弁護士法人大地総合法律事務所、代表弁護士の佐久間です。
「不倫をしてしまったのは自分なのに、弁護士に助けてもらっていいのだろうか」
慰謝料を請求された方の多くが、まずこの後ろめたさで足を止めてしまいます。
相手に対して負い目があるぶん、「相談したら呆れられるのではないか」「どうせ自分が悪いのだから払うしかない」と、誰にも言えず1人で抱え込んでしまう方が少なくありません。
ですが、はっきりお伝えします。
不倫をした側であっても、弁護士に相談することは全く問題ありません。
私たち弁護士は、あなたを責めるためではなく、置かれた状況を正確に整理し、適正な落としどころを一緒に探すために存在しています。
実際に私のもとへも、「自分は不倫をした側だけれど相談していいのか」と恐る恐るお越しになり、冷静に状況を整理することで負担を大きく軽減できた方が大勢いらっしゃいます。
本記事では、不倫をした側が弁護士に相談・依頼してよい理由を中心に、中立な立場から順を追って解説します。
まずは「相談していいのか」という迷いを、ここで手放し、落ち着いて状況を整理するところから始めていきましょう。
\不倫がバレてしまった.../
不倫した側でも弁護士に相談・依頼していい

結論として、不倫をしてしまった側でも、弁護士に相談・依頼することは全く問題ありません。
私たち弁護士は、請求する側と請求された側、両方の相談を受ける立場にありますが、どちらかの味方をするのではなく、法律に照らして妥当な解決を導くのが役割です。
ですから、不倫をした側からのご相談を断ることはありませんし、責めるようなこともありません。
そう感じてしまう気持ちはよく分かりますが、ご安心ください。
弁護士が見ているのは「請求されている内容が法的に妥当か」「どうすれば負担を適正な範囲に収められるか」という現実的な点です。
ここで知っておいていただきたいのは、請求されている金額は、あくまで相手が主張している金額に過ぎないということです。
その通りです。
現状を正確に把握するためにも、感情から一歩離れて状況を整理できる第三者として、弁護士を活用していただきたいです。
不倫した側が弁護士に依頼する5つのメリット

不倫をした側が弁護士に依頼すると、主に5つのメリットがあります。
いずれも「自分1人で対応する」場合との差が大きい部分です。
はい。
金銭面だけでなく、精神的な負担や生活への影響を抑えられる点も、依頼する大きな価値です。
1つずつみていきましょう。
慰謝料を減額できる可能性が高まる
最も大きなメリットは、慰謝料を減額できる可能性が高まることです。
不倫慰謝料の相場は、おおむね次のような幅です。
| 相手夫婦の状況 | 不倫慰謝料の目安 |
|---|---|
| 夫婦関係が続く(離婚しない) | 50〜100万円程度 |
| 不倫が原因で別居した | 100〜200万円程度 |
| 不倫が原因で離婚した | 150〜300万円程度 |
※あくまで一般的な目安で、交際期間や回数、関係が壊れた程度などによって増減します。
弁護士は、事情をふまえて請求額が適正かを判断し、相場や個別の減額事情(相手夫婦がすでに別居状態だった、相手から積極的に誘われた、関係が短期間だったなど)を交渉材料として主張します。
実際に、当初の請求額から大きく減額できるケースは少なくありません。
【関連記事】不倫慰謝料は減額交渉できる?可能性がある14の状況と進め方
相手と直接やり取りするストレスから解放される
弁護士に依頼すると、請求相手との連絡窓口を弁護士が引き受けます。
不倫トラブルでは、相手側が強い怒りを抱えていることが多く、直接のやり取りは精神的に大きな負担になります。
「次は何を言われるのか」と着信に怯える日々から解放されるだけでも、依頼する意味は十分にあるでしょう。
事実と異なる主張に正確に反論できる
ケースによっては、事実より大げさに書かれていたり、こちらに非があるかのように構成されていたりすることがあります。
例えば、交際期間が実際より長く主張されている、肉体関係がないのにあったことを前提にされている、といったケースです。
こうした事実と異なる主張をそのまま認めてしまうと、不利な前提で金額が決まってしまいます。
弁護士は、どこを認めてどこを争うべきかを切り分け、証拠に基づいて正確に反論します。
感情的にならず、法的に意味のある形で「違う部分は違う」と伝えられるのは、弁護士ならではの強みです。
職場・家族へのバレを防ぐ対策が取れる
慰謝料そのものより「周囲に知られること」だという方も多いです。
相手が職場に押しかける、自宅に手紙を送る、家族に直接伝えるといった行動に出ないか、不安に感じる気持ちはよく分かります。
弁護士が間に入ることで、連絡をすべて弁護士経由に一本化でき、相手が直接あなたの職場や家庭に接触するリスクを抑えやすくなります。
また、示談書に「お互いの勤務先や家族に口外しない」という口外禁止条項を盛り込む交渉も可能です。
完全に防げると保証はできませんが、何も対策しない場合と比べてリスクを大きく下げられます。
理不尽な要求(退職・謝罪文など)を断れる
相手側が、金銭以外に「会社を辞めろ」「直筆の謝罪文を書け」「同じ職場にいるな」といった要求をしてくることがあります。
感情的には理解できる要求でも、法的に応じる義務がないものは少なくありません。
はい。
弁護士は、法的に応じる必要がある要求とそうでない要求を見極め、断るべきものは毅然と断ります。
「断ったら相手を逆上させるのでは」という心配も、弁護士を通すことで角を立てずに対応できます。
不倫した側でも弁護士に相談すべきケース

不倫をした側であれば、本来はどんなケースでも一度相談しておくのが安心です。そのうえで、特に自分1人での対応が危険なケースを5つ紹介します。
1つでも当てはまる場合は、早めに弁護士にご相談ください。
相場より高額な不倫慰謝料を請求されている
請求額が不倫慰謝料の相場(おおむね50〜300万円)を大きく超えている場合は、減額余地が大きいため、まず相談すべきです。
例えば、離婚していないのに300万円、500万円を請求されているようなケースでは、相場との差額分がそのまま交渉の余地になります。
「自分が悪いから」と高額な請求を鵜呑みにして支払うと、本来払う必要のなかった金額まで負担することになりかねません。
相手側に弁護士がついている
相手がすでに弁護士に依頼している場合は、こちらも弁護士を立てるべきです。
法律と交渉の専門家を相手に、知識のない個人が1人で渡り合うのは極めて不利です。
そう感じるのは自然なことです。
相手の弁護士は当然、相手の利益のために動きます。
その主張をそのまま受け入れてしまわないよう、こちら側も対等に話せる専門家を立てて、力関係を釣り合わせることが大切です。
不倫の事実と異なる主張をされている
請求内容に事実と違う点がある場合も、相談すべきケースです。
交際期間や関係の内容が誇張されていたり、肉体関係がないのにあった前提で請求されていたりすると、不当に高い金額の根拠にされてしまいます。
事実と異なる部分を、感情的にならず証拠に基づいて切り分けて反論するには、専門的な判断が必要です。
自分で「違う」と言っても聞き入れてもらえなかった主張も、弁護士を通すことで適切に整理できる可能性があります。
W不倫・複数から請求されている
不倫の当事者がどちらも既婚者であるW不倫のケースや、複数の関係先からそれぞれ請求されているケースは、論点が複雑に絡み合うため、特に専門家の関与が必要です。
W不倫では、相手の配偶者からあなたへの請求と、あなたの配偶者から相手への請求が同時に発生し、求償権が問題になることもあります。
こうした複雑な利害は、1人で整理するのは困難です。
【関連記事】求償権とは?不倫慰謝料を請求されたら知っておくべき権利と使い方
職場や家族に不倫の事実を知られたくない
周囲に知られたくないという思いが強い場合こそ、早めに相談すべきです。
1人で抱え込んで対応を誤ると、かえって相手を刺激し、職場や家庭への接触を招くことがあります。
弁護士が窓口になれば連絡を一本化でき、口外禁止条項の交渉も可能です。
「知られたくないから誰にも相談できない」という状態が、実は最もリスクの高い状態だと知っておいてください。
不倫した側が弁護士に依頼する費用の目安

弁護士への依頼をためらう理由に「費用」を挙げる方は多いです。
ここでは、不倫慰謝料を請求された側が依頼する場合の費用の目安を整理します。
なお、報酬基準は事務所ごとに異なるため、あくまで一般的な相場としてご覧ください。
ごもっともな不安です。
だからこそ、依頼前に「総額でいくらかかり、いくら減額が見込めるのか」を確認することが大切です。
費用倒れを避ける考え方も、あわせてお伝えします。
相談料
相談料は、初回30分5,000円程度(税別)が1つの目安です。
近年は初回相談を無料としている事務所が多く、不倫慰謝料を請求された方向けに無料相談を設けているところも少なくありません。
まずは無料相談を活用し、「減額の見込みがあるか」「依頼した場合の費用はいくらか」を聞いたうえで、依頼するかどうかを判断すれば十分です。
相談した時点で必ず依頼しなければならない、ということはありません。
着手金・報酬金
弁護士費用の中心となるのが、着手金と報酬金です。
| 費目 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 着手金 | 依頼時に支払う費用(結果を問わず発生) | 15〜30万円程度 |
| 報酬金 | 解決時に支払う成功報酬 | 減額できた額の10〜20%程度 |
請求された側の報酬金は、「減額できた金額」を基準に算定されるのが一般的です。
例えば、300万円の請求を100万円まで減らせた場合、減額分200万円に対して一定割合(10〜20%程度)が報酬金として加算される、という形です。
このほか、交渉が決裂して訴訟に移行した場合の追加着手金、郵送費などの実費、出廷ごとの日当がかかることもあります。
そうですね。
ケースによって大きく左右されてしまうため、依頼前に「着手金・報酬金・実費を含めた総額」を必ず見積もりで確認してください。
そのうえで、見込まれる減額幅が弁護士費用の総額を上回るかを比べれば、依頼する意味があるかを判断できるでしょう。
【関連記事】不倫慰謝料を請求された方へ|弁護士費用・減額事例・依頼の流れを解説
私が相談を受ける際には、費用倒れが避けられない見込みのときは、その旨も正直にお伝えしています。
不倫した側が弁護士への相談前にやってはいけない行動

弁護士に相談するまでの間に、よかれと思って取った行動が、かえって自分を不利にしてしまうことがあります。
その通りです。
負い目があるぶん焦りも大きいですが、その焦りが不利な結果を招いてしまうこともあります。
1つずつやってはいけない行動とその理由を解説します。
示談書・誓約書にその場でサインする
最も避けてほしいのが、提示された示談書や誓約書にその場でサインすることです。
一度署名・押印した合意は、原則として後から「高すぎた」「内容を理解していなかった」と覆すことが非常に難しくなります。
自分で判断できない場合には、書面は必ず一度持ち帰り、金額や条項が妥当かを弁護士に確認してから対応を決定しましょう。
特に、過大な金額や、退職・接触禁止などの重い条項が含まれていないか注意が必要です。
不倫相手と口裏を合わせようとする
「2人で話を合わせれば乗り切れる」と考え、不倫相手と連絡を取って口裏を合わせようとするのは避けてください。
後から食い違いが発覚すると、かえって信用を失い、不利な前提で交渉が進むことになります。
また、口裏合わせのやり取り自体が、相手側に新たな証拠を渡す結果になることもあります。
感情的に動くのは避け、対応は弁護士と相談してから決めましょう。
相手からの連絡を無視・ブロックする
連絡が怖いからといって、相手からの請求をすべて無視したり、着信拒否・ブロックしたりするのも得策ではありません。
誠実に対応する姿勢がないと受け取られ、相手の感情を刺激したり、いきなり訴訟を起こされたりするきっかけになることがあります。
よく分かります。
ですが、無視は問題の先送りにしかなりません。
自分で対応するのが苦しいなら、連絡窓口を弁護士に引き受けてもらうのが正しい順番です。
決して放置せず、専門家に間に入ってもらいましょう。
SNS・LINEの証拠を削除してしまう
不利な証拠を消そうとして、相手とのLINEやSNSのやり取り、写真などを削除するのも避けてください。
証拠隠滅と受け取られれば、交渉や裁判で印象が悪くなります。
加えて、削除したやり取りの中に、実はこちらに有利な内容(相手から積極的に誘われていた、夫婦関係がすでに破綻していたと分かる発言など)が含まれていることもあります。
これらは減額交渉の材料になり得るため、安易に消すと自分の首を絞めかねません。
消さずにそのまま残し、弁護士に判断を委ねるのが鉄則です。
不倫した側の弁護士相談でよくある質問
ここまで、弁護士に依頼するメリットや相談すべきケース、費用、相談前の注意点を解説してきました。
最後に、不倫をした側の方からよくいただく質問にお答えします。
Q1. 不倫した側が弁護士に相談すると相手に知られますか?
知られません。
弁護士には守秘義務があり、相談した事実や内容が相手に伝わることはありません。
相談しただけの段階で、こちらから相手に連絡が行くこともありません。
相手に何らかの通知が届くのは、あなたが正式に依頼し、「弁護士が窓口になって交渉を始める」と決めた後です。
その場合でも、伝わるのは「代理人として弁護士が対応する」という事実だけで、相談内容まで明かされるわけではありません。
Q2. 弁護士に相談しても減額できないケースはありますか?
あります。
例えば、請求額がもともと相場の範囲内で妥当な場合や、不貞行為の証拠が明確で、減額できる事情(夫婦関係の破綻、短期間の関係など)が乏しい場合は、大きな減額が難しいこともあります。
ただし、そうしたケースでも、支払い方法を分割にする、口外禁止条項を入れる、接触禁止の範囲を限定するなど、金額以外の条件を整える余地は残ります。
「減額できないなら相談しても無駄」ということはなく、不利な条項を避けるだけでも依頼する価値は十分にあります。
Q3. 自分で交渉するより弁護士に頼んだほうが必ず安くなりますか?
「必ず安くなる」とは言い切れません。
弁護士費用がかかるため、減額できた金額より費用のほうが上回れば、結果的に総支払額が増える「費用倒れ」になる可能性もあります。
そのため、依頼前に「見込まれる減額幅」と「弁護士費用の総額」を比べることが大切です。
また、金額だけでなく、精神的負担からの解放や、職場・家族に知られるリスクの軽減といった価値も含めて判断するとよいでしょう。
【関連記事】不倫慰謝料減額に強い弁護士の選び方|失敗しない4つの基準と見極め方
不倫慰謝料を請求された方こそ早めにご相談ください
不倫をした側であっても、弁護士に相談・依頼することは全く問題ありません。
「自分が悪いから」と引け目を感じて1人で抱え込み、相手の言い値をそのまま受け入れてしまうことこそ、最も避けたい対応です。
不倫トラブルは、早く動くほど取れる選択肢が増えます。
サインしてしまう前、相手の考えが裁判へと向く前に相談できれば、減額やリスク回避の余地はそれだけ大きくなります。
大地総合法律事務所では、慰謝料を請求された側のご相談も中立な立場でお受けしています。
「不倫をした側だけど相談していいのか」と迷っている段階で構いませんので、1人で悩まず、まずはお気軽にお問い合わせください。
\不倫がバレてしまった.../