メールやSMSなどに添付されたURLや、不審なサイトを開いた際に「利用料」や「入会料」などが表示され、高額の金銭を要求されることがあります。
こうした詐欺はサイトをクリックすることで始まるため、「ワンクリック詐欺」と呼ばれており、総務省も広く注意喚起を行っています。
そこで、本記事ではワンクリック詐欺に遭ってしまった場合、無視をするとどうなるのか弁護士が徹底解説します。
参考:国民のためのサイバーセキュリティサイト「ワンクリック詐欺とは?」
\もしかしたら詐欺に遭ったかもしれない.../
ワンクリック詐欺とは?5つの手口を解説

ワンクリック詐欺は、不審なサイトへ誘導し「不安」や「焦り」を突いて支払いへ誘導する巧妙な仕組みが特徴です。
アダルトサイトや架空通販サイトなどへ誘導し、高額の費用を請求する手口が広く知られています。
本章ではワンクリック詐欺の代表的な手口を5つにわけて解説します。

いつでもだれでも被害に遭う可能性がありますから、十分な注意が必要です。
1.アダルトサイトへの入会やダウンロード請求を装う手口
アダルトサイト内のボタンやリンク(年齢確認など)をクリックしただけで、「入会が完了しました」「動画のダウンロードが開始されました」といった表示とともに高額の費用を請求する手口です。
料金が表示された画面を消しても再度表示されるなど、悪質なケースも多く、アダルトサイトを見たという後ろめたい気持ちから送金してしまう人も少なくありません。
2.当選などの名目でURLへ誘導し費用を請求する手口
「無料プレゼントに当選しました!」「豪華景品が当たります」といったSMSやメールを送りつけ、記載されたURLをクリックさせる手口です。
送り付けられたURLをクリックすると、すぐに会員登録完了の表示や請求画面が出現し、高額な料金を請求されます。
3.アプリのダウンロードへ誘導する手口
アダルト動画や出会い系などのアプリをダウンロードさせるワンクリック詐欺もあります。
「アプリをダウンロードしないと閲覧できない」「システムの更新が必要です」などと表示して、アプリや専用ビューアをダウンロードさせます。
ダウンロードと同時に、自動で高額な利用料金の請求画面を表示する手口です。
4.広告をクリックさせる手口
まとめサイトやアダルトサイトなどの画面に、読みたいページを遮るような広告が表示されることがあります。
広告を消そうとして画面上のどこかをクリックすると、それがサイトへの入会や購入の意思表示として扱われ、請求画面が表示されます。
こうした広告をクリックさせる詐欺も、典型的なワンクリック詐欺の手口です。
5.マルウェアを自動的にダウンロードさせる手口
ユーザーが気付かないうちにデバイスにマルウェア(悪意のあるソフトウェア)を自動的にダウンロードさせる手口も横行しています。
マルウェアが請求画面を消せないようにする、高音量の警告音を鳴らしたり、個人情報を抜き取るような挙動を繰り返したり、利用者を不安に陥れて料金の支払いを要求します。
ワンクリック詐欺は無視するとどうなる?

ワンクリック詐欺(架空請求)の被害に遭った際、「無視しても大丈夫なのか」「何か罰則があるのではないか」と不安に感じる方は多いでしょう。
そこで、本章ではワンクリック詐欺を無視するとどうなるのか、わかりやすく解説します。

思いきって無視しても大丈夫でしょうか?
なぜ無視してもいいのか、わかりやすく解説します。
ワンクリック詐欺で請求されても無視でOK
ワンクリック詐欺による身に覚えのない請求は、基本的にすべて無視して問題ありません。
ワンクリック詐欺の請求は、原則として法的な契約として成立しないためです。
- 電子消費者契約法に違反
ワンクリックで「登録完了」や「購入」と表示されても、そのサービスの内容や金額、支払い方法などの重要事項が明確に示されていません。
また、消費者が購入の意思や契約内容を確認する機会(確認画面など)が与えられていません。
このような取引は、電子消費者契約法において消費者が意思表示を取り消すことが可能です。
- 特定商取引法に違反
利用者がインターネット上での契約について、内容の確認や訂正ができるようになっていない場合、契約を無効にできます。
ワンクリック詐欺のサイトはこの表示が不十分であることがほとんどです。

落ち着いて無視しましょう。
請求画面やメールもすべて無視で問題ない
高額請求や送金を求める画面・メールは、冷静さを失わせるための心理的な誘導にすぎません。
請求書のように見えても、法的な支払い義務を負わせる効力はないため無視しましょう。
詐欺グループは、慌てた被害者が返信したり、電話をかけたりすることで、あなたの連絡先を「反応する見込み客(ターゲット)」として認識します。
一度でも接触すると、より執拗な請求や別の詐欺の標的にされるリスクが高まります。
IP情報等の表示も不安がる必要はない
ワンクリック詐欺では、ご自身の「IP情報」や「プロバイダ名」がパソコンやスマホの画面に表示されることがあります。
個人情報が特定されたと勘違いし、送金に誘導されるケースが見られますが、IPアドレスやプロバイダ名は、あなたがインターネットに接続している機器に割り当てられた識別番号にすぎません。
IPアドレスやプロバイダ名だけでは、詐欺業者が実際の利用者の氏名、住所、電話番号といった個人情報を特定することはできません。
ワンクリック詐欺でやってはいけないNG行動とは

ワンクリック詐欺は無視すればOKですが、巧みに不安を煽るため慌ててしまい、とってはいけない「NG行動」をしてしまう人が少なくありません。
そこで、本章ではワンクリック詐欺時にとってはいけない「NG行動」をわかりやすく紹介します。
慌ててお金を送金しないこと
ワンクリック詐欺で重要なのは「慌てないこと」と「送金しないこと」です。
一度送金してしまうと、取り戻すことが困難になってしまうケースもあります。
特に電子マネーやギフト券での支払いはすぐに詐欺グループに使われてしまい、追跡や返金がほぼ困難となるため、画面が表示されても無視し、不安なら専門家へ相談することが大切です。
詐欺グループ側のメールや電話番号に連絡しないこと
高額請求などの画面が表示された際に、支払いについて電話やメールをするように求められることがありますが、絶対にやめましょう。
連絡を取ってしまうと、あなたの電話番号やメールアドレスが「支払いをする可能性のある顧客リスト」に載ってしまい、さらに執拗な請求や別の詐欺のターゲットにされます。
絶対に連絡しないように注意しましょう。
しつこい請求が続いても応じないこと
もしも詐欺グループ側から何度も請求を受ける事態になったとしても、支払いに応じる必要はありません。
「裁判になる」「法的措置を取る」といった脅しにも屈しないようにしましょう。

多くのケースでは、しばらくすると請求は止まります。
ワンクリック詐欺で送金してしまった時の対処法

もしもワンクリック詐欺で、詐欺グループ側へ送金してしまった場合には、どのように対処するとよいでしょうか。
対処として、被害を広げない工夫と、金銭を取り戻すための法的な対応を並行して行う必要があります。

対処法を知りたいです!
マルウェアの感染がないか確認する
ワンクリック詐欺の中には、請求画面と同時にマルウェア(悪意のあるソフトウェア)を自動でダウンロードさせる手口があります。
お使いのパソコンやスマートフォン・タブレットなど、該当のサイトを閲覧したすべてのデバイスを確認し、マルウェアに感染していないかチェックしましょう。
セキュリティ対策ソフトを起動し、フルスキャンを実行します。マルウェアが発見された場合は、指示に従って削除してください。
請求画面が消せない、警告音が鳴り続けるなどの場合は、マルウェアが原因の可能性があります。信頼できる専門家(パソコン修理業者やメーカーサポート)へ速やかにご相談ください。
マルウェアを通じて情報が漏洩している可能性を考慮し、他のサイトで使用している重要なパスワード(ネットバンキング・メール・SNSなど)も変更しましょう。
速やかに警察へ相談する
詐欺被害は速やかに警察へ届け出ることも大切です。
警察に被害を届け出ることで、捜査のきっかけとなり、他の被害拡大を防ぐことにもつながります。
最寄りの警察署、または都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口に速やかに相談してください。
送金した証拠(振込明細)や請求画面のスクリーンショット、サイトのURL、詐欺業者とのやり取りの記録など、可能な限り多くの証拠を持参しましょう。
参考:警察庁「サイバー事案に関する相談窓口」
返金請求には弁護士への相談も不可欠
送金してしまったお金を取り戻す(返金請求)ためには、法的な手続きも必要です。
警察への相談だけではなく、弁護士にも相談しましょう。
弁護士は被害状況に基づき、返金請求が可能なのか、どのような法的手続きを取るべきかをアドバイスしてくれます。
詐欺業者が特定できている場合、弁護士が代理人として交渉や訴訟手続きを進めてくれます。
また、不当な請求を繰り返し受けている場合も弁護士への相談がおすすめです。
弁護士は、この不当な請求についても代理人として毅然とした対応を行うため、不安を解消できます。
ワンクリック詐欺に関するよくある質問

ワンクリック詐欺はインターネットが広く普及し始めた2000年代からあるとされ、詐欺の手口の中でも古典的な手法として知られています。
しかし、近年ではマルウェアを仕込んだものや、アプリへの誘導も多発しているため、しっかりと用心しておくことが大切です。
本章ではワンクリック詐欺に関するよくある質問にお答えします。
ワンクリック詐欺の振り込め請求は無視でいい?
基本的に無視で問題ありません。
ワンクリック詐欺による「入会完了」「購入完了」といった表示は、法的な要件(契約内容の明示や確認機会)を満たしていないため、契約は成立していません。
そのため、支払い義務も発生しません。
請求画面やメール、電話による脅しはすべて無視してください。
絶対に連絡したり、送金したりしないでください。
ただし、裁判所から正式な通知書(支払督促や訴状など)が届いた場合は、無視すると不利益を被るため、すぐに弁護士に相談しましょう。
ワンクリック後にはどのようなトラブルが起きやすいですか?
マルウェア感染による、情報漏洩などのトラブルが起きやすくなります。
サイト画面のクリックだけなら個人情報の流出は起きにくいですが、 一部の悪質なワンクリック詐欺サイトは、クリックと同時にマルウェアを自動でダウンロードさせることがあり、個人情報が流出するおそれがあります。
パソコンやスマホに不審な動作が見られたら、すぐにセキュリティ対策ソフトでフルスキャンを実行し、パスワードの変更も行ってください。
ワンクリック詐欺はどこに相談すべき?
被害状況に応じて、消費生活センターや、先に触れたように警察、そして弁護士に相談を検討できます。
- 消費者センター(連絡先は188)
請求が来たが、まだ支払いをしていない場合の一般的な対処法について相談できます。
- 警察(連絡先は#9110など)
脅迫を受けている場合や、すでに送金してしまった場合の被害届の提出について相談できます。
- 弁護士
すでに送金してしまった場合や、しつこい請求で精神的に追い詰められている場合、裁判所からの通知が来てしまった場合は、速やかに弁護士に相談してください。
ワンクリック詐欺の被害やお悩みは迷わず弁護士にご相談ください

ワンクリック詐欺はパソコン・スマホのいずれもターゲットになりやすく、年齢や性別問わず被害に遭うおそれがある詐欺です。
ただし、請求画面の表示だけではお金が奪われる可能性が低いため、基本的に「無視」で問題ありません。
もしもワンクリック詐欺で送金してしまった場合、一刻も早くお金を取り戻すためにも、まずは弁護士への相談がおすすめです。
少しでも不安や被害がある場合は、ワンクリック詐欺の解決実績も豊富な大地総合法律事務所へご相談ください。