしが共有する「携帯電話不払い者情報」です。

どちらに登録されているかによって、消えるまでの期間も数え始めの時点も変わってきます。

まずは全体像を整理しておきましょう。

何が原因か どこに記録されるか 消えるまでの目安 数え始め(起算点)
端末の分割払い(割賦)の延滞 CIC・JICCなどの信用情報機関 5年程度 完済または契約終了から
債務整理(任意整理・個人再生・自己破産) CIC・JICC・KSC CIC・JICCは5年程度。KSCの官報情報(破産・民事再生)は7年程度 CIC・JICCは完済や契約終了から。KSCの官報情報は手続開始決定の日から
通信料金そのものの不払い TCA・TELESAが交換する携帯電話不払い者情報 契約解除後5年以内(期間経過後は自動的に抹消) 契約解除から(完済すれば対象外)

いずれも5年前後が一つの目安であり、一度登録されたら一生残り続けるという性質のものではありません

事務局さん
携帯のブラックリストは、ひとまとめに5年と覚えていたのですが、2つに分かれているのですね。
佐久間先生
はい、ここは非常に混同されやすいところです。
端末の分割払いは信用情報機関、通信料金の不払いは携帯電話不払い者情報と、そもそも記録される場所が違います。
事務局さん
両方に載ってしまうことはあるのでしょうか?
佐久間先生
端末代と通信料金をまとめて滞納したまま強制解約になった場合などは、その可能性があります。
ご自身がどちらに当てはまるのかを先に確かめておくと、いつごろ解消するのかの見通しが立てやすくなるでしょう。

端末の分割払い(割賦)の延滞は完済から5年程度が目安

スマホ端末の分割払いは、割賦販売法上の個別信用購入あっせん(個別クレジット)にあたる契約で、カードやローンと同じ「信用取引」として扱われます。

そのため、長期の延滞や債務整理があるとCICやJICCといった信用情報機関に異動情報(事故情報)として登録されます。

登録された情報が消えるまでの目安は、完済や契約終了からおおむね5年程度です。

なお、端末の割賦審査で照会されるのは主にCICで、銀行系のKSCが参照されることは基本的にありません。

この期間中は、端末の分割払いの審査に通りにくい状態が続くことになります。

通信料金そのものの不払いは「携帯電話不払い者情報」として契約解除後5年以内

一方、毎月の通信料金を払えないまま契約を解除された場合は、信用情報機関とはまったく別の仕組みで記録が残ります。

一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)と一般社団法人テレコムサービス協会(TELESA)が、契約解除後に料金不払いのあるお客様の情報を移動系通信事業者間で交換しているためです。

これが俗に「携帯ブラック」と呼ばれるもので、正式には「不払者情報の交換」といいます。

TCAの公表内容では、交換の期間は「契約解除後5年以内」とされ、期間の経過後は自動的に抹消されると説明されています。

また、料金が完済された場合は対象外になるとされ、自己破産等により免責が決定している方や、料金不払いについて係争中の方は含まれないとの注記もあります。

ただし、完済した事実がすぐには他の事業者に伝わらず、滞納情報が残ったままになる場合があるとされています。

心当たりがあるときは、申し込み先の事業者にその旨を申告しておくとよいでしょう。
参考:一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)「不払者情報の交換」
参考:一般社団法人テレコムサービス協会「不払者情報の交換」

起算点は「完済」から。完済しないと5年の数え始めが来ません

「5年」という数字ばかりが独り歩きしがちですが、実際に重要なのはどの時点から数え始めるかです。

端末の分割払いの延滞情報は、原則として完済や契約終了を起点に5年程度とされています。

つまり、残債を放置している間はカウントそのものが始まりません。

「完済しないと消えない」といわれるのは、この起算点の考え方によるものです。

一方、通信料金の不払い者情報については、TCAの公表内容では契約解除後5年以内とされており、こちらは契約が解除された時点から数えることになります。

ただし料金を完済すれば対象外になるとされていますので、完済したほうが早く外れる形になります。

いずれにしても、支払いを先延ばしにするほど不利になりやすい構造ですので、返済が難しいと感じた段階で早めにご相談いただくのが望ましいです。
信用情報全般のブラックリストが原因別に何年で消えるのかは、次の記事で詳しくまとめています。

債務整理後に携帯の審査に通らないのは何年続く?契約そのものができなくなるわけではありません

期間の全体像がつかめたところで、次によくいただくのが「審査に通らない状態は何年続くのか」「そもそも携帯の契約自体ができなくなるのか」というご質問です。

ここは端末の分割払いと回線(通信サービス)の契約を分けて考えると、見通しがはっきりします。

実務でも、この2つを混同したまま必要以上に不安を大きくされている方が少なくありません。

事務局さん
審査に通らないのは、何年くらい続くと考えておけばよいのでしょうか?
佐久間先生
端末の分割払いについては、信用情報の事故情報が残っている5年程度が一つの目安になります。
ただし審査の基準は各社が独自に定めていますので、期間が過ぎれば必ず通るというものではない点にはご注意ください。
事務局さん
では、携帯そのものが持てなくなるわけではないのですね。
佐久間先生
はい、通信料金をきちんと支払えている回線であれば、そのまま使い続けられているケースが多いです。
不安なときは、今の支払い状況と残債を整理したうえでご相談いただければと思います。

携帯の審査に通らないのは何年続く?端末の分割払いは5年前後が目安

端末の分割払いの審査では、信用情報機関への照会が行われます。

そのため、事故情報が登録されている間は審査に通りにくい状態が続き、その目安は完済や手続きの終了から5年程度となります。

なお、自己破産や個人再生をした場合は、KSC(全国銀行個人信用情報センター)の官報情報が手続開始決定の日から7年程度残るため、銀行のローンなどでは影響がより長く続くことがあります。

ただし、期間が経過したからといって自動的に審査に通るようになるわけではありません。

各社は信用情報のほかに自社の取引履歴(いわゆる社内情報)も確認していますので、過去に滞納のあった会社では、その後も慎重に判断されることがあります。

期間の経過を待つ間は、一括払いや中古端末の利用など、割賦の審査を伴わない方法を検討していただくのが現実的といえます。

債務整理をすると携帯契約できない?回線契約と端末の割賦は別の審査です

「債務整理をすると携帯契約ができない」という言い方をよく見かけますが、これは正確ではありません。

携帯会社の審査は、回線(通信サービス)の契約端末代金の分割払い(割賦)の契約とで別々に行われるからです。

割賦のほうは信用情報を参照しますが、回線契約で主に見られているのは通信料金の支払い状況です。

したがって、通信料金を延滞していない回線であれば、債務整理をしたあとも継続して利用できている方が多いといえます。

一方で、次のような場合には回線契約そのものが難しくなることがあります。

  • 通信料金を滞納したまま強制解約となり、不払い者情報が共有されている場合
  • 端末代金の残債を債務整理の対象に含めたことで、契約を解除された場合
  • 同じ携帯会社に過去の未払いが残っており、社内の情報が参照される場合

とくに端末の残債を債務整理の対象に含めるかどうかは、いま使っている回線を維持できるかどうかに直結します

どの債権を手続きの対象にするかは方針次第で変わりますので、着手する前に弁護士へご相談ください。

やりたいことごとの見通しを整理すると、次のようになります。

やりたいこと 債務整理後の見通し
いま使っている回線を使い続ける 通信料金を延滞していなければ、継続できている場合が多いです
回線の新規契約・乗り換え(MNP) 不払い者情報がなければ、契約できている場合が多いです
端末を分割払いで購入する 事故情報が残る5年程度は、審査に通りにくい状態が続きます
端末を一括払いで購入する 割賦の審査を伴わないため、購入できる場合が多いです

いまご自身の信用情報に事故情報が残っているかどうかは、各信用情報機関へ開示請求をすることで確認できます。

債務整理をすると携帯・スマホが分割購入できない理由

債務整理をすると携帯・スマホが分割購入できない理由

債務整理後にスマホの分割購入ができなくなる理由は、大きく3つに分けられます。

  • 信用情報に事故情報が登録される(CIC・JICCは契約終了後5年程度、KSCの官報情報は手続開始決定から7年程度)
  • 端末分割は回線契約とは別審査(クレジット要素が強い)
  • 通信料金を滞納したまま契約解除になると、TCAの不払者情報が共有され、他社での契約が難しくなる

1つずつみていきましょう。

信用情報(CIC/JICC/KSC)に事故情報が登録されるため 

債務整理を行うと、CIC・JICC・KSCといった信用情報機関に「異動情報(事故情報)」が登録されます。

CIC・JICCでは、任意整理・個人再生・自己破産のいずれでも契約終了後5年程度その記録が残ります。KSCの7年間は破産・民事再生の手続開始決定を伝える官報情報についての期間で、決定の日から数えるため、任意整理はこの対象になりません。

この状態はいわゆる「ブラック」と呼ばれるものであり、スマホの分割払いはローン契約の一種であるため、事故情報があると審査に通ることは極めて難しいです。

佐久間先生
よく「ブラックリストに載った」という表現が使われますが、実際に「リスト」があるわけではありません。
正確には、信用情報に事故情報が登録されることで、割賦やローンなどの審査に通りにくくなる状態を指しているのです。

参考:株式会社CIC「CICが保有する信用情報」

参考:株式会社JICC「信用情報の内容と登録期間」

参考:KSC(全国銀行個人信用情報センター)「一部情報の登録終了および登録期間の短縮について」

端末分割(ローン)は「回線契約」とは別審査なため

携帯を利用するには「回線契約」と「端末購入契約」の2つがあり、それぞれ審査基準が異なります。

回線契約は本人確認や料金未納の有無を中心に確認されるため、債務整理後でも滞納がなければ契約可能です。

一方、端末の分割払いは「ローン契約」にあたり、クレジットカードやローンの利用履歴、延滞歴、収入状況などまでチェックされます。

そのため、回線は契約できても端末の分割購入は認められない、という状況が発生するのです。

料金・端末代の滞納は解約・再契約不可の要因になり得るため

さらに注意すべきは、携帯料金や端末代の滞納です。

もし債務整理に携帯会社への未払い分や残債を含めてしまうと、携帯会社側で契約を強制解約されるケースがあります。

この場合、解約情報はTCA(電気通信事業者協会)の「解約後の未払い情報」として共有され、俗に「携帯ブラック」と呼ばれる状態になります。

登録期間は約5年で、その間は他社での新規契約やMNPが難しくなる可能性が高いです。

携帯料金そのものを滞納し続けた場合に何が起こるかは、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】携帯代・スマホ代が払えないとどうなる?滞納リスクや強制解約期間・対処法を解説

また端末割賦の未払いがある場合、信用情報機関にも「異動情報」として残り、二重の不利益につながる点も見逃せません。

このように、債務整理後に分割購入が難しくなるのは、信用情報と審査の仕組みによるものなのです。

債務整理後に携帯を分割購入できなくなった場合の対処法

債務整理後に携帯を分割購入できなくなった場合の対処法

事務局さん
もし分割払いで携帯を買えなくなったら、もうスマホは持てないのでしょうか?
佐久間先生
そんなことはありません。
一括払いや中古端末の活用など、現実的な選択肢はいくつもあります。よく挙げられる家族名義の契約とあわせて、3つの方法を確認していきましょう。

現金一括払いで携帯・スマホを購入する

最もシンプルな方法は、端末を現金で一括購入することです。

携帯キャリアのショップやAppleストア、家電量販店などで一括払いを選べば、クレジット審査なしで端末を入手できます。

債務整理直後は審査に通らないため、この方法が基本となります。

ただし、最新のハイエンド機種では10万円を超える価格になることも多く、債務整理中には大きな負担になりかねません。

無理をせず、必要な機能を満たす中堅モデルや、キャンペーン割引を活用するのが現実的です。

佐久間先生
たしかに一括払いは出費が大きいですが、「審査がない=確実に入手できる」安心感があります。
最近のスマホは、数万円程度でもスペックの高い機種も多いので、冷静に選ぶことが大切です。

中古・低価格の携帯・スマホを購入する

分割購入が難しい間は、中古や低価格のスマホを活用するのも有効です。

中古販売店やフリマアプリ、オンラインショップでは、2~3年前のモデルが数万円以下で販売されており、性能的にも十分実用に耐えるものが多くあります。

また、格安スマホなら新品でも数万円程度で入手できるため、費用を抑えつつ現金一括で購入できます。

最近ではSIMフリー機種が一般的になっているため、端末さえ用意できれば格安SIMを組み合わせて通信費も削減可能です。

債務整理直後は「無理に最新モデルを手に入れる」よりも「必要十分な機能を持つ端末を低コストで確保する」ほうがおすすめです。

家族名義での契約は勧められません

どうしても自分名義で分割契約ができない場合の方法として、家族名義での契約・購入が挙げられることがありますが、この方法はお勧めできません。

例えば、親や配偶者に契約者となってもらい、そのスマホを自分が利用する形です。

ただし注意点として、携帯会社の契約約款では「契約者以外への譲渡・貸与」は禁止されています。

名義貸しが不正利用や犯罪に悪用されることもあるため、契約者(家族)の信用に傷をつけないよう、責任を持って利用する必要があります。

事務局さん
おすすめできる方法ではないのですね。「このような方法もある」という事実だけ覚えておきます。

このように、分割購入ができないからといってスマホを持てなくなるわけではありません。

一括購入・中古や格安モデルの活用といった現実的な方法を選べば、債務整理後も十分にスマホを使い続けることができます。

債務整理後にやってはいけないNG行動

債務整理後にやってはいけないNG行動

債務整理後は新しい生活を立て直す大切な時期です。

ところが、スマホや通信契約に関して誤った行動を取ると、せっかくの債務整理が無駄になったり、法律上のトラブルに発展したりする恐れがあります。

  • 特定債権者だけを優先する偏頗弁済(へんぱべんさい) → 免責不許可リスク
  • キャリア決済・後払い → 実質的な借金で再び多重債務の危険
  • 名義貸し・他人名義契約 → 約款違反、トラブル・法的リスク

特に上記の3点は絶対に避けましょう。

特定債権者だけを優先する偏頗弁済(へんぱべんさい)

「携帯だけは止められたくない」との思いから、通信会社への支払いを優先して行うケースがあります。

しかし、特定の債権者だけを優先して返済する行為は偏頗弁済とみなされます。

特に、自己破産や個人再生では「債権者平等の原則」が厳格に適用され、特定債権者だけを優先する偏頗弁済は否認の対象や免責不許可事由になり得ます。

どうしても支払いが必要な場合は、第三者(別居の親族など)に立て替えてもらうなど、専門家の助言を受けながら正しい対応を取るべきです。

キャリア決済・後払いの利用

近年は、スマホを使った「キャリア決済」や「後払いアプリ(BNPL)」が広く普及しています。

一見便利に思えますが、これらは事実上「借金」と同じ仕組みであり、安易に利用すると再び多重債務に陥る危険性があります。

特に債務整理直後はクレジットカードが使えない期間であるため、「後払いなら使える」と誤解して利用してしまう方がいます。

しかし、延滞すれば高額な手数料や利用停止などの不利益を被るだけでなく、再び信用情報に傷が付く可能性もあります。

債務整理後の数年間は「あるお金の範囲でやりくりする」ことが再スタートの基本です。

後払いサービスは誘惑が強いですが、絶対に避けましょう。

名義貸し・他人名義契約

債務整理によって自分名義での分割購入ができないと、「家族や知人の名義を借りればいい」と考えてしまう人もいます。

しかし、これは大きなリスクをともなう行為です。

携帯電話の契約約款では、契約者以外への譲渡・貸与は禁止されています。

たとえ家族間であっても、契約者以外の方が利用することは携帯会社の契約約款に違反しますので、避けていただきたいところです。なお、ご本人が家族になりすまして契約した場合は、携帯電話不正利用防止法が禁じる本人特定事項の偽りにあたるおそれもあります。

さらに、支払いを滞納すれば名義を貸してくれた人に直接的な迷惑がかかり、最悪の場合は人間関係を壊してしまいます。

特に他人名義を利用する場合、契約者に借金を背負わせることになり、深刻なトラブルへ発展しかねません。

佐久間先生
名義貸しは「ちょっとの間だから」と軽く考えられがちですが、約款違反にあたるうえ、支払いが滞れば名義人に直接迷惑がかかる行為です。
家族であっても安易に名義を借りるのは避けるべきであり、正規の方法(現金一括購入や中古利用など)を選ぶことが、安全で確実な解決策になります。

参考:TCA(一般社団法人電気通信事業者協会)「契約時の本人確認について」

債務整理後の携帯購入についてよくある質問

債務整理後の携帯購入についてよくある質問

務整理後の携帯契約や購入については、多くの方が同じような不安や疑問を抱えています。

ここでは、代表的な質問にお答えします。

携帯・スマホの端末分割はいつから利用できる?

端末の分割購入が可能になるかどうかは、信用情報に記録された事故情報が消えるタイミングにかかっています。

任意整理・個人再生・自己破産のいずれの場合も、CICやJICCにはおおむね5年間情報が残ります。KSCの7年間は破産・民事再生の手続開始決定を伝える官報情報についての期間で、決定の日から数えるため、任意整理は対象になりません。

そのため、分割払いを再び利用できるのは、最低でも5年経過してからと考えるのが一般的です。

信用情報は本人が開示請求することで確認できます。例えばCICのインターネット開示なら、スマホやパソコンから500円で照会でき、自分の情報がいつ削除予定なのかを把握できます。

佐久間先生
目安は5年ですが、「もう使えるはず」と思っても実際には別の延滞情報が残っている場合もあります。
必ず信用情報を開示して確認するのが確実です。
ブラック期間中は分割購入にこだわらず、一括購入や中古活用で乗り切るのが賢明でしょう。

回線の新規契約はできる?MNPは?

結論からいえば、債務整理をしても回線の新規契約やMNPは可能な場合が多いです。

回線契約の審査で重視されるのは解約後の料金未納の有無で、一般に信用情報自体は主要な判断材料ではありません。(※運用は事業者ごとに異なる場合があります)

ただし、過去に料金滞納を残したまま解約されている場合は、TCA(電気通信事業者協会)の「携帯ブラック」として登録され、5年程度は契約が難しくなります。

逆に、現在の契約を正常に利用中であれば、債務整理後でもMNPで他社に乗り換えることは十分可能です。

なお、一部のキャリアでは信用不安のある顧客に「預託金(保証金)」を求める場合もあります。

また、クレジットカードが使えない期間は、口座振替やデビットカード対応の事業者を選ぶのが現実的です。

携帯・スマホの機種変更はできる?

機種変更は「新しい端末を入手する」行為であるため、基本的には自由に行えます。

現在利用している回線を継続している限り、機種変更そのものに審査はありません。

ただし問題となるのは端末代の購入方法です。

分割払いは信用情報のブラックが消えるまで利用できないため、債務整理直後に機種変更したい場合は現金一括払いや中古端末の購入が前提となります。

また、自己破産や個人再生の直前に高額なスマホを買うと「浪費」と見なされ、免責不許可事由になる恐れもあるため注意が必要です。

料金滞納や端末残債を債務整理の対象にしたらどうなる?

携帯料金や端末残債を債務整理に含めた場合、携帯会社は契約を強制解約する可能性があります。

その結果、回線契約を失い、電話番号も使えなくなる恐れがあります。

さらに、強制解約にともなう「未払い情報」はTCAに登録され、他社契約が制限される要因となります。

端末割賦の残債があった場合には、信用情報にも事故情報として登録され、ダブルで不利益を受けることになります。

可能であれば債務整理前に携帯会社への滞納分を返済し、解約を避けましょう。

「債務整理したら携帯が買えない?」と不安な方は弁護士にご相談ください!

債務整理したら携帯が買えない?」と不安な方は弁護士にご相談ください!

本記事で解説したように、債務整理をしても携帯・スマホがまったく使えなくなるわけではありません。

ただし、信用情報に事故情報が登録されることで、端末の分割払いが難しくなるなど、一定の制約が生じるのは事実です。

一方で、家計を立て直す大きなメリットもあり、携帯利用の工夫次第で不便さを最小限に抑えることができます。

重要なのは、ご自身の状況に合わせて最適な方法を選ぶことです。

「携帯が使えなくなるのでは」との不安から債務整理をためらっている方も多いですが、専門家に相談すれば、リスクを理解したうえで最適な解決策を選ぶことができます。

特に、

  • 借金返済で毎月の生活費が圧迫されている方
  • すでに督促や強制解約の通知を受け取っている方
  • 携帯を含め、生活に欠かせない通信手段を確保したい方

こうした場合は、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

大地総合法律事務所では、債務整理を含む借金問題に精通した弁護士が直接対応し、最適な解決策をご提案します。

相談は無料ですので、どうぞお気軽にご相談ください。

\毎月の返済が苦しい.../

債務整理したら携帯・スマホは買えない?端末分割(ローン)審査や使い続ける方法
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