▶︎副業詐欺【その副業、存在しないかもしれません】
弁護士法人大地総合法律事務所、代表弁護士の佐久間です。
「スマホで簡単に稼げるなら、登録料くらい払ってもいい」
「最初に報酬が振り込まれたから、この副業は本物のはず」
このように考える方もいますが、どちらも正しくありません。
副業詐欺で目立つのは、登録料やマニュアル代を払わせた後に高額なサポート費用を求める手口や、最初に少額の報酬を払って信用させてから入金を重ねさせる手口です。
最近は、SNSの広告からLINEに誘導し、電話で消費者金融からの借入れまで勧める手口も報告されています。
本記事では、副業を探している方と、すでにお金を払ってしまった方に向けて、副業詐欺のよくある手口と怪しい誘いの見分け方、被害に遭ったときにまずやることを解説します。
\もしかしたら詐欺に遭ったかもしれない.../
副業詐欺とは

副業詐欺とは、副業を希望する人をターゲットにして、金銭や個人情報を騙し取る行為です。
SNSやインターネット広告などを通じて勧誘されることが多く、近年は手口も巧妙化しています。
そのため、少し見ただけでは「本当に価値ある仕事」なのか「副業詐欺」なのか、見分けがつかないこともあるでしょう。
約束された収入が得られなかったり、高額な情報商材やツールを売りつけられたり、個人情報を悪用されたりするなどの被害が後を絶ちません。
副業詐欺の多くは、次のような流れで進みます。
- SNSや検索サイトの広告で「スマホだけ」「1日10分」などと手軽さを強調する
- LINEなどのメッセージアプリの友だち登録に誘導する
- マニュアル代や登録料を払わせたり、少額の報酬を払って信用させたりする
- 電話やWeb会議で、高額なサポートプランや追加の入金を求める

「詐欺かどうか分からない」という段階でも、支払った金額ややり取りが分かる資料をお手元にご用意の上、弁護士へご相談ください。
副業詐欺でよくある手口9選

副業詐欺の手口は、スマホで稼げると謳うものから、投資や内職を装うものまでさまざまです。
どの手口も、「稼げる」と言いながら先にお金を払わせる点は共通しています。
ここでは、副業詐欺でよくある手口を9つ紹介します。
1.スマホ副業詐欺
スマホ副業詐欺とは、スマートフォンを使って手軽に稼げると謳い、実際には金銭や個人情報を騙し取る詐欺行為です。
「スマートフォン1つで月〇万円!」「未経験でも簡単に稼げる!」など、魅力的な言葉で誘い込まれることが多く、手軽さに釣られて詐欺に遭ってしまうケースが少なくありません。
実際にスマートフォン1つでできる簡単な副業やポイ活も存在するため、信頼できる案件かどうかの見極めが重要です。
集められた個人情報は、別の詐欺や犯罪に利用されてしまうこともあります。
【関連記事】本当に安全な稼げる副業ってあるの?被害のきっかけや特徴・被害に遭わないためのポイントを紹介
2.投資詐欺
投資詐欺とは、投資であたかも利益が得られるような嘘の情報や巧妙な手口で人々から金銭を騙し取る犯罪行為です。
株・仮想通貨・FX・バイナリーオプションなどによる「運用益」を得られるとして勧誘される手法であり、少ない元本で多額の利益を得られるような印象を与えます。
預けたお金を引き出せなくなったり、担当者と連絡が取れなくなったりして発覚するケースが多いです。
また最近では、SNS経由で接触を図り、関係を築いてから投資に誘導するという手口も流行っているので注意しましょう。
3.情報商材詐欺
情報商材詐欺とは、高額な情報やノウハウを「情報商材」として販売する詐欺行為です。
販売された情報やノウハウには事前に説明されていたような価値がなく、簡単なマニュアルや粗末な資料になっているケースも少なくありません。
例えば、約3,000円のマニュアルを買った後に、電話で「有料プランに入らなければもうからない」と言われ、約60万円のプランを契約したという相談が国民生活センターに寄せられています。
「返金保証付き」と謳いながら、実際にはさまざまな理由をつけて返金に応じないケースも多いです。
情報商材の購入者がさらに他の購入者を勧誘することで報酬を得る、マルチ商法と組み合わされているケースもあります。
4.資格取得・通信講座詐欺
資格取得・通信講座詐欺とは、資格取得やスキルアップを目的とした通信講座を装い、受講料や教材費を騙し取る詐欺行為です。
「この資格を取れば手当が支給される」「受講するだけで簡単に国家資格が取れる」などの虚偽のセールストークをされることが多いです。
5.タスク詐欺
タスク詐欺とは、「いいねを押すだけ」「スクリーンショットを送るだけ」といった簡単な作業(タスク)で稼げると誘い、後から高額な入金をさせる詐欺です。
その後、高額な報酬のタスクに進むためや、「タスクに失敗したのでグループの連帯責任になる」などの理由で、入金を求められます。
警察庁も、副業の広告を入口に、最初は儲けたように見せかけた後で「損失が発生した」「違約金を払え」などと言ってお金を払わせる手口に注意を呼びかけています。

【関連記事】タスク詐欺とは?「簡単」「いいねだけ」などを謳う副業に注意!
6.在宅・内職副業詐欺
在宅・内職副業詐欺とは、自宅で手軽にできる仕事や内職を装い、実際には金銭や個人情報を騙し取る詐欺行為です。
特別なスキルがなくても始められる手軽さで人を呼び込むことが多いです。
「簡単な組み立て作業」「データ入力」などと謳い、初期費用として材料費や道具代を支払わされることもあります。
完成品を納品しても粗悪品として買い取ってもらえなかったり、報酬が支払われなかったりすることもあるので注意が必要です。
7.モニター・アンケート詐欺
モニター・アンケート詐欺とは、商品やサービスのモニターやアンケートに回答するだけで高額な報酬が得られると謳い、実際には金銭や個人情報を騙し取る詐欺行為です。
モニター案件だと思って会場に足を運んだら高額な商品をローンで購入させられた、など手口も巧妙化しているので注意しましょう。
実際には存在しないモニターやアンケートを提示し、回答させて個人情報を収集したり、偽の報酬をちらつかせて金銭を要求したりするケースもあります。
消費者庁も、SNSに表示されるアンケート副業の広告をきっかけに、別の副業の高額なサポートプランを契約させられたという相談が数多く寄せられているとして、注意を呼びかけています。
8.ネットショップの運営代行詐欺
ネットショップの運営代行詐欺とは、ネットショップの開設や運営を代行すると謳いながら、実際にはサービスを提供しなかったり、不当に高額な料金を請求したりする詐欺行為です。
また、ネットショップの運営を副業として持ちかけられ、仕入れの名目でお金を払わされたり、報酬を支払われなかったりするケースもあります。
「代行してもらえば不労所得が得られます」など、魅力的な文言で勧誘されるのが特徴です。
警察庁は、SNSで知り合い好意を抱いた相手からネットショップの副業を勧められ、「チャージ金が足りず、注文が処理できない」などと言われて、仕入金や違約金の名目で合計約70万円を騙し取られた事例を公表しています。
9.出会い系(メール・チャットレディ)詐欺
出会い系(メール・チャットレディ)詐欺とは、「スマホで簡単副業」などの広告で誘い、本来は必要のない登録料や研修・サポート費用を払わせる詐欺です。
出会い系サイトでは、男性とやり取りをすることで、お金を稼ぐことができるメール・チャットレディという仕事があります。
また、既にチャットレディとして活動している方向けに、中身のないノウハウを情報商材として売りつけるパターンもあります。
実際にサポートを受けられることはなく、お金を払ってしまうと連絡がつかなくなるケースが多いです。
チャットレディなどの副業は周りにも相談しづらく、高額を支払ってしまってから発覚するケースも珍しくありません。
ここで紹介した手口に心当たりがあり、すでにお金を払ってしまった場合は、振込明細や相手とのやり取りをお手元にご用意の上、弁護士へご相談ください。
副業詐欺を見分ける6つの共通点

副業詐欺の誘いには、手口が違っても共通する特徴があります。
次の6つのうち1つでも当てはまる副業は、お金を払う前に一度立ち止まってください。

1.相場に比べて極端に報酬が高い
仕事内容と照らし合わせて、明らかに高すぎる報酬になっている場合は注意が必要です。
「簡単なアンケートに答えるだけで1日5万円」「スキルゼロでも月商100万円」など、夢のような報酬になっているときは特に警戒しましょう。
高額報酬は、相手の射幸心を煽り、冷静な判断力を奪うための誘い文句として使われます。
判断に迷ったときは一般的な報酬の相場を調べてみるなど、冷静な対応が必要です。
2.初期費用やプラン代金・登録料がかかる
副業を始めるにあたって「登録料」「教材費」「システム利用料」「代行手数料」「プラン代金」など、さまざまな名目で金銭を要求される可能性があります。
初期費用や登録料で儲ける詐欺手法であるため、支払ったからといって対価が提供されるとは限りません。
最初は少額から始めて「これくらいの金額なら払える」と思わせておき、徐々に価格を吊り上げていく手口もあります。
「今更辞めてお金をドブに捨てたくない」という心理を突いてくることも多く、のめり込みすぎてしまう人もいます。
「お金がない」と断ると、消費者金融から借りて払うよう勧めたり、遠隔操作アプリを入れさせて借入れの手続きを進めたりするケースもあるので注意が必要です。
借金をしてまで払うよう求められたら、その場で契約せず、手を止めてください。
3.具体的な仕事内容が明記されていない
具体的な仕事内容が明記されていない副業案件も、詐欺の可能性があるので注意しましょう。
詐欺の場合「簡単な作業」「誰でもできる仕事」「高収入が得られる」といった言葉で、具体的な業務内容を伏せることがあります。
登録後や面談時に初めて具体的な仕事内容が明かされることもありますが、その内容が期待と大きく異なる場合もあります。
なかには、違法な業務や高額な商品・サービスを売りつける仕事など、危険な副業も含まれているので警戒しておきましょう。
4.運営会社の名前や住所が分からない
副業の広告やLINEのやり取りの中に、運営会社の名前・住所・電話番号が見当たらない場合も注意が必要です。
国民生活センターに寄せられた相談でも、会社名が分からず、個人らしき人とメッセージアプリでやり取りしているだけだったという例があります。
やり取りの途中で、別のLINEアカウントを次々に友だち追加させる業者も要注意です。
相手の正体が分からないまま支払うと、トラブルになったときに連絡が取れなくなるおそれがあります。
5.「絶対」「100%」「必ず」など極端な表現が多い
「絶対に儲かる」「100%確実に稼げる」「必ず成功する」など、極端な表現が多い副業案件も危険です。
特に投資案件などの場合、どんなに安全性が高い案件でも「絶対」を保証できるものはありません。
6.「特別なお知らせ」「残り〇名」などプレミアム感を演出する
「あなただけに特別なお知らせ」「残りわずか〇名様限定」「今だけ特別価格」など、限定性や希少性を強調する言葉で優越感や焦燥感を煽る副業詐欺もあります。
「今すぐ行動すれば間に合う」「このチャンスを逃すと二度とない」など、即断即決を求めてくるケースも珍しくありません。
「今すぐ行動しないと損をする」と思っても、焦らずに情報収集してから決めましょう。
6つの共通点のうち1つでも当てはまる副業にお金を払ってしまった場合は、広告の画面や振込明細を残したうえで、弁護士へご相談ください。
副業詐欺に遭ったらまずやること

副業詐欺に気づいたら、追加のお金を払う前に、証拠を残して、支払いに使ったカード会社や金融機関に連絡することが大切です。
副業詐欺の被害を広げないための初動対応
副業詐欺だと気づいたら、まず以下の3つを最優先で行いましょう。
①証拠を保全する
相手とのやり取り(メール・LINE・DM)、振込明細、契約書、サイトのURL・スクリーンショットなど、被害に関するあらゆる記録を保存してください。
業者からLINEのメッセージを削除するよう指示されることもありますが、消さずに残しておいてください。
後から返金請求や法的手段を取る際に、証拠の有無が結果を大きく左右します。
②追加の支払いを止める
「返金するための手数料」「解約金」「セキュリティ解除費用」など、さらなる支払いを求められても絶対に応じないでください。
追加請求に応じるほど被害が膨らみ、回収困難になっていきます。
③カード会社や金融機関に連絡する
クレジットカードで支払った場合は、すぐにカード会社に連絡し、業者とのトラブルで支払いに納得できないことを伝えましょう。
国民生活センターの調査でも、カード払いは決済に関わる事業者の対応で解決に至ることもあると報告されています。
銀行振込で支払った場合は、振込先の口座の凍結を金融機関に求める方法があります。
ただし、凍結するかどうかは金融機関が判断します。
電子マネーや暗号資産で送金した場合も含め、振込明細や送金の記録をお手元にご用意の上、早めに弁護士へご相談ください。
副業詐欺の契約をクーリングオフできるか確認する
副業詐欺の中には、クーリングオフ制度が適用されるケースがあります。
クーリングオフとは、一定期間内であれば理由を問わず契約を解除できる制度です。
相手方の同意は不要で、書面(または電磁的記録)を送るだけで契約を解除できます。
副業詐欺で適用されやすい主なケースは以下のとおりです。
| 取引形態 | 適用期間 |
| 訪問販売・電話勧誘販売 | 8日以内 |
| マルチ商法(特定商取引法の連鎖販売取引) | 20日以内 |
| 内職商法・業務提供誘引販売取引 | 20日以内 |

期間は、法律で決められた書面を受け取った日から数えます。
書面を受け取っていない場合や、嘘や脅しでクーリングオフを妨げられた場合は、期間を過ぎていてもクーリングオフできる可能性があります。
また、「必ず稼げる」などの断定や嘘の説明で契約させられた場合は、契約を取り消せる可能性もあります。
あきらめる前に、まずは弁護士へご相談ください。
【関連記事】副業詐欺はクーリング・オフできる?できるケース・できないケースや相談先を弁護士が解説!
副業詐欺に遭った場合の相談先

副業詐欺の相談先には、消費生活センター・警察・弁護士があり、それぞれできることが違います。

消費生活センター・消費生活相談窓口
消費生活センターは、消費者からの相談を受け付け、専門の相談員がアドバイスや情報提供を行う公的機関です。
副業詐欺に関する相談も受け付けており、解決に向けたアドバイスや支援を受けられます。
相談料は無料です。
ただし、国民生活センターの調査では、副業のサポート契約をめぐるトラブルは、業者が話し合い(あっせん)に応じなかったり、連絡が取れなくなったりして、解決が難しくなる例が目立つと報告されています。
警察
副業詐欺に遭い、被害届の提出や刑事告訴を検討する場合は速やかに警察へ相談しましょう。
実際に金銭や個人情報を取られてしまったなど、具体的な被害が出ているときにもおすすめです。
最寄りの警察署の窓口で相談することができます。
ただし、警察の捜査は犯人を処罰するための手続きで、払ったお金を取り戻す手続きとは別です。
弁護士
副業詐欺に遭い、法的手段を検討する場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士は、消費者契約法による取消しや返金請求・損害賠償請求など、個人では難しい法的手段を取れるほか、相手方との交渉や訴訟の代理もできます。
「もう取り戻せない」とあきらめてしまう方が多いのですが、弁護士が交渉することで業者が返金に応じるケースは少なくありません。
国民生活センターの調査でも、消費生活センターのあっせんがうまくいかなかった事例で、弁護士が受任した後に、裁判までせずに交渉で解決した例が多いと報告されています。
被害状況を時系列にまとめたメモや相手とのやり取りの記録をお手元にご用意の上、弁護士へご相談ください。
【関連記事】副業詐欺の返金は可能!泣き寝入り前にやるべきお金を取り返す方法を弁護士が解説
副業詐欺についてよくある質問

ここでは、副業詐欺についてよくいただく質問を3つ紹介します。
Q1.副業詐欺で消費者金融から借金をさせられた場合も返済は必要?
原則として、借りたお金の返済義務は借りた本人に残ります。
業者から「すぐに返済できる」と言われて借りた場合でも同じだと、国民生活センターも注意を呼びかけています。
一方で、業者に払ったお金の返金を求める余地はありますし、返済が難しい場合は債務整理も含めて検討が可能です。
借入れの明細と業者とのやり取りを揃えて、早めに弁護士へご相談ください。
【関連記事】消費者金融から借入れさせる手口に注意!副業詐欺の実態を弁護士が徹底解説
Q2.副業詐欺の相手の会社名や住所が分からなくても返金を求められる?
相手の情報が分からなくても、すぐにあきらめる必要はありません。
弁護士にご依頼いただければ、独自のノウハウを基に相手の情報を調査できる可能性がありますので、手元の記録を消さずにご相談ください。
Q3.副業詐欺の業者から少額の返金で合意書へのサインを求められたらどうする?
サインする前に、弁護士へご相談ください。
消費者庁が注意を呼びかけた事例でも、報酬が得られず不信感を持った消費者に対し、業者が少額の返金で合意する「解約同意書」の提出を求めていました。
合意書にサインすると、残りのお金の返金を求めにくくなるおそれがあります。
副業詐欺については大地総合法律事務所にご相談ください

副業詐欺の手口を知り、怪しい案件には手を出さないよう、日頃から注意を払うことが大切です。
大地総合法律事務所では、副業詐欺の被害のご相談を受け付けております。
副業の業者にお金を払ってしまった方や、追加の支払いを求められて不安な方は、まずは一度ご相談ください。
参考文献
- 副業を名目とした詐欺|警察庁
- 【20代特に注意!】簡単に稼げるという副業|国民生活センター
- 簡単なタスクで稼げるとうたう副業トラブルに注意!|国民生活センター
- 20歳代が狙われている!?遠隔操作アプリを悪用して借金をさせる副業や投資の勧誘に注意|国民生活センター
- 副業サポートや投資の名目で借金させる業者に注意!-複数の貸金業者から次々と借り入れさせる手口が目立ちます-|国民生活センター
- 「消費生活センターにおける解決困難事例の研究~起業・副業をめぐる消費者トラブルの被害救済を中心に~」調査報告<結果・概要>|国民生活センター
- 簡単な副業をうたい高額なサポートプランを契約させる事業者に関する注意喚起|消費者庁
- 電話勧誘販売|特定商取引法ガイド(消費者庁)
- 特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)第9条・第24条・第40条・第58条|e-Gov法令検索
- 消費者契約法(平成12年法律第61号)第4条|e-Gov法令検索
- 犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律(平成19年法律第133号)第3条|e-Gov法令検索