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債務整理のデメリットとは?共通・手続き別のポイントや対処法を解説

佐久間 大地

弁護士法人大地総合法律事務所 代表弁護士

佐久間 大地

紛争や問題は、数字や契約の世界だけで完結するものではなく、必ず人が関わってきます。借金や支払いの悩みもまた、人と人との間で生じるものです。そして、そこには必ず感情や立場があります。
私たちは、法的な手続きを駆使することはもちろん、依頼者の不安や生活への影響に配慮しながら、最適な解決を目指して日々研鑽を積んでおります。

債務整理といえば「大地総合法律事務所」と思い出していただけるよう、所員一同、プロフェッショナルとして全力でサポートいたします。

監修者

債務整理は借金問題を解決できる方法ですが、手続きに入る前にあらかじめ知っておきたいデメリットもあります。

しかし、債務整理のデメリットの多くは「正しく理解すれば対処可能」なものばかりです

そこで、本記事では債務整理のデメリットと、それぞれへの対処法を詳しく解説します。

事務局さん
先生、債務整理はメリットもあるものの、デメリットもあるんですよね?
佐久間先生
デメリットはありますが、重い借金の問題を解決できる方法であり、必要によっては迅速に選択すべきです。デメリットも正しく理解しておけば、安全に手続きを進められます。

\毎月の返済が苦しい.../

債務整理に共通するデメリット

債務整理のデメリットとは?共通・手続き別のポイントや対処法を解説 2

債務整理には手続きの種類を問わず注意しておきたいデメリットがあります

5つに分けて解説します。

ローン・クレジットカードなどが一定期間使えない(ブラックリスト)

債務整理を行うと、信用情報機関に事故情報が一定期間登録されます。

これが一般に「ブラックリストに載る」と表現される状態です。

事故情報が登録されている間は、クレジットカードの作成・更新、各種ローンの契約、スマホ端末の分割購入などの審査に通りにくくなります

登録期間の目安は手続きの種類によって異なりますが、おおむね5〜7年程度です。

佐久間先生
「ブラックリスト」という言葉のインパクトは大きいですが、登録は永久に残るものではありません。登録期間が過ぎれば、信用情報機関に登録された該当情報は抹消されます。ただし、その後に必ず審査に通るわけではありませんので、一定期間は新たな借入れに頼らず、生活を立て直す期間と捉えましょう。

保証人・連帯保証人に請求がいく可能性がある

債務整理をしても、保証人・連帯保証人の返済義務はなくなりません

本人が債務整理をしたことなどにより期限の利益を失うと、債権者は保証人・連帯保証人に対して残債の一括請求を行う可能性があります。

特に個人再生や自己破産の場合は、すべての債権者が手続きの対象になるため、保証人付きの借金だけを除外はできません。

保証人に事前の相談なく手続きを進めてしまうと、突然の請求により関係が悪化するおそれもあります。

任意整理であれば整理する債権者を選べるため、保証人付きの借金を対象から外して返済を続けることで、保証人への請求を避けられる可能性があります

事務局さん
保証人に迷惑をかけたくないから債務整理をためらう方もいそうです。
佐久間先生
実際にそうした声は多いです。ただ、返済が行き詰まって延滞が続けば、債務整理をしなくても保証人に請求がいく可能性はあります。

家族・会社にバレる可能性がある

債務整理を検討する際に「家族に内緒で手続きしたい」「勤務先に知られたらクビになるのでは」と不安に思う方は少なくありません。

結論から言うと、手続きの選び方や進め方次第で、家族や会社に知られるリスクを大幅に下げることが可能です

同居の家族にバレる主な原因は、裁判所からの郵送物や自宅への電話連絡です。

弁護士に依頼した場合、窓口をすべて法律事務所に一元化できるため、自宅に直接連絡がいくことは原則ありません

法律事務所からの郵送物も名前を伏せて個人名で送るなどの配慮を受けられます。

勤務先にバレるケースも極めて限定的です。債務整理を理由に解雇することは法律上認められていません。

ただし、会社の「社内融資」などを利用している場合、その勤務先を債務整理の対象に含めると確実に知られてしまいます。

事務局さん
家族や職場に絶対に知られたくない場合は、どの手続きを選ぶべきでしょうか?
佐久間先生
最もバレにくいのは「任意整理」です。整理する対象を選べるため、家族が保証人になっている借金などを除外できます。

賃貸・結婚・就職への影響(実際にはほとんどない)

インターネット上で債務整理を調べると「債務整理をすると賃貸契約ができなくなる」「結婚できなくなる」「就職で不利になる」といった情報を目にすることがあります。

しかし、これらは誤解であり、実際の影響はほとんどありません

それぞれの実態は以下のとおりです。

  • 賃貸契約への影響
    現在住んでいる賃貸物件を追い出されることはありません。また、新しく引っ越す場合も、家賃の支払い方法や契約者がご家族の場合などによっては審査に影響せず契約可能です。
  • 結婚への影響
    債務整理をした事実が戸籍や住民票に記載されることはありません。そのため、手続きをしたことが原因で結婚が破談になったり、相手に自動的に知られたりすることはありません。
  • 就職・転職への影響
    一般の企業が採用時に個人の信用情報を調べることはできないため、就職活動で不利になることはありません。ただし、自己破産の場合のみ、手続き中に一定の職業(士業や警備員など)に就けない「資格制限」がありますが、これも手続きが完了すれば解除されます。
佐久間先生
債務整理は「日常生活のすべてが制限されるのでは」と身構えてしまう方が多いですが、実際にはそんなことはありません。

方法によっては弁護士費用が必要になる

債務整理を弁護士に依頼するには費用がかかります。

借金の返済で生活が苦しい状況のなかで、さらに弁護士費用を用意しなければならないのは、大きな負担に感じる方も多いでしょう。

しかし多くの法律事務所では、分割払いに対応しています

また、弁護士が受任通知を送ると、貸金業者などからの督促・取立てが止まり、対象となる借金の返済を一時的に止められる場合があるため、それまで返済に充てていた分を費用の支払いに回せることがあります。

佐久間先生
費用面で相談をためらう方には、「法テラス(日本司法支援センター)」の利用も選択肢の1つです。収入や資産が一定の基準以下であることなど、所定の要件を満たせば、弁護士費用の立替制度を利用できる場合があります。

手続き後の生活が実際にどう変わるのかは、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】債務整理したらどうなる?カード・携帯・仕事への影響と続く期間を解説

債務整理の手続き別のデメリット

債務整理のデメリットとは?共通・手続き別のポイントや対処法を解説 3

債務整理には任意整理・個人再生・自己破産の主に3つの手続きがあります。

それぞれの手続きによってデメリットが異なるため、各手続き別に正しく把握し、自分にとって許容できるものかどうかを比較してみましょう

まず全体を並べると、次のとおりです。

  任意整理 個人再生 自己破産
裁判所 使わない 使う 使う
元本 原則減らない 大幅に減る(原則5分の1・最低100万円) 原則ゼロ
整理する借金を選べるか 選べる(保証人付き・車のローンを外せる) 選べない(全債権者が対象) 選べない(全債権者が対象)
手続き後の返済 あり(3〜5年) あり(原則3年・最大5年) なし
財産 手放さない 手放さない 20万円超の財産は処分(現金は99万円まで残せる)
職業・資格の制限 なし なし 手続き中のみ一部あり
官報への掲載 なし あり あり
安定収入 必要 必要 不要

表のとおり、デメリットが最も少ないのは任意整理ですが、そのぶん元本は減りません。減額の大きさとデメリットの少なさは、基本的にトレードオフの関係にあります。以下、それぞれを詳しく見ていきます。

事務局さん
債務整理といっても裁判所での手続きが必要なものや、そうではない手続きもあるため、デメリットが異なります!本章で一緒に学びましょう。

任意整理:元本カットが難しい・交渉次第で結果が変わる

任意整理は弁護士などが債権者と直接交渉し、将来発生する利息をカットしてもらい、元本を3〜5年程度の分割にて返済していく方法です。

任意整理の主な目的は「将来利息のカット」であるため、元本の減額は原則難しく個人再生や自己破産のように、借金の元本そのものを大幅に減らす、あるいはゼロにすることはできません

また、裁判所を通さない任意による交渉であるため、強制力はありません。

取引期間が極端に短い場合や、一度も返済していない場合などは、業者側が「将来利息のカット」の交渉自体を拒否するケースもあります。

佐久間先生
任意整理は「特定の借金だけを選んで整理できる(保証人付きの借金や車のローンを除外できる)」という点が大きなメリットです。

個人再生:借金がゼロにならない・全債権者対象・官報掲載

個人再生は裁判所に申立てを行い、借金を原則5分の1(最低100万円)程度まで大幅に減額してもらう方法です。原則3年(最大5年)で返済します。

自己破産とは異なり、減額された後の借金は返済し続けなければなりません。そのため、手続き後も継続して安定した収入がなければ認可されません。

また、返済の必要があるものの任意整理のように「この借金だけは除外する」という選択はできません。

例えば知人からの借金や会社の融資、保証人がついている借金もすべて巻き込むことになります。

国の機関紙である「官報」にも手続きが始まった事実と氏名・住所が掲載されます。ただし、一般の人が官報を日常的にチェックすることはほぼありません。

加えて、掲載が半永久的に残るわけでもありません。官報は2025年4月1日から新しい発行サイトに移行し、誰でも無料で閲覧できるのは直近90日分と定められています。90日の閲覧期間を過ぎたあとは、氏名・住所など個人に関する情報を含む事項は、無期限に閲覧できる状態に置く対象から除かれます(官報の発行に関する内閣府令第15条・第18条)。

自己破産:一定以上の財産を手放す必要がある・職業制限・官報掲載

自己破産は裁判所から「免責許可」をもらうことで、税金などの一部の例外を除き、すべての借金の返済義務を免除してもらう手続きです。

ただし、20万円を超える価値のある財産(現金は99万円まで)は、裁判所によって回収され、債権者への配当に充てられます。そのため原則として持ち家や車、高額な解約返戻金がある生命保険などは手放さなければなりません。

個人再生同様に官報への掲載があるほか、破産手続きが開始されてから免責が確定するまでの数ヶ月間、特定の職業や資格に制限がかかります。

佐久間先生
家具や家電、生活に必要な最低限の現金などは手元に残せます。すべての財産が没収されるわけではありません。

官報に載ることで実際にどのような影響があるのかは、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】官報に載るとどうなるの?掲載される理由とデメリットを解説

債務整理のデメリットへの対処法

債務整理のデメリットとは?共通・手続き別のポイントや対処法を解説 4

債務整理のデメリットは、正しい知識を持ち適切な対策を取ることで最小限に抑えることが可能です。借金問題を根本的に解決しつつ、生活への影響を最小限にするための具体的な2つの対処法を解説します。

事務局さん
先生、債務整理のデメリットにはどのような対処法があるのでしょうか。
佐久間先生
主な対処法には「自分の状況に合った手続きを選ぶこと」と「早い段階で弁護士に依頼すること」の2つが考えられます。これらを徹底するだけで、生活への影響や周囲にバレるリスクは大幅に下げられますよ。

手続きの選び方でデメリットを最小限にできる

債務整理のデメリットの多くは、「状況に合った正しい手続きを選択する」ことで回避や軽減ができます

例えば、家族や職場にどうしても内緒にしたい場合は裁判所を通さず、整理する借金を選べる「任意整理」を選択することが望ましいでしょう。

一方で、マイホームだけは絶対に手放したくない場合は返済が厳しい任意整理や自宅を失う自己破産を避け、「住宅ローン特例付きの個人再生」を選択することが大切です。

債務整理は「これだけは避けたい」という希望に合わせて手続きを選べます。

各手続きのメリット・デメリットを天秤にかけ、どれが最もライフスタイルを崩さずに済むかを見極めることが重要です

弁護士に依頼するとデメリットを抑えられるケースがある

債務整理を個人で行うことは大変難しく、手続きが失敗に終わるリスクもあります。弁護士という専門家を味方につけると、以下に挙げるメリットがあると知っておきましょう。

  • 債権者との交渉を有利に進められる

任意整理の場合、個人での交渉には応じてくれない業者でも、弁護士が介入することでスムーズに応じる傾向があります

  • 家族にバレないための徹底した配慮を受けられる

債権者などからの郵便物を法律事務所に送るなど、周囲に債務整理が発覚しないよう細心の注意を払って手続きを進めてもらえます。

  • 的確な書類準備で手続きをスピーディーに終えられる

個人再生や自己破産では裁判所に多くの書類を提出する必要がありますが弁護士のサポートがあればスムーズに進行するため、負担感を減らすことが可能です。

事務局さん
自分で悩んでいるよりも、最初から弁護士に依頼したほうが、デメリットを減らせるんですね。
佐久間先生
そのとおりです。債務整理の実績が多い弁護士を頼っていただきたいですね。

デメリットを踏まえて債務整理をするべきかどうかの判断基準は、以下の記事で解説しています。

【関連記事】債務整理はするべきか?判断基準やしない方がいい人・今すぐ相談すべき人の特徴を解説

債務整理のデメリットについてよくある質問

債務整理のデメリットとは?共通・手続き別のポイントや対処法を解説 5

債務整理を検討していると、さまざまな疑問や不安が湧いてくるものです。

誤った情報や大げさな噂も多いため、正しい知識を持った上で判断することが欠かせません

本章では債務整理のデメリットに関して、実際に多く寄せられる3つの質問をピックアップし、専門的な視点から分かりやすくお答えします。

事務局さん
先生、相談に来られる方もインターネット上の情報を見て「本当に大丈夫かな…」と悩まれているケースがありますよね。
佐久間先生
そうですね。極端なデメリットばかりが強調されている記事も少なくありません。ですが、専門的な視点から正しく疑問を紐解いていけば大丈夫です。よくある疑問を1つずつ解消していきましょう。

Q1. 債務整理しないほうがいいケースはありますか?

借金総額が少なく、自力やご家族の協力などで短期間にて完済できる見込みがある場合や、直近でどうしても新規のローン(マイホーム購入など)を組む予定がある場合は、慎重に判断すべきでしょう。

ただし、利息を払い続けることで生活が困窮しそうな場合は早めに債務整理を検討することが大切です

「返済のために他から借り入れている」状態になってしまうと、雪だるま式に借金総額が増えていくため注意しましょう。

Q2. 債務整理はデメリットよりメリットのほうが大きいですか?

すでに返済が滞っている、生活がひっ迫している状況なら間違いなくメリットのほうが大きいでしょう

債務整理をしなくても、滞納が続いているとブラックリストに掲載されるため、結局デメリットが発生するためです。

返済せずに滞納していると最終的には裁判を起こされて給与や財産を「差し押さえ」られるリスクもあります。

債務整理を行えば督促が止まり、利息や元本が減額されます。安全に生活を立て直すことができるため、メリットが大きいでしょう。

Q3. 任意整理と自己破産ではどちらのデメリットが大きいですか?

財産の処分や資格制限、官報掲載がある「自己破産」のほうがデメリットが大きいでしょう

ただし、自己破産は借金が一部を除き「全額免除」になるため、得られるメリットが大きい手続きです。

任意整理はデメリットが少ない分、元本は減らないため「これからも返済を続けなければならない」という精神的・金銭的負担が残ります。

佐久間先生
どちらを選択するかについては収入と借金の額、財産状況などによって最適な選択は異なります。

債務整理のデメリットが不安な方は大地総合法律事務所にご相談ください

債務整理のデメリットとは?共通・手続き別のポイントや対処法を解説 6

債務整理のデメリットは、インターネット上で言われているほど怖くはありません。ブラックリストの登録も一定期間に限られています。

手続きを選べば家族や職場に知られることなく、大切な財産を守ることも可能です。

しかし「デメリットが怖いから」と問題を先送りし、状況をさらに悪化させてしまうと債務整理の選択肢は狭まってしまいます

大地総合法律事務所では、ご相談者様お一人おひとりの生活状況や「これだけは避けたい」というご希望を丁寧にお伺いし、デメリットを最小限に抑えた最適な解決方法を提案しています。まずはお気軽にご相談ください。

\毎月の返済が苦しい.../

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