もし突然、あなたの銀行口座にお金が振り込まれていたら「ラッキー!」と思ってしまいませんか?
気をつけてください!
その裏には、危険な「押し貸し詐欺」という罠が潜んでいます。
気付かないまま使ってしまうと、高額な利息を請求されたり悪質な取り立てに巻き込まれたりするリスクがあります。
特にヤミ金業者の存在をよく知らない若い世代や、過去に詐欺被害に遭ったことがある方は狙われやすいので注意しましょう。
本記事では、押し貸し詐欺の具体的な手口や実際の事例、適切な対処法を弁護士がわかりやすく解説します。
\もしかしたら詐欺に遭ったかもしれない.../
押し貸しとは?詐欺?具体的な手口や事例

なんだかお金が勝手に振り込まれるとか、怖いです。
利用者の同意を得ずに一方的にお金を振り込み、後から高額な利息を請求してくる悪質なやり方です。
押し貸しはどのように始まり、どこで被害が生まれるのでしょうか。
ラッキーだと思って使ってしまうと、返済を迫られたり脅されたりするリスクがあります。
ここでは具体的な手口や実際の事例を見ていきましょう。
勝手にお金を振り込み、後から高額な利息を請求する手口
「押し貸し」とは、勝手にお金を振り込んで後から高額な利息を請求する手口です。
突然の入金に戸惑っても、うっかり使ってしまえば「借金の証拠」として悪用され、強引な取り立てにつながる危険があります。
この手口をよく用いるのは、正規の貸金業登録を受けていないヤミ金業者です。
ヤミ金とは、法律で定められた上限を超える高金利でお金を貸し付け、脅迫的なやり取りを行う悪質業者を指します。
振り込まれたお金は安易に使わず、入金があったらすぐに銀行へ相談してください。
押し貸し詐欺の実際の事例
押し貸し詐欺の危険性を理解するため、実際に寄せられている相談事例をみてみましょう。
事例①:身に覚えのない30万円が、自分名義で振り込まれていた
相談者の口座に、身に覚えのない30万円が入金されていました。
本人は一切送金しておらず、他の自分名義の口座から振り込まれた形跡もありません。
銀行からは「振込先金融機関に照会はできるが、振込人が情報開示を拒否した場合は調べられない」と回答されました。
家族や知人が勝手に入金した形跡もないため、誰が何の目的で振り込んだのかがわからない不安な状況が続いています。
事例②:お願いしていない金額を貸し付けられ、高額返済を迫られた
5,000円の借入れを希望したものの、実際に振り込まれたのは4万円。
その後15日が経過した時点で、元金に加えて9万円の返済を求められた事例です。
毎日のように督促電話があり、着信を避けても別の番号から繰り返し連絡が入る状態になりました。
精神的にも追い込まれて、ノイローゼ寸前の状況にまでいたっています。
事例③:キャンセルを断られ、勝手に振り込まれたあとに執拗な嫌がらせを受けた
ヤミ金業者へ借入れを一度申し込んだものの、途中でキャンセルを希望したところ拒否され、一方的に入金された事案です。
翌日から職場などの関係各所に電話が殺到し、会社の顧問弁護士が直接対応しても全く取り合ってもらえませんでした。
相談者は1日中続く電話により精神的限界に追い込まれてしまいました。
身に覚えのない入金があったら、すぐに銀行へ相談してください。
受け取っても「ラッキー」ではない!SNSなどでも話題に
勝手に口座にお金が振り込まれることは、ラッキーなことではありません。
むしろラッキーと思ってしまうことは危険で、これは押し貸し詐欺の典型的な手口です。
また、SNSで個人間融資をしているアカウントがあります。
実際にお金が振り込まれてラッキーなどと話題になっていますが、これも押し貸し詐欺の典型的な手口の入り口であるため危険です。
融資を受けられると思って始めたやり取りが、実際には押し貸しで、一方的な振込→返済請求につながってしまった事例もあります。
公的機関などから注意喚起がなされているため、安易にかかわらないようにしてください。
参考:金融庁「SNS等を利用した「個人間融資」にご注意ください!」
参考:国民生活センター「SNSなどを通じた「個人間融資」で見知らぬ相手から借入れをするのはやめましょう!」
参考:政府広報オンライン「新たな手口のヤミ金融に注意!「#個人間融資」「後払い(ツケ払い)現金化」「先払い買取現金化」
参考:日本貸金業協会「【注意喚起】悪質な金融業者にご注意」
SNSでの個人間融資は押し貸しの典型的な温床で、公的機関も一貫して警告しています。
安易にかかわるのはやめましょう。
押し貸し詐欺に遭いやすい人には共通の原因がある?特徴を紹介

ここからは、代表的な特徴を見ていきましょう。
押し貸し詐欺に狙われやすい人には、いくつかの共通点があります。
過去の行動や個人情報の取り扱いによって、業者から「ターゲットにしやすい」と判断されやすくなります。
1つずつ確認していきましょう。
ヤミ金を利用したことがある
ヤミ金を実際に利用したことがある人は業者の「顧客リスト」に残ってしまうため、再びターゲットにされやすい傾向があります。
また、申し込みフォームに個人情報を入力しただけで、押し貸しリスクが発生する点には要注意です。
名前や電話番号、銀行口座を入力した段階で、業者に「融資希望者」として扱われる可能性があります。
「入力しただけだから大丈夫」と思わず、個人情報を渡さないことを徹底しましょう。
詐欺や悪徳商法の被害に遭ったことがある
過去に詐欺や悪徳商法で被害に遭ったことがある人は、業者から「再び狙えば応じるかもしれない人」とみなされやすい傾向があります。
特に、高額な副業商法やマルチ商法の経験者は要注意です。
本人が二度と関わりたくないと思っていても、個人情報が流通していることで再び悪質業者に狙われるリスクがあります。
過去の経験が将来のリスクにつながることもあると覚えておきましょう。
怪しいサイトに個人情報を入力したことがある
怪しいサイトや掲示板に個人情報を入力すると、その情報が悪質業者に流れる危険があります。
特に、報酬が簡単に得られるかのように装う副業サイトや、短時間で融資できると謳う広告には要注意です。
実際には個人情報を収集することが目的であり、その後の詐欺や押し貸しに悪用されるケースが後を絶ちません。
信用できないサイトには、決して個人情報を入力しないようにしてください。
押し貸し詐欺に遭ったときの対処法

順番にみていきましょう。
押し貸し詐欺に遭ったと気付いたとき、大切なのは冷静に対処することです。
誤った行動をとると、かえって業者に付け込まれ被害が大きくなる恐れがあります。
ここでは、被害を受けた直後に取るべき具体的なステップを整理します。
1. 振り込まれたお金には手を付けない
押し貸しされたお金は不法原因給付に該当するので、返済義務は原則ありません。(民法708条)
参考:e-Gov 法令検索「民法(708条)」
ただし、以下のようなことが起きる可能性があるため絶対に使わないようにしましょう。
- 借金を承諾したと思われるリスク
- 単なる誤振込だと勘違いされる可能性
振り込みに気付いたら、お金には手を付けず、通帳や入出金明細を確認して記録を残しておきましょう。
被害を拡大させないためにも、業者の思惑どおりに動かないようにしてください。
記帳するなど証拠を残しておくことが、何よりの防御策になります。
2.銀行に問い合わせして対応してもらう
押し貸し詐欺かどうかを見極めるために、銀行へ問い合わせましょう。
単なる誤振り込みの可能性もあるため、状況を正確に説明して事実確認するようにしてください。
押し貸し詐欺の可能性が高い場合、銀行は口座の一時利用停止や解約手続きなどの措置を検討してくれることもあります。
独断でお金を使ったり詐欺業者に連絡を取ったりせず、まずは銀行に対応してもらうことが被害拡大防止にもつながります。
口座の安全を守るための措置を講じてくれるので、迷わず相談してください。
3. 相手からの連絡には応じない
押し貸し業者からの電話やメールには、反応しないようにしましょう。
相手には「連絡が取れる人だ」と認識され、さらに執拗な取り立てや脅しにつながる可能性があります。
どうしても不安な場合は、警察や弁護士などを通じて対応するようにしてください。
応じれば応じるほど相手の思うつぼです。
連絡記録を残しつつ、必ず第三者を介して対応してください。
4. 公的機関に相談する
押し貸し詐欺の被害に遭ったときは1人で抱え込まず、公的機関へ相談してください。
代表的な相談窓口を以下の表でまとめます。
| 機関 | 連絡先・受付時間 | 特徴・サポート内容 |
| 金融庁
金融サービス利用者相談室 |
・電話:0570-016811(IP電話:03-5251-6811)
・FAX(高齢者・障害者専用):03-3506-6699 ・受付時間:平日10:00〜17:00 |
・金融トラブル全般について相談可
・インターネット受付も可能。 |
| 警察 | #9110(警察相談専用電話) | ・詐欺や違法な取り立てに関する相談
・緊急時は110番通報 |
| 日本貸金業協会
貸金業相談・紛争解決センター |
・電話:0570-051051(IP電話:03-5739-3861)
・受付時間:平日9:00〜17:00 |
貸金業に関する苦情・紛争解決を専門に対応 |
| 消費生活相談窓口
(消費者ホットライン) |
電話:188(いやや!)
全国共通3桁 |
・最寄りの消費生活センターに自動でつながる
・詐欺や商取引被害全般に対応 |
参考:金融庁「SNS等を利用した「個人間融資」にご注意ください!」
これらの機関は、押し貸し詐欺をはじめとする金融トラブルへの対処経験が豊富です。
迷ったらまず電話をかけてみて、次の行動のアドバイスをもらいましょう。
公的機関や専門家に相談し、法的なサポートを受けるようにしてください。
押し貸し詐欺のお金を使ってしまったときの対処法

ただ、法律上の整理や救済手段もありますから、必要以上に恐れる必要はありません。
押し貸しのお金を使ってしまった場合、被害はより複雑になります。
ここでは、知らずにお金を使ってしまった場合に取るべき具体的な対処法を整理します。
1. 返済義務が生じる可能性がある
振り込まれたお金をうっかり使ってしまった場合、借金を承諾したとみなされ、返済義務が生じる可能性があります。
特に悪質な業者は「借りる意思があった」と主張し、強引な取り立てや嫌がらせに発展させることがあります。
これ以上トラブルを複雑化させないためにも、弁護士に相談することを検討してください。
2. すぐに弁護士に相談する
振り込まれたお金を使ってしまった場合は1人で対応せず、すぐに弁護士へ相談しましょう。
弁護士は法律的な観点から返済義務が本当にあるかどうかを判断し、適切な対応をアドバイスしてくれます。
例えば「供託」という手続きを使えば、供託所にお金を預けることで自分のお金を支払う義務を安全に果たせます。
ただし、押し貸しのように返済義務が争われる場合には、弁護士と相談して慎重に行うことが必要です。
また、弁護士に依頼することで、業者からの執拗な連絡や取り立てを止めさせられます。
そして、本人に代わって交渉してくれるため、精神的な負担も大きく減らせます。
法的にも精神的にも守られながら解決へ進めますよ。
押し貸し詐欺に関するよくある質問

ここではよくある質問に答えていきます。
押し貸しをそのまま無視し続けたらどうなりますか?
押し貸しをそのまま無視し続けると、業者からの嫌がらせや取り立てがエスカレートする可能性があります。
悪質な業者は電話やメールを繰り返し送りつけ、場合によっては勤務先や家族にまで連絡して精神的に追い込もうとします。
放置するだけでは事態が収束しないケースが多いため、無視し続けるのは得策ではありません。
銀行・警察・公的機関や弁護士へ相談して、できる限り早く解決につなげてください。
むしろ業者の嫌がらせが強まる可能性があります。
無視するのではなく必ず第三者に相談して、法的対応をとるようにしてください。
押し貸しで送り付けられる金額はどのくらいが目安になりますか?
押し貸しで送り付けられる金額は、数千円~数万円程度が目安といわれています。
比較的少額にしているのは、使ってしまいやすいように心理的なハードルを下げる狙いがあります。
金額が少ないから安心と思わず、入金があった時点で押し貸しを疑うようにしてください。
身に覚えのない振込があった場合は、銀行や公的機関に相談してください。
押し貸し詐欺に遭って困っている方は大地総合法律事務所にご相談ください

押し貸し詐欺に遭った場合、被害者1人で立ち向かうには負担が大きすぎます。
振り込まれたお金をどう扱うべきか、業者からの執拗な連絡をどう止めるかなどの専門的な判断が必要な場合に迫られることが出てきます。
このようなときは弁護士に相談して、できる限り早期に解決しましょう。
大地総合法律事務所では、詐欺被害をはじめとしたトラブル解決に注力しています。
事前に弁護士と直接話せる機会を用意していますので、安心してご相談ください。
初回相談は無料です。
詐欺被害のことでお悩みの方も、お気軽にお問い合わせください。