▶︎自己破産しても車は取られません
自己破産をしたら車がなくなり困ると生活への影響を不安に思い手続きに踏み出せずにいませんか?
実は自己破産しても車が必ず処分されるわけではなく、条件を満たせば手元に残せます。
本記事では、自己破産における車の引き上げ基準や具体的な査定方法を解説します。
また、自由財産拡張など車を手元に残す4つの手段や、絶対に避けるべきNG行動も紹介。
車を守りながら借金問題を解決する正しい選択肢がわかるので、ぜひ最後までご覧ください。
\毎月の返済が苦しい.../
自己破産で車はどうなる?引き上げになる3つの基準

自己破産において車が処分されるかどうかは、単一の理由ではなく複数の基準によって判断されます。

ローンがなくても車の価値が高ければ、債権者へ配当するために換価処分の対象となります。
名義と価値の両面から総合的に判断を下しましょう。
①ローンの有無|支払が残っている場合は原則として引き上げられる
車のローンを返済中の場合、所有権はローン会社やディーラーにあるのが一般的です。
法律用語では所有権留保と呼びます。
自己破産の手続きを始めると、ローン会社は担保として車を引き上げる権利を行使します。
ローン返済中の車を手元に残すことは極めて困難といえるでしょう。
ただし、ローンの種類が銀行系マイカーローンで、所有権留保がされていない場合もあります。
その場合は、車の価値によって判断されます。
②車の価値|ローン完済済みでも査定額が20万円を超える場合は処分対象
ローンを完済して自分名義になっている車でも、価値が高ければ処分の対象となります。
裁判所の運用では、査定額が20万円を超える場合は換価処分の対象となるのが原則です。
「20万円」はあくまで運用上の目安であり、地域の裁判所や管財人によって判断が異なる場合があります。
「古い車だから大丈夫だろう」と自己判断せず、査定書を持参して弁護士に確認することが確実です。
③車の名義|自分以外の名義(家族など)であれば原則として処分されない
自己破産で処分される財産は、あくまで破産者本人の名義の財産に限られます。
配偶者・親・子供など、家族名義の車であれば自己破産の影響は受けません。

この場合も手元に残せますか?

名義が奥様でも、実質的な支払い者があなたであれば「あなたの財産」とみなされて処分対象になる可能性が高いです。
名義という表面上の事実だけでなく安易に判断せず、実態で評価される点に気を付けてください。
自己破産における車の査定方法

査定額が20万円を超えるかどうかが車を残せるかの分かれ目です。
正確な価値を証明するためには、裁判所が認める正しい手順を踏まなければなりません。
複数の買い取り業者やディーラーに査定を依頼し査定書をもらう
裁判所に車の価値を証明するためには、客観的な資料の提出が不可欠です。
中古車買い取り業者・ディーラーに依頼し、正式な査定書を発行してもらいましょう。

実務上では、買い取り業者が発行する書面の査定書が必要です。
ただし、年式が古くどうしても業者が査定してくれない事情がある場合は、管財人に相談して別の価値算定方法を検討することもありますよ。
1社だけの査定額では不十分とみなされることも多く、2社以上の査定書を用意すると安心です。
口頭での査定額や簡易査定結果は、証拠として採用されない傾向にあります。
普通車は初年度登録から7年・軽自動車は5年経過で価値ゼロとされることも
多くの裁判所では、減価償却の考え方に基づき、一定期間が経過した車を無価値とみなす運用をしています。
| 車種 | 価値ゼロとみなされる目安 | 注意点 |
| 普通自動車 | 初年度登録から7年以上 | 外車・高級車は対象外となるケースあり |
| 軽自動車 | 初年度登録から5年以上 | 走行距離が極端に短い場合は要査定 |
一定期間が経過している場合には、財産的な価値が認められないため車を残せる可能性があります。
通勤・通院に車が必要な場合は処分を回避できる?自由財産拡張の実情

「通勤に使っているから車を残せるはず」と期待して相談に来られる方は多いです。
ただし、認められるためには厳格な審査をクリアしなければなりません。
自由財産の拡張申立てとは?
自由財産の拡張申立てとは、自己破産の手続きにおいて、法律で定められた自由財産以外の財産を手元に残すための制度です。
裁判所に対して自由財産拡張の申立てを行い、認められれば処分を回避できます。
車がなくなると生活が成り立たないなど、切実な事情がある場合に利用されます。
すべての申立てが認められるわけではないため、弁護士と協力して慎重に手続きを進める必要があります。
参考:e-Gov 法令検索「破産法 第三十四条(破産財団の範囲)」
生活上の必要性が認められた事例と認められなかった事例
拡張が認められるかは、代替手段の有無が大きな判断基準となります。
- 認められやすい事例:重病人の通院、深夜・早朝勤務で公共交通機関が皆無、介護への使用
- 認められにくい事例:単に通勤時間が長くなる、子供の習い事の送迎、雨の日に困る

例えば「公共交通機関の始発より前に出勤する必要がある」「家族の重度障害により車椅子の送迎が必須」など、車がないと生活基盤が完全に崩壊するというレベルの客観的な証明が求められます。
自由財産拡張が認められやすい車の条件
国産のファミリーカー・軽自動車・福祉車両などは、生活維持に必要とみなされやすい車種です。
反対に、高級外車・スポーツカーなどは嗜好品と判断され、拡張が認められる可能性は極めて低くなります。
生活に身の丈が合っている車かどうかが、重要な審査ポイントといえるでしょう。
申立て時に準備すべき証拠資料
申立ての際には以下の資料から必要な証拠書類を準備しておきましょう。
- 公共交通機関の路線図・時刻表
- 医師の診断書・通院記録
- 介護保険被保険者証・障害者手帳
- 勤務先が発行する通勤証明書
言葉だけでなく、書面で必要性を裏付けることが成功のカギとなります。
自由財産拡張以外で車を手元に残す4つの方法

自由財産の拡張が認められない場合でも、車を残すための現実的な選択肢は残されています。
ご自身の状況に合わせて、最適な手段を検討してください。
第三者弁済|家族にローン残債を一括返済してもらう方法と所有権移転の注意点
ローンの支払いが残っている場合、親族などの第三者にローン残債を一括で肩代わりしてもらう方法があります。
ローンを完済できれば所有権留保が解除されるため、車が引き上げられる事態を防げます。
ただし、破産者本人の財産から返済すると法律違反になるため、必ず第三者の資金から支払わなければなりません。
返済後は名義をどう扱うかなど、法的な整理が必要となるため専門家への相談を推奨します。
参考:e-Gov 法令検索「民法 第四百七十四条(第三者の弁済)」
第三者買取|親族に適正価格で売却する方法と「否認リスク」の現実
ローン完済済みで価値が20万円を超える車は、親族に適正価格で買い取ってもらうことが可能です。
買い取ってもらった代金は裁判所に納め、債権者への配当金として扱われます。


市場価格より著しく安く売却すると、管財人から「不当な財産減少行為(否認権の対象)」とみなされます。
売買自体が取り消されるだけでなく、免責不許可の引き金になるリスクがあります。
必ず買い取り業者の査定書に基づいた適正価格で買い取ってもらいましょう。
任意整理への切替え|車のローン債権者を対象から外して返済継続する方法
車を残すことが最優先であれば、自己破産以外の債務整理を検討するのも1つの手です。
任意整理であれば、対象とする借金を自由に選ぶことができます。
車のローンを対象から外して今までどおり返済を続け、他の借金だけを減額する交渉が可能です。
個人再生という選択肢|車を残しやすいケース
個人再生を利用すれば、借金を大幅に減額しつつ財産を残せる可能性があります。
ローンを完済している車であれば、どれだけ価値が高くても手放す必要はありません。
ただし、車の価値の分だけ「最低限返済すべき金額(清算価値)」が増えるため、月々の返済額に影響します。
また、ローンが残っている車は、自己破産と同様に引き上げ対象となるのが一般的です。
返済を継続できる安定した収入があるかどうかが、個人再生を選ぶための前提条件となります。
【関連記事】任意整理と個人再生の違いを7項目で徹底比較!メリットやデメリット・向いている人の特徴を解説
自己破産で車を残そうとして絶対やってはいけない3つのNG行為
車を手放したくない一心で、誤った行動をとると取り返しのつかない事態に陥ります。


過去の車検証の履歴や保険の契約状況から必ず発覚します。
最悪の場合、免責不許可となり借金がそのまま残る致命的な結果を招いてしまいます。
破産直前の名義変更|詐欺破産を疑われる
自己破産を申し立てる直前に、車の名義を家族・友人へ変更する行為は厳禁です。
財産を意図的に隠す行為とみなされ、詐欺破産罪に問われる危険性があります。
悪質と判断されると免責不許可事由に該当し、すべての借金が免除されなくなります。
直近の名義変更は必ず調査されるため、絶対に自己判断で行わないでください。
参考:e-Gov 法令検索「破産法 第二百六十五条(詐欺破産罪)」
自動車ローンの偏頗弁済|免責不許可になる
複数の借金があるなかで、車のローンだけを優先して返済する行為を偏頗弁済と呼びます。


結果としてすべての借金がゼロにならないという最悪の事態を招きますから、絶対にやめましょう。
弁護士に依頼したあとは、すべての債権者への支払いを一律でストップしなければなりません。
管財人・裁判所への無断処分|財産隠しとみなされる
手続き中に、裁判所・管財人に報告せず勝手に車を売却する行為も禁止されています。
適正な価格で売却したつもりでも、換価手続きを妨害したとみなされてしまいます。
車を処分して得た現金を生活費などに使ってしまうと、非常に重いペナルティが課されます。
車に関する行動を起こす前には、必ず担当弁護士へ確認を取るようにしてください。
車が処分されたあとの移動手段を確保する現実的な方法

万が一車を手放す結果になっても、生活を再建するための移動手段は確保できます。

信用情報機関に登録される約5~10年の間はローンが組めないというだけで、現金一括での購入は破産直後でも可能です。
生活再建を第一に考えましょう。
免責確定後に自由財産の現金で一括購入する
自己破産後でも99万円以下の現金は、自由財産として手元に残せます。
その範囲内で中古車を現金一括購入することは、法律上問題ありません。
まずは手頃な中古車で生活基盤を立て直すことを目標にしましょう。
家族名義で購入・リースしてもらい使用させてもらう
自己破産による信用情報への影響は、あくまで破産者本人に限定されます。

信用情報はあくまで個人のものです。
あなたが自己破産しても、ご家族がご自身の名義で自動車ローンを組むことには一切影響しません。
ご家族の理解と協力が得られるなら、生活再建への大きな助けになりますね。
家族名義で購入・契約した車を破産者本人が運転して通勤などに使うことは、問題ありません。
カーリース・サブスクリプションの活用
一般的なカーリースはローンと同様の審査があるため、自己破産直後は難しいのが実情です。
ただし、「自社ローン・自社審査」を謳う中古車販売店や一部の特定サービスであれば、独自の基準で契約できる可能性があります。
初期費用なしで月額料金のみで車に乗れるため、破産直後の生活にも適した選択肢です。
自己破産と車に関するよくある質問

車の処分に関して、相談者から多く寄せられる疑問について解説します。

ただし、自己破産者本人のクレジットカードに付帯するETCカードは強制解約となるため、利用を停止してください。
自己破産で処分対象となった車はいつ引き上げられますか?
ローン返済中の場合、弁護士からの受任通知がローン会社に届いた後、数日〜数週間で引き上げられます。
ローン完済済みの場合は、自己破産の手続きが開始され、破産管財人が選任されたあとに処分が進められます。
自己破産で車を処分する場合、ETCカードや運転免許証はどうなりますか?
自己破産によって、運転免許証が取り消されることは一切ありません。
ただし、クレジットカードに付帯しているETCカードは、カードの強制解約にともない使用できなくなります。
高速道路を利用する際は、現金払い・家族名義のETCカードを利用するなどの対策が必要です。
軽自動車と普通自動車で処分基準は違いますか?
基本的な処分基準である査定額20万円というルールは、普通車・軽自動車で共通です。
違いが出るのは無価値とみなされる経過年数で、普通車は7年、軽自動車は5年が目安です。
軽自動車の方が、年式による処分回避のハードルは若干低いといえるでしょう。
自己破産後に車を購入したり、ローンを組むことはできますか?
自己破産後の約5~10年間は信用情報機関に事故情報が登録され、自動車ローンを組むことは原則できません。
ただし情報が削除されたあとは再びローンを組んで車を購入することが可能になります。
バイクや原付も自己破産で処分の対象になりますか?
バイク・原付に関しても、車と全く同じ基準で処分の可否が判断されます。
ローンが残っていれば引き上げられ、完済済みでも査定額が20万円を超えれば処分対象です。
原付は新車価格が安く20万円の基準を下回りやすいため手元に残せるケースが多い一方、大型バイクで趣味性が高く価値があれば処分の可能性が高まります。
自己破産で車がないと困る場合は大地総合法律事務所へご相談ください

車を手元に残したい一心で誤った判断をしてしまうと、自己破産自体が失敗に終わる危険性があります。
自由財産の拡張が認められるかどうかの判断や、適正な車の査定方法など、法的な専門知識が欠かせません。
大地総合法律事務所では、相談者様の生活状況を詳細にヒアリングし、最適な解決策をご提案いたします。
借金問題にお悩みで車を手放せない事情がある方は、取り返しのつかない事態になる前に、弊所の無料相談をご利用ください。
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