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家賃滞納でブラックリストに載る条件は?履歴が消える時期と保証会社別の違い

  • 2026年1月23日
  • 借金
  • 635View
佐久間 大地

弁護士法人大地総合法律事務所 代表弁護士

佐久間 大地

紛争や問題は、数字や契約の世界だけで完結するものではなく、必ず人が関わってきます。借金や支払いの悩みもまた、人と人との間で生じるものです。そして、そこには必ず感情や立場があります。
私たちは、法的な手続きを駆使することはもちろん、依頼者の不安や生活への影響に配慮しながら、最適な解決を目指して日々研鑽を積んでおります。

債務整理といえば「大地総合法律事務所」と思い出していただけるよう、所員一同、プロフェッショナルとして全力でサポートいたします。

監修者

「今月の家賃が払えない…。このままだとブラックリストに載ってしまうの?」

「保証会社から連絡が来ているけれど、怖くて出られない」

家賃の支払いは生活の基盤に関わるため、滞納してしまうと「住む場所を失うかもしれない」「借金まみれになるかもしれない」という強い不安に襲われますよね。

特に気になるのが、いわゆる「ブラックリスト(信用情報)」への影響ではないでしょうか。

もしブラックリストに載ってしまうと、クレジットカードが使えなくなったり、将来のローン審査に通らなくなったりと、生活に大きな支障をきたします。

結論からお伝えすると、すべての家賃滞納がブラックリストに直結するわけではありません。

本記事では、家賃滞納がブラックリストに載る仕組みや条件、強制退去までのタイムリミット、そして滞納した家賃や借金を法的に解決する方法を解説します。

1人で悩まず、まずは正しい知識を身につけ、生活再建への一歩を踏み出しましょう。

\毎月の返済が苦しい.../

目次

【早見表】家賃滞納でブラックリストに載るかどうかは「支払い方法」で変わります

事務局さん
先生、家賃を滞納したらブラックリストに載るのかどうか、まず結論だけ知りたいという方が多いようです。
一言でいうと、何によって決まるのでしょうか?
佐久間先生
一番の分かれ目は、毎月の家賃を誰に、どうやって支払っているかです。
同じ家賃の滞納でも、支払い方法によって信用情報に載る場合と載らない場合があります。

はじめに、この記事の結論からお伝えします。

家賃を滞納したときにブラックリスト(信用情報)へ影響が出るかどうかは、毎月の家賃を「誰に」「どの方法で」支払っているかで変わります。

ご自身がどのパターンに当てはまるか、まずは次の表で確認してみてください。

家賃の支払い方法・契約の形 信用情報機関への登録 理由・注意点
クレジットカード払い 載る場合がある 滞納しているのは家賃ではなくカード利用代金のため、延滞が続くとカード会社を通じて記録されることがある
信販系の家賃保証会社
(オリコ・エポス・アプラス・ジャックスなど)
載る場合がある 信用情報機関に加盟しているため、立替払い(代位弁済)や長期延滞が登録されることがある
独立系の家賃保証会社 原則として載らない 一部にJICCなどへ加盟している会社もあり、保証会社の種類によって異なります
大家・管理会社への直接振込/口座振替(保証会社なし) 原則として載らない 信用情報機関へ情報が提供される仕組み自体がない
UR賃貸住宅など保証会社を使わない契約 原則として載らない URは連帯保証人も家賃保証会社も不要のため、登録のきっかけとなる保証会社が関与しない

つまり、クレジットカード払いか、信販系の保証会社が付いた契約かどうかが、ブラックリストに載るかどうかの分かれ目です。

事務局さん
家賃を口座振替で大家さんに直接お支払いしている場合も、載ってしまうんですか?
佐久間先生
保証会社が関わっていないのであれば、信用情報機関に情報が届く経路そのものがありません。
ただし、ご自身では気づかないうちに保証会社が付いている契約もありますので、まずは契約書を確認していただくのが確実ですね。

ご自身がどれに当たるかは、賃貸借契約書と保証委託契約書に書かれた保証会社の名前、そして毎月の家賃の引き落とし方法を見れば確認できます。

なお「独立系」という分け方は俗称であり、実際の取扱いは契約内容によって異なりますので、詳しくは契約書面をご確認ください。

そもそも信用情報にどのような情報が登録されるのかは、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】金融事故の定義・影響とは?信用情報機関に載る5つのケースを解説

家賃を滞納するとブラックリストに載るの?

家賃を滞納するとブラックリストに載るの?

事務局さん
佐久間先生、最近「家賃を滞納したらブラックリストに載りますか?」というご相談が増えています。
家賃は借金とは違う気がしますが、やはり信用情報に傷がつくのでしょうか?
佐久間先生
実は、すべての家賃滞納がブラックリストに載るわけではないんです。
重要なのは「どの保証会社を利用しているか」です。ご自身の契約状況を確認することが大切ですね。

家賃滞納で「ブラックリスト(信用情報)」に載ってしまう理由

「ブラックリストに載る」とは、CICやJICCといった信用情報機関に、延滞や債務整理などの金融事故情報が登録されることを指します。

家賃そのものは原則としてクレジットカードなどの「借入れ」ではないため、家賃の支払い方法や関与する会社の仕組みによっては例外もありますが、一般に「家賃を滞納しただけ」ですぐに信用情報機関へ登録されるとは限りません。

しかし、保証会社が立替払い(代位弁済)を行うと状況が変わります。

信販系(クレジット系)で、信用情報機関に加盟・照会する仕組みを持つ保証会社などが関与していると、滞納の状況によっては「異動(長期延滞等)」や「保証履行/本人以外弁済」といった形で登録される場合があります。

これが、家賃滞納でブラックリストに載ってしまう主な理由です。

なお、以前は業界団体のLICC(一般社団法人 全国賃貸保証業協会)が「代位弁済情報(家賃情報)データベース」を運用しており、加盟保証会社の間で滞納情報が共有される、事実上の「業界内ブラックリスト」が存在していました。

ところが、このデータベースは2026年3月末日をもって運用を終了し、協会が保有していた情報はすべて破棄されました。個人情報の開示手続きも2026年4月以降は受け付けていません。

代表的な団体のひとつであるCGO(一般社団法人 全国保証機構。旧・一般社団法人 賃貸保証機構)は、もともと加盟会社間での事故情報の共有を行っていません。そのため現在は、賃貸保証会社の業界全体で滞納情報を共有する仕組みは存在しない状態です

この点に触れずに「LICCのデータベースに登録される」と説明している情報も残っているため、注意してください。

参考:一般社団法人 全国賃貸保証業協会「代位弁済情報(家賃情報)データベース運用終了のお知らせ」

ブラックリストに載るケース・載らないケースの分かれ目

家賃滞納が外部に記録されるかどうかは、契約時にどの保証会社を使ったかで決まります。契約書(保証委託契約書)に書かれている保証会社の名前を確認してください。

契約の形 信用情報機関への登録 その後の影響
信販系の保証会社
(オリコ・エポス・アプラス・ジャックスなど)
登録される クレジットカードやローンの審査に影響する「金融ブラック」になる
独立系の保証会社 原則なし
(一部にJICC加盟の会社あり)
その保証会社の社内には履歴が残る
連帯保証人のみ(保証会社なし) なし 信用情報への影響はない

最も影響が大きいのは信販系の保証会社です。オリコ・エポス・アプラス・ジャックスなどは信用情報機関に加盟しており、審査時の照会も滞納時の登録も行います。ここで滞納すると、クレジットカードやローンの審査に直結する「金融ブラック」の状態になります。

一方、いわゆる「独立系」の保証会社は、家賃を滞納しても原則として信用情報機関には登録されません。ただしこの分類は俗称であり、保証会社によっては信用情報機関(例:JICC)の加盟会員として、申し込み情報や返済状況を提供している場合があります。「独立系なら絶対に影響しない」とは言い切れないため、契約書面で照会先や個人情報の取扱いを確認するのが確実です。

保証会社を使わず連帯保証人だけで契約している場合は、滞納しても信用情報機関に情報が提供される仕組み自体がないため、登録されることはありません。

なお前述のとおり、業界団体による横断的な情報共有(LICCのデータベース)は2026年3月末で終了しています。ただし各保証会社が自社で持っている滞納履歴は残ります。滞納した保証会社に再び申し込めば、その履歴を前提に審査されると考えてください。

滞納情報が登録される期間と回復までの目安

もし信販系の保証会社で滞納し、ブラックリスト(信用情報)に登録されてしまった場合、その記録は最長5年程度残るのが一般的です。

ただし、登録期間は信用情報機関や情報の種類によって異なり、保証会社が自社で保管している滞納履歴は、これとは別に残り続けます。

信用情報機関の登録と保証会社の社内履歴とでは、消えるまでの考え方が異なる点にご注意ください。

家賃滞納の履歴はいつ消える?信用情報と保証会社の社内データは別物です

「家賃滞納の履歴はいつ消えるのか」は、ご相談の中でも特に多い質問です。

ここで押さえておきたいのは、「信用情報機関の登録」と「保証会社が自社で持っている滞納履歴」は別物で、消えるタイミングも違うという点になります。

2つに分けて整理しましょう。

【1】信用情報機関に登録された場合

信販系の保証会社などを通じて信用情報機関に延滞情報が登録された場合、その記録は延滞を解消し、契約が終了してから5年程度残るのが一般的です。

登録期間は信用情報機関や情報の種類によって異なり、CICは「契約期間中および契約終了後5年以内」、JICCは2019年10月1日以降の契約について「契約継続中及び契約終了後5年以内」と案内しています。

いずれの場合も、支払わずに放置している間は記録が消えない点は共通しています。

滞納を解消しない限り消滅までのカウントが始まらないため、まずは滞納状態を解消することが先決でしょう。

事務局さん
保証会社の社内の記録は、いつまで残るんですか?
こちらも5年で消えると考えてよいのでしょうか?
佐久間先生
そこが難しいところで、社内の記録については保存期間が公表されていないんです。
信用情報機関のように何年で消えると決まっているわけではありませんので、残っている前提で考えておくほうが安全ですね。

【2】保証会社の社内データ(いわゆる社内ブラック)の場合

一方、保証会社が自社で保管している滞納履歴は、いつ消えるのかが公表されていません

信用情報機関のように登録期間のルールが公開されているわけではなく、保存期間の定めも各社の運用に委ねられているからです。

そのため「何年経てば消える」と一律に申し上げることはできません。

滞納した保証会社に再び申し込む場合は、年数が経っていても履歴が残っている前提で考えておくのが安全といえます。

なお、業界団体LICCによる横断的な情報共有は2026年3月末で終了し、保有していた情報も破棄されました。

したがって、他社での滞納履歴が別の保証会社へ伝わる経路は、以前より限られた状態になっています。

ご自身の信用情報が今どうなっているかは、推測するよりも信用情報機関へ開示請求をして確かめるのが確実です。

登録期間の数え方や、今すぐ確認する方法は以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】ブラックリストは何年で消える?5年と7年の違い・今すぐ確認する方法

UR賃貸住宅で家賃を滞納するとブラックリストに載る?

UR賃貸住宅にお住まいの方から、「URで家賃を滞納したらブラックリストに載りますか」と聞かれることがあります。

結論として、UR賃貸住宅の家賃を滞納しても、それだけで信用情報機関に登録されることは原則としてありません

理由は、URの契約には信用情報機関に加盟した保証会社が関与しないからです。

UR都市機構は公式に、UR賃貸住宅では連帯保証人も家賃保証会社も不要であると案内しています。

民間の賃貸で信用情報に登録されるきっかけは、多くの場合、信販系の保証会社による立替払い(代位弁済)や長期延滞の登録です。

その保証会社が契約に入っていない以上、信用情報機関へ情報が提供される経路自体が生じにくいというわけです。

ただし、信用情報に載らないことと、滞納が問題にならないことはまったく別だという点にはご注意ください。

家賃の支払い義務がなくなるわけではありませんし、督促を受けること、滞納が長期化すれば契約解除や明渡しを求められる可能性があることは、民間の賃貸と変わりません。

なお、UR賃貸住宅の家賃は口座振替のみの取扱いでクレジットカード払いはできませんが、民間の賃貸で家賃をカード払いにしている場合は、家賃そのものではなくカード利用代金の延滞として記録される可能性があります。

滞納の記録がUR側にどのように残り、その後の申込みにどう影響するかは機構の運用によりますので、個別の取扱いはUR都市機構の窓口へご確認ください。

参考:UR賃貸住宅「賃貸の入居審査の主な基準と必要書類とは。URなら保証人不要で基準も明確!」

水道料金・電気代など公共料金の滞納はブラックリストに載る?

家賃と同じ時期に、水道料金や電気代の支払いも滞ってしまう方は少なくありません。

事務局さん
水道代や電気代を滞納した場合も、ブラックリストに載ってしまうのでしょうか?
佐久間先生
公共料金は、原則として信用情報機関に登録される対象ではありません。
ただしクレジットカード払いにしている場合だけは扱いが変わりますので、そこは分けて考えていただきたいですね。

結論からお伝えすると、水道料金・電気代・ガス代などの公共料金は、原則として信用情報機関の登録対象ではありません

水道局や電力会社、ガス会社は信用情報機関の会員ではないため、滞納しても信用情報機関へ情報が提供される仕組みがないからです。

CICも、公共料金をクレジット会社のカード決済ではなく銀行口座等からの引き落としで直接支払っている場合は、信用情報機関への登録はないと案内しています。

ただし、公共料金をクレジットカード払いにしている場合は話が変わります

この場合に滞納しているのは水道料金そのものではなく、カード会社に対する利用代金だからです。

カード代金の引き落としができない状態が続けば、カード会社を通じて延滞として信用情報に記録される可能性があります。

家賃とまったく同じ構図で、「何を滞納したか」ではなく「誰に対して滞納しているか」で決まるとご理解ください。

なお、信用情報に載らないからといって放置してよいわけではありません。

公共料金には給水停止や送電停止といった別のリスクがありますし、家賃と公共料金を同時に滞納している状態は、家計そのものが限界に近づいているサインでもあります。

参考:株式会社シー・アイ・シー(CIC)「公共料金の延滞も登録されますか?」

水道料金を滞納した場合の流れや対処法は、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】水道料金を滞納するとどうなる?停止の流れや信用情報への影響・解決策

家賃滞納から強制退去までの流れ

家賃滞納から強制退去までの流れ

事務局さん
ブラックリストも怖いですが、家賃を払えないと「家を追い出される」のが一番の恐怖です…。
ドラマのように、ある日突然鍵を変えられたりするんでしょうか?
佐久間先生
いえいえ、日本では借主の権利が強く守られているので、勝手に鍵を変えるなどの行為は違法です。
強制退去には必ず裁判所の手続きが必要で、それには一定の時間と段階があります。ただ、放置するとタイムリミットは確実に迫ってきますよ。

電話・郵便による督促

【期間の目安:滞納数日〜1ヶ月程度】

家賃の入金がないと、早ければ数日以内に管理会社や大家から電話や訪問で連絡が入ります。

まずは「支払い忘れではないか」「いつ支払えるか」を確認する段階です。

滞納から1〜2ヶ月程度で、督促状や催告書が郵送されることもあります。

この段階での対応は任意のものですが、無視し続けると心証が悪化し、法的措置への移行が早まるリスクがあるので対応した方がよいでしょう。

内容証明郵便による契約解除通知

【期間の目安:滞納2ヶ月〜3ヶ月】

滞納が2〜3ヶ月続くと、大家側は契約解除の準備に入ります。

「〇月〇日までに支払わなければ契約を解除する」といった内容の内容証明郵便が届きますが、これは事実上の最後通告です。

指定された期日までに全額支払うか、交渉して猶予を得なければ、契約解除が成立してしまいます。

契約が解除されると、住む権利(借家権)を失うことになります。

裁判(訴訟)と強制執行(強制退去)

【期間の目安:滞納3ヶ月〜6ヶ月以降】

契約解除後も退去しない場合、大家は裁判所に「建物明渡し請求訴訟」を起こします。 

裁判で判決(明渡し命令)が出ても退去しない場合、最終手段として「強制執行」が申立てられることになります。

裁判所の執行官が現地を訪れ、期限を告げた後、それでも退去していなければ専門業者が鍵を開けて荷物を搬出し、強制的に退去させられます。

訴状が届いたあとに何をすべきかは、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】借金の訴状が裁判所から届いたらどうなる?無視するリスクと3つのすべきことを解説

家賃滞納時に今すぐとるべき対処法

家賃滞納時に今すぐとるべき対処法

事務局さん
先生、もし「今月払えない」とわかったら、どうすればいいんでしょうか?
怒られるのが怖くて、つい連絡を後回しにしてしまいそうです……。
佐久間先生
その気持ちはよく分かりますが、「連絡なし」が一番のリスクですよ。
事情がわかれば待ってくれることもありますから、まずは誠意を見せることが最悪の事態を避ける第一歩です。

まずは管理会社・大家さんに連絡を入れる

滞納に気付いたら、真っ先に管理会社または大家へ連絡しましょう。

相談を先延ばしにすると相手の心証が悪くなり、法的措置のリスクが高まります。

電話一本で構いませんので、以下の点を誠実に伝えてください。

  • 支払う意思があること
  • いつまでに、いくら支払えるか(具体的な日付)
  • 分割払いなどの相談ができないか

「〇日までに支払います」と約束し、それを守ることで、一時的に退去手続きを待ってもらえる可能性があります。

また、この段階で自治体の「住居確保給付金」などの利用についても相談しておくと、協力が得やすいでしょう。

強制退去に至る前に弁護士へ相談する

滞納が長期化しそうな場合や、家賃以外の借金(多重債務)にも悩んでいる場合は、早めに弁護士に相談することを強くおすすめします。

特に、他の借金返済のせいで家賃が払えない状況なら、債務整理によって根本的な解決を図れる可能性があります。

弁護士に依頼すれば、債権者との対応を一任でき、精神的な負担が軽減されます。

また、強制退去や差押えといった最悪の事態になる前に、法的な観点から最適な対策を講じることができます。

滞納した家賃の支払いと借金問題の総合的な解決策

滞納した家賃の支払いと借金問題の総合的な解決策

事務局さん
 でも先生、家賃を払えないということは、手元にお金がないということです。
相談しても「払ってください」と言われるだけなら、どうしようもないのですが…。
佐久間先生
そう思い詰めてしまうのも無理はありません。
でも、解決策は「現金で一括払いする」だけではないんですよ。
他の借金を整理して家賃に回したり、法的な制度を使ったりと、状況に応じた選択肢が必ずあります。

家賃滞納の解決に「債務整理」が有効な理由

家賃滞納の原因が、カードローンなどの借金返済にある場合、債務整理が根本解決に有効です。

債務整理とは、弁護士などを通じて借金の減額や支払い猶予を交渉する手続きをいいます。

借金の将来利息カットや元本減額を行うことで、月々の返済負担を減らし、その分を滞納家賃の支払いや今後の家賃に充てる余裕を生み出します。

家賃そのものではなく、家計を圧迫している「他の借金」を整理することで、住まいを守るというアプローチです。

自己破産:滞納家賃も含めて借金をゼロにできる可能性

自己破産は、税金などを除くほぼすべての借金を法的に免除(ゼロ)にする手続きです。

メリットとしては、滞納して支払い不能となった家賃も免責対象となり、支払い義務がなくなります。

デメリットとしては、家賃が回収不能となるため、大家さんから契約解除・退去を求められることです。

「今の部屋を出てでも、借金をリセットして人生をやり直したい」という場合には有効な選択肢です。

任意整理:家賃を対象から外して住居を守る

任意整理は、裁判所を通さずに債権者と個別に交渉する手続きです。

最大の特徴は、整理する借金を選べるです。

これによるメリットとして、滞納中の家賃(大家や保証会社への債務)をあえて整理対象から外し、カードローンなどの借金だけを整理できます。

家賃は通常どおり(または分割で)支払い続けることで、信頼関係を維持し、住まいを守りながら生活再建を図れます。

「今の住居に住み続けたい」という方にとって、最も現実的な解決策となることが多い手続きです。

対象にする債権者を選べる任意整理の仕組みは、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】任意整理とは?費用・デメリット・手続きの流れまでわかりやすく解説

個人再生:原則として家賃も対象になるため注意が必要

個人再生は、裁判所を通じて借金を減額する手続きで、減額後の返済額は借金の総額に応じて段階的に定まり、保有財産の総額(清算価値)や、給与所得者等再生では可処分所得の2年分を下回らない額とする必要があります。

注意点として、原則としてすべての債権者を平等に扱う必要があるため、滞納家賃だけを除外することは認められません

滞納家賃も減額対象として扱われるため、大家さん側が契約継続を拒否し、退去せざるを得なくなる可能性が高いです。

どうしても住み続けたい場合は、滞納した家賃について、親族や友人が自分の資金で支払う第三者弁済という方法がとれます。

ただし、債務者本人の資金から支払うと偏頗弁済(一部の債権者だけを優先して返済すること)にあたる可能性がありますので、必ず弁護士などの専門家に相談してください。

生活保護など公的支援制度の活用

失業や病気で収入が激減している場合は、行政の支援制度を検討しましょう。

  • 住居確保給付金:住居確保給付金は、要件を満たす場合に家賃相当額の支給を受けられる制度で、支給期間は原則一定期間(例:3ヶ月)とされ、状況により延長が設けられる運用もあります
  • 生活保護: 生活費が不足している場合、家賃分として「住宅扶助」が支給されます。

これらの制度を利用することで、当面の住まいを確保できる可能性があります。

債務整理をするべきかどうかの判断基準は、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】債務整理はするべきか?判断基準やしない方がいい人・今すぐ相談すべき人の特徴を解説

滞納後に引越し・賃貸審査を乗り越えるための3つの対策

滞納後に引越し・賃貸審査を乗り越えるための3つの対策

事務局さん
もし退去することになった場合、次の家を探さないといけませんよね。
でも、滞納履歴があると審査に通らないんじゃないかと不安です。
住む場所がないなんてことになりませんか?
佐久間先生
不安になりますよね。ただ、住む場所が見つからなくなるとは限りません。
たしかに審査は厳しくなりますが、すべての物件が同じ情報を見ているわけではありません。
「審査に通るルート」を選べば、新しい住まいを見つけることは十分に可能です。

滞納後に引越しをする際、最大の壁となるのが「入居審査」です。

保証会社は大きく「信販系」と「独立系」に分かれ、審査で信用情報機関を参照するかどうかが異なります。

過去の滞納情報が伝わりにくいルートを選ぶことで、審査通過の可能性を高めることができます。

対策1:次の賃貸契約で独立系保証会社を選ぶ

最も有効な対策は、独立系の保証会社を利用できる物件を選ぶことです。

独立系保証会社は、信販系と違って審査で信用情報機関を参照しないことが多いためです。過去に金融事故があっても、現在の収入や雇用形態が安定していれば審査に通る可能性があります

さらに、業界団体による横断的な情報共有(LICCのデータベース)が2026年3月末で終了したことで、他社での滞納履歴が別の保証会社に伝わる経路は、以前より狭くなっています

ただし滞納した保証会社そのものは避けてください。社内には履歴が残っているためです。管理会社によっては保証会社を指定できないこともあるので、申し込む前にどの保証会社を使うのかを不動産会社に確認しておきましょう

対策2:滞納履歴のない第三者(家族)に契約者になってもらう

自分名義での審査が厳しい場合、信頼できる親族に代理契約してもらう方法があります。

安定収入のある両親や兄弟を契約者(借主)とし、自分は入居者として住む形です。

審査対象は契約者(親族)となるため、契約者がブラックリストでなければ、入居者に滞納歴があっても契約できる場合があります。

ただし、絶対に迷惑をかけないことが前提であり、大家さんにも事前に「親族と一緒に住む(または親族名義で自分が住む)」ことを伝えて了承を得る必要があります。

対策3:保証人不要の公営住宅・UR住宅を検討する

保証会社を使わずに済む物件を選ぶのも手です。

代表的なのが、自治体の公営住宅(県営・市営)やUR賃貸住宅です。

UR賃貸は、公式に「連帯保証人は不要」と案内されています。

一方で、公営住宅は自治体ごとに運用が異なり、国交省も「保証人確保を入居の前提とすることから転換すべき」といった通知や調査結果を公表しています(=不要・免除となる自治体もある一方、要件が残る場合もあります)。

そのため、「URは保証人不要」「公営住宅は自治体により保証人要否が分かれる」と理解しておくのが安全です。

家賃滞納とブラックリストに関するよくある3つの質問

家賃滞納とブラックリストに関するよくある3つの質問

事務局さん
先生、最後にみなさんが特によく気にされている疑問をピックアップしました。
「お金を返せば消えるのか」「いつから普通の生活に戻れるのか」は、やはり一番気になるところのようです。
佐久間先生
そうですね。
一度ついてしまった記録への不安は大きいと思います。
ただ、正しい知識があれば過度に恐れる必要はありません。
1つずつクリアにしていきましょう。

Q1. 滞納家賃を支払えばブラックリストから消える?

すぐには消えません。

完済から5年程度は記録が残る場合があります。

滞納分を完済すればブラックリスト情報はやがて消えますが、ただちに消滅するわけではありません。

信用情報上の事故情報は、滞納を解消(支払い完了)した時点から約5年間は保持されるのが一般的です。

支払わず放置している限り記録は残り続けるため、早期に解消することが信用回復への第一歩です。

Q2. 自己破産したら賃貸契約を継続できますか?

滞納がなければ継続可能ですが、滞納がある場合は退去になるのが原則です。

自己破産や個人再生を行っても、家賃を滞納していない限り、原則として賃貸契約を解除されたり退去を求められたりすることはありません。

 一方で、破産時に家賃を滞納している場合は、それが契約解除の正当事由となり、退去を求められる可能性が高いです。

滞納家賃を免責にする以上、住み続けることは困難であると考えましょう。

Q3. 債務整理後、いつから引越しできるようになる?

引越し自体はすぐに可能です。

独立系保証会社などを選べば、審査に通る可能性は十分にあります。

債務整理を行うと約5年間はブラックリスト状態となり、信販系保証会社の審査には通りにくくなります。

しかし、「5年間引越しできない」わけではありません。

 前述した独立系保証会社公営住宅・URなどであれば、債務整理の直後であっても入居審査に通る可能性は十分にあります。

条件次第で引越しは可能ですので、諦めずに探してみてください。

家賃滞納・借金の悩みは弁護士に早めに相談しましょう

家賃滞納・借金の悩みは弁護士に早めに相談しましょう

家賃滞納や借金問題は、放置するほど事態が悪化し、解決が難しくなります。

滞納が続けば強制退去や財産の差押えといった事態に発展しかねませんし、借金も延滞が長引けば利息が膨らみ、生活再建が遠のいてしまいます。

そうなる前に、ぜひ弁護士などの専門家に相談してください。

早期に相談すれば、督促のストップや分割払いの交渉、債務整理手続きなど、打てる手は数多くあります。

大地総合法律事務所では、家賃滞納や借金問題に関する無料相談を受け付けています。

ご相談者様の状況に合わせて、ブラックリストへの影響を考慮しながら、生活保護などの公的支援の活用も含めた最適な解決策をご提案いたします。

「もっと早く相談していればよかった」と後悔する前に、まずは私たちにお話をお聞かせください。

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