弁護士法人大地総合法律事務所、代表弁護士の佐久間です。
不倫慰謝料を請求され、「示談で解決したいけれど、何から進めればいいのかわからない」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
相手方や相手方の弁護士から連絡が来ると、早く返事をしなければならないと思い、内容を十分に確認しないまま合意してしまうケースがあります。
示談は裁判を避けるための有効な解決方法ですが、進め方を誤ると、かえってトラブルが長引くこともあります。
本記事では、不倫慰謝料を請求された方に向けて、示談交渉の基本的な流れや注意点、示談書で確認すべきポイントを弁護士の立場からわかりやすく解説します。
相手方から示談を求められている方や、請求額をそのまま支払うべきか迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
\不倫がバレてしまった.../
不倫の示談とは:裁判を起こされる前に話し合いで解決する合意のこと
示談とは、裁判を起こす前、または裁判に進む前の段階で、当事者同士の話し合いによってトラブルを解決する合意のことです。
不倫慰謝料の場面では、請求する側と請求された側が、慰謝料の金額や支払い方法、今後の接触禁止、追加請求などについて話し合い、合意内容を書面に残す形で進めるケースが多いです。
はい。示談は、相手方の請求内容をそのまま受け入れる手続きではありません。
請求された側としても、請求額が妥当か、証拠があるのか、支払い方法に無理がないかを確認したうえで、必要に応じて減額交渉を行うことがあります。
示談が成立すれば、裁判に進まずに解決できる可能性があります。
裁判になった場合と比べて、解決までの負担や精神的なストレスを抑えやすい点は、示談の大きなメリットです。
一方で、焦って示談してしまうと、不利な条件を受け入れてしまうおそれがあります。
特に、口頭だけで「これで終わり」と合意した場合、後から追加請求を受けたり、支払い条件をめぐって認識の違いが生じたりするケースもあります。
そのため、不倫の示談では、単に金額を決めるだけでなく、合意内容を示談書として明確に残すことが大切です。
示談交渉の進め方:4つのステップ

不倫慰謝料の示談交渉は、感情的に返事をするのではなく、順番に確認しながら進めることが大切です。
まずは、請求内容と根拠を確認することです。
そこから減額余地を見極め、示談書の内容を確認し、最後に支払いと清算まで進めていきます。
ここでは、不倫慰謝料の示談交渉を進める基本的な流れを4つのステップに分けて解説します。
Step1:請求内容と根拠を確認する
不倫慰謝料を請求されたら、最初に確認すべきなのは、相手方が何を根拠に、いくら請求しているのかという点です。
請求書や内容証明が届いたとしても、そこに書かれている金額がそのまま確定するわけではありません。請求額は、あくまで相手方の主張です。
まずは、以下のような点を確認します。
- 誰から請求されているのか
- いくら請求されているのか
- 支払期限はいつに設定されているのか
- 不貞行為の内容をどのように主張されているのか
- 相手方がどのような証拠を持っていると主張しているのか
- 相手夫婦が離婚したのか、別居したのか、婚姻継続中なのか
特に重要なのは、「不貞行為があったか」「相手方が証拠を持っているか」「請求額が相場から大きく外れていないか」という点です。
この段階で避けたいのは、請求内容を十分に確認しないまま「わかりました」「支払います」と返事をしてしまうことです。
相手方から期限を区切られている場合でも、まずは内容を整理し、返答の仕方を慎重に考えることが大切です。
Step2:減額余地を見極めて落としどころを決める
請求内容を確認したら、次に減額できる余地があるかを検討します。
不倫慰謝料は、双方の主張や証拠、婚姻関係への影響、支払い能力などを踏まえて、交渉によって金額が決まるケースが多いです。
減額余地を判断する際には、主に以下の事情を確認しましょう。
- 不貞関係の期間や回数
- 相手夫婦が離婚したかどうか
- 不倫前から夫婦関係が悪化していたか
- 相手方の証拠がどの程度あるか
- 請求額が一般的な相場と比べて高すぎないか
- すでに不倫相手が慰謝料を支払っていないか
- 求償権をどう扱うか
- 一括払いが難しい場合に分割払いが可能か
ここで大切なのは、ただ「安くしてください」と伝えるのではなく、減額を求める理由を整理して伝えることです。
例えば、「請求額が相場より高い」「相手夫婦は離婚していない」「不貞関係の期間が短い」「支払い能力から一括払いは難しい」など、事情に応じて交渉の方向性を考える必要があります。
また、最初から無理な金額を提示すると、相手方の感情を刺激し、交渉がまとまりにくくなる場合もあります。
示談交渉では、単に理想の金額を主張するだけでなく、裁判になった場合の見通しや、早期解決のメリットも踏まえて落としどころを考えることが重要です。
Step3:示談書の内容を確認して合意する
金額や支払い方法について大枠の合意ができたら、示談書にして内容を確認します。
示談書は、単に「慰謝料を支払う」と書くだけの書面ではありません。
支払い後にトラブルを残さないために、合意内容を明確にする重要な書類です。
示談書では、主に以下の内容を確認しましょう。
- 慰謝料の金額
- 支払期限
- 一括払いか分割払いか
- 振込先
- 支払いが遅れた場合の扱い
- 追加請求をしない清算条項
- 今後の接触禁止
- 口外禁止
- 求償権の扱い
- 違反時の対応
特に重要なのは、清算条項です。
清算条項とは、示談書で定めた内容以外には、今後お互いに請求しないと確認する条項です。
これが不十分だと、慰謝料を支払った後に「別の損害がある」として追加請求を受ける余地が残る場合があります。

示談書にサインする前には、金額だけでなく、今後の行動制限や違約金の有無まで確認することが大切です。
一度サインしてしまうと、後から「内容をよく読んでいなかった」と主張しても、簡単に取り消せるとは限りません。
Step4:支払いをして完結させる
示談書に合意したら、最後に慰謝料を支払います。
支払いを行う際は、現金手渡しよりも、銀行振込のように記録が残る方法が望ましいです。
支払った事実を後から証明できないと、「まだ受け取っていない」と争われる可能性があるためです。
特に分割払いの場合は、全額の支払いが終わった後に、支払い完了を示す書面を残しておくと安心です。
示談に失敗しないための3つの注意点

不倫慰謝料の示談交渉では、金額だけでなく、やりとりの進め方にも注意が必要です。
焦って返事をしたり、感情的に反論したりすると、本来まとまるはずだった交渉がこじれてしまう場合があります。
はい。示談交渉では、相手方との距離感や返答の仕方、合意内容の残し方がとても重要です。
ここでは、交渉を失敗させないために注意したい3つのポイントを解説します。
①感情的なやりとりをしない
不倫慰謝料を請求されると、驚きや不安、怒りから、すぐに反論したくなる方もいます。
しかし、感情的な言葉で相手方を責めたり、勢いで不用意な発言をしたりすると、交渉が難しくなる場合があります。
例えば、以下のような対応は避けたほうがよいです。
- 相手方に怒りをぶつける
- 相手夫婦の事情を一方的に責める
- 不倫相手に連絡して口裏合わせをしようとする
- 「絶対に払いません」とだけ返す
- SNSや第三者に相談内容を広める
示談交渉では、相手方の感情面にも配慮しながら、事実関係と金額の妥当性を冷静に整理することが大切です。
謝罪が必要な場面もありますが、謝罪文の内容によっては、こちらに不利な事実を認めたように受け取られる場合もあります。
そのため、謝罪をする場合でも、どこまで認めるのか、どのような表現にするのかは慎重に考える必要があります。
②口頭合意だけで終わらせない
示談交渉で金額や支払い方法について合意できたとしても、口頭だけで終わらせるのは避けたほうがよいです。
口頭合意だけでは、後から「そのような約束はしていない」「追加で請求できるはずだ」といったトラブルになる可能性があります。
示談は、合意して終わりではなく、合意内容を示談書として残すところまで進めることが大切です。
特に清算条項が入っているかどうかは、必ず確認しましょう。
③相手方から返答を急かされても即答しない

不倫慰謝料の請求では、内容証明郵便や通知書に「○日までに回答してください」と書かれていることがあります。
期限があると焦ってしまいますが、請求内容を確認しないまま「支払います」と返事をするのは避けましょう。
請求額が妥当か、証拠はあるのか、減額交渉の余地はあるのかを確認してから対応することが大切です。
ただし、無視を続けると、相手方が裁判を検討する場合があるため、連絡を無視するのもおすすめできません。
すぐに判断できない場合は、無視するのではなく、内容を確認中であることを伝えたうえで、回答期限の調整を求める方法もあります。
示談交渉では、無視もしない、即答もしないという姿勢が大切です。
不倫の示談についてよくある質問(FAQ)
ここでは、不倫慰謝料の示談交渉について、相談時によくいただく質問を整理します。
そうですね。示談は一度合意すると後から簡単にやり直せない場合があるため、よくある疑問を事前に確認しておきましょう。
不倫の示談交渉は自分でできる?弁護士は必要?
不倫の示談交渉は、自分で進めることも可能です。
ただし、請求額が高額な場合、相手方に弁護士がついている場合、示談書の内容に不安がある場合は、弁護士に相談したほうがよいケースが多いです。
不倫慰謝料の示談では、金額だけでなく、清算条項、接触禁止、口外禁止、求償権、分割払いの条件なども問題になります。
これらを十分に確認しないまま合意すると、支払い後に追加請求や条件違反をめぐるトラブルが起きる場合があります。
自分で対応する場合でも、少なくとも示談書にサインする前には、内容を確認しておくことをおすすめします。
不倫の示談が成立したら裁判は起こされない?
示談書で適切に合意できていれば、同じ不倫慰謝料について後から裁判を起こされるリスクは下がります。
特に、清算条項が入っていれば、「この件についてはこれ以上請求しない」という内容を明確にしやすくなります。
ただし、示談書の内容が不十分だったり、支払いを怠ったりした場合には、後からトラブルになる可能性があります。
示談成立後の裁判リスクを抑えるには、合意内容を明確にし、約束どおりに支払いを行うことが大切です。
示談書にサインしてしまったら取り消せる?
一度示談書にサインすると、後から簡単に取り消せるとは限りません。
「内容をよく読んでいなかった」「後から高すぎると感じた」という理由だけでは、取り消しが難しい場合があります。
ただし、脅迫に近い形でサインさせられた場合や、重要な事実について誤った説明を受けていた場合などには、争える余地が出てくることもあります。
とはいえ、示談書の有効性を争うこと自体が大きな負担になります。
そのため、示談書にサインする前に、金額、支払い条件、清算条項、接触禁止、違約金の有無を必ず確認しましょう。
相手が示談に応じてくれない場合はどうなる?
相手方が示談に応じない場合、交渉が長引いたり、裁判に進んだりする可能性があります。
不倫慰謝料の示談は、あくまで当事者間の合意によって成立します。
そのため、こちらが減額を希望しても、相手方が納得しなければ成立しません。
示談に応じてもらえない場合でも、無視したり一方的に拒絶したりせず、冷静に争点を整理することが大切です。
示談成立・解決までどのくらい時間がかかる?
示談成立までの期間は、ケースによって異なります。
請求内容が明確で、金額や支払い方法について早期に折り合える場合は、数週間から数ヶ月でまとまることもあります。
一方で、裁判に進んだ場合は、解決まで1年以上かかるケースもあります。
相手方に弁護士がついているか、自分も弁護士に依頼するかによっても、進行のスピードは変わります。
早く終わらせたい気持ちは自然なものですが、焦って不利な条件に合意する必要はありません。
示談は、スピードだけでなく、支払い後にトラブルを残さないことも重要です。
まとめ:示談を有利に進めるには早めの判断が重要
不倫慰謝料の示談は、相手方の請求額をそのまま受け入れる手続きではありません。
請求内容や証拠、相場、支払い条件を確認したうえで、必要に応じて減額交渉を行うことが大切です。
示談は、裁判を避けて早期解決を目指せる方法ですが、進め方を誤ると不利な条件で合意してしまうこともあります。
焦って返事をする前に、まずは請求内容を整理し、どのような対応が適切かを冷静に判断しましょう。
不倫慰謝料を請求され、示談交渉の進め方や示談書の内容に不安がある方は、大地総合法律事務所までご相談ください。
状況を丁寧に確認したうえで、減額交渉や早期解決に向けてサポートいたします。
\不倫がバレてしまった.../