近年「融資保証金詐欺」による被害が急増しています。
実在の金融機関名をかたり、「審査に通すためです」などと巧妙な言葉を重ねてお金を先に支払わせる悪質な手口です。
特に、開業資金や事業資金の調達に悩む個人事業主や中小企業を狙った手口が増えており、「急を要する状況」や「資金繰りの不安」につけ込まれやすい傾向にあります。
そこで本記事では、融資保証金詐欺の実際に起きた事例やよくある手口・対策をわかりやすく解説します。
大切なお金を守るためにもまずは落ち着いて事実を整理し、正しい対処法を知るところから始めましょう。
\もしかしたら詐欺に遭ったかもしれない.../
融資保証金詐欺とは?わかりやすく解説


本当にそんな詐欺が多いんですか?
まずは詐欺の仕組みを知ることから始めましょう。
融資保証金詐欺とは、以下のようなものです。
- 融資を受けるために必要だと偽って、保証金や審査費用などの名目で先にお金を支払わせる
- 実際には融資が受けられないまま連絡を絶つ
- 特に、消費者金融から借り入れができない多重債務者や資金繰りに悩む個人事業主、中小企業が狙われやすい
- 実在する金融機関や貸金業者の名前をかたるケースが目立つ
相手からはもっともらしい説明がされるため、初めて融資を利用する方ほど気付けない傾向にあります。
この点を知っておくだけでも、融資保証金詐欺を避けられる可能性が上がります。
融資保証金詐欺の実際の事例を紹介

私、最初は「自分には関係なさそう」って思っていました。
実は身近なところで融資保証金詐欺は多く発生しています。
具体的な事例をみると、どんな人でも巻き込まれ得ることが分かります。
ここでは、実際に起きた融資保証金詐欺の事例を3つ取り上げます。
【ケース1】チラシをFAXで送ってきた消費者金融に融資を申し込んだ事例
会社を経営している男性のもとに、消費者金融を名乗る業者から融資案内のチラシがFAXで届きました。
男性が問い合わせて申し込むと、業者から「500万円まで融資できます。ただし融資実行のために融資額の10%の保証料が必要です」と説明を受けます。
男性は融資を受けたい一心で、友人からお金を借りるなどして指定口座へ50万円を送金しました。
しかしその後、業者から「信用状況を確認するため、追加で50万円を一時的に振り込んでほしい。融資実行時にまとめて返します」と再度要求されます。
男性は追加の資金を用意できず、融資を諦めて保証金の返金を求めましたが、「後日返金する」と言われるだけで実際には返金されず、やがて業者とも連絡が取れなくなりました。
参考:ゆうちょ銀行「融資保証金詐欺の犯罪事例」

正規の金融機関が前払いを求めることはありません。不自然な前払いが出た時点で、取引をやめるようにしましょう。
【ケース2】郵便局OBが運営していることを名目に融資を持ちかけてきた事例
「郵便局OBが運営している」「100万円まで、ある時払いで催促なし」などと書かれた名刺サイズのチラシが、全国の集合住宅に投函されていました。
チラシには携帯電話の番号が記載され、連絡すると入会申込書が送られてくる仕組みになっています。
申込書の返送先は私書箱で、振込先は北海道の女性名義の口座など不自然な点が複数ありました。
申込後、担当者を名乗る人物から「融資限度額は初回3万円。手数料を差し引いた2万円を振り込むので、3万円を返済して取引実績を作ってほしい」と説明されます。
被害者は希望額の融資を受けるために「実績作り」と信じ、返済を繰り返してしまいました。
しかし途中で「返済能力に疑問がある」と一方的に連絡され、そのあとは融資を受けられないまま担当者とも連絡不能になります。
参考:ゆうちょ銀行「融資保証金詐欺の犯罪事例」

名乗りや肩書に惑わされず、返送先が私書箱・振込先が個人名義の口座といった不自然な点が1つでもあれば、必ず疑いましょう。
【ケース3】インターネット上で見つけた融資会社から融資のための保証金を持ちかけられた事例
男性はインターネット上のサイトで見つけた融資会社に問い合わせ、職員を名乗る男とメールや電話でやり取りをしていました。
男は「1,000万円を年利2.35%で借りられる」と説明し、申し込みの意思を確認しています。
そのうえで、融資の要件として「毎月の返済予定額の5ヶ月分」と「融資額の10%」を保証金として支払うよう要求しました。
男性はまず、返済予定額の5ヶ月分である46万7,945円を指定された都市銀行の個人名義口座へ送金しています。
その翌日、融資額の10%にあたる100万円を2回に分けて同じ口座へ振り込み、合計146万7,945円を支払うことになりました。
しかし、融資が実行されないまま日数が経っても連絡がないため不審に思い、男性は送金先の銀行に相談します。
そこで初めて詐欺の可能性が高いことが判明し、被害が明らかになりました。
参考:特殊詐欺撲滅を目指すサイト「融資保証金詐欺で40代男性が約150万円をだまし取られる」

融資で前払いの保証金を求められた時点で、ほぼ詐欺と考えてよいでしょう。
融資保証金詐欺のよくある手口7選と対策


手口って、そんなに巧妙なんですか?
ですが、代表的なパターンを知っておくだけで防げる可能性が高まります。
融資保証金詐欺のよくある手口は、以下の7つです。
- 実在する金融機関や貸金業者を装って接触してくる
- 融資審査の前に保証金の先払いを要求してくる
- 個人携帯番号・フリーメールで連絡してくる
- 「今日中に振り込めばOK」など急かしてくる
- 振込先の口座名義が個人名義や別会社名になっている
- 審査をしていないのに審査通過を即日で告げてくる
- 連絡手段をLINEやSNSに誘導してくる
代表的な手口を紹介したうえで、融資保証金詐欺に遭わないようにするための対策にも触れます。
実在する金融機関や貸金業者を装って接触してくる
融資保証金詐欺で特に多いのが、実在する金融機関や貸金業者を名乗って接触してくる手口です。
実在する会社名やロゴなどをそのまま使い、公式のように見える書類やメールを送ってきます。
初めて融資を申し込む方ほど本物だと思い込みやすい傾向があります。

社名が本物でも、相手が本物とは限りません。連絡先が公式サイトと一致しているかを必ず確認してください。
融資審査の前に保証金の先払いを要求してくる
融資保証金詐欺の典型的なケースの1つが、融資審査より先に保証金の支払いを求められる手口です。
詐欺業者は「審査を通すために必要な費用です」などの名目で前払いを迫ってきます。
しかし、正規の金融機関が審査前に保証金や手数料を請求することはありません。
そもそも、審査の結果が出る前にお金を支払う仕組み自体が存在しないため、審査を通すために必要な費用を求める説明は不自然です。

金融機関が前払いを求めることはありませんので、少しでも不自然に感じたらその業者とのやり取りをやめてください。
個人携帯番号・フリーメールで連絡してくる
融資保証金詐欺では、個人の携帯番号やフリーメールアドレスを使って連絡してくるケースが多くみられます。
表向きは実在する金融機関や貸金業者を名乗っていても、実際の担当者が使う連絡先としては不自然です。
特にメールが「@gmail.com」「@yahoo.co.jp」などの無料サービスの場合は注意が必要です。

社名が本物でも連絡先が公式サイトと一致しない時点で、詐欺を疑って距離を置くようにしてください。
「今日中に振り込めばOK」など急かしてくる
融資保証金詐欺は「今日中に振り込めば審査が通ります」などと急かしてくるのが大きな特徴です。
詐欺業者は急がせることで相手に不安と焦りを与え、正しい確認をする余裕を奪おうとします。
本来、正規の金融機関が当日中の入金を強く求めることはありませんし、融資の可否が数時間で変わるという仕組みも存在しません。

焦らせて冷静な判断を奪うのが狙いなので、不自然な期限を示された時点でやり取りをやめてください。
振込先の口座名義が個人名義や別会社名になっている
振込先の口座名義が、個人名義や別会社名になっていることが多くみられます。
通常であれば、保証金や手数料を受け取る場合でも会社名義の口座や関連会社の正式名称を使用します。

金融機関が個人口座を使うことはありませんので、その時点で必ずやり取りを中断してください。
審査をしていないのに審査通過を即日で告げてくる
審査をしていないにもかかわらず「審査に通りました」と即日で知らせてくる手口がよくみられます。
本来、金融機関の融資審査は提出書類の確認や信用情報の照会など、一定の時間を要する作業があります。
数時間で結論が出ることはありません。
審査内容の説明や、提出書類の案内がないまま審査通過を告げてくるのは極めて不自然です。

本来あり得ないスピード感なので、その段階ですぐにやり取りをやめましょう。
連絡手段をLINEやSNSに誘導してくる
融資保証金詐欺では、連絡手段をLINEやSNSへ誘導するケースが多くみられます。
これは記録が残りやすいメールや公式窓口を避けるための典型的な手口です。
LINEやSNSはアカウント名を自由に変更でき、相手の実在性を確認する術が限られます。
そのため、詐欺業者にとって都合の良い連絡手段です。

公式の連絡先から外へ誘導された時点で詐欺の可能性が非常に高いので、かかわらないようにしてください。
融資保証金詐欺に遭ったら返金してもらえる?今すぐすべき行動


私、もし自分だったらパニックになっちゃいそうです。
ですが、落ち着いて今すぐすべき行動を取れば、返金できる可能性が出てきます。
詐欺に気付いた瞬間は不安で頭が真っ白になりがちですが、正しい手順を踏むことで返金の可能性を少しでも高められます。
ここからは、融資保証金詐欺に遭ったときに今すぐ取るべき行動を解説します。
振込先の金融機関に連絡する
融資保証金詐欺に気付いたら、振込先の金融機関へ連絡することが最優先です。
送金後すぐであれば、金融機関が相手口座を一時的に凍結し、資金を移動させないよう対応してくれる可能性があります。
特に、相手が個人名義の口座を使っていた場合は、不正利用が疑われやすく、迅速に動いてもらえるケースもあります。
とにかく早さが重要なので、少しでも詐欺だと思ったらすぐに送金先の銀行へ連絡して取引を止めるよう依頼してください。
被害に遭った証拠を残す
返金の可能性を高めるためにも、被害の状況を示す証拠を揃えておきましょう。
証拠として有効なのは、以下のようなものです。
- 業者とのやり取りがわかるメール・SMS・通話記録・LINEの画面
- 振込控え
- 請求内容のスクリーンショット
これらは後から時系列を確認したり、金融機関や警察に状況を説明する際に欠かせません。
証拠が揃っているほど、警察や消費生活センターでの手続きがスムーズに進むため、気付いた段階でまとめて保存しておきましょう。
警察に連絡する
融資保証金詐欺の可能性が高い場合は、警察に相談して状況を共有しておきましょう。
警察には全国共通の相談窓口「#9110」があり、最寄りの警察本部の相談員につながります。
詐欺の疑いがある段階でも利用でき、今後どのように対応すべきかを教えてもらえるので、早めに連絡しておくのがおすすめです。
消費生活センターや各自治体の相談窓口などに相談する
融資保証金詐欺の被害が疑われる場合は、消費生活センター(188)や各自治体の相談窓口に連絡してみてください。
専門の相談員が状況を整理しながら、金融機関や警察との連携方法など今後取り得る手続きを丁寧に教えてくれます。
弁護士に相談する
融資保証金詐欺の被害に遭った場合、弁護士に相談して専門的な視点から状況を整理してもらうことも手段の1つです。
詐欺業者が悪質な方法で資金を移動させていたり複数の被害者がいたりする場合は、弁護士が警察や金融機関などと連携しながら必要な手続きを進めてくれます。
返金代行や調査を装った詐欺も横行しているので、二次被害を防ぐためにも専門家である弁護士に相談して返金を目指しましょう。
特に二次被害の防止にもつながりますので、早めに弁護士へ相談して状況を共有しておきましょう。
融資保証金詐欺に関するよくある質問

私も疑問に思うことがあります。
よくいただく質問を整理しておきましょう。
融資保証金詐欺に関するよくある質問とその回答をまとめました。
融資保証金詐欺でよく使われる架空の会社名にはどのようなものがありますか?
融資保証金詐欺では、以下のような実在の金融機関に似せた架空の会社名がよく使われます。
- 実在する銀行や信用金庫の名前に1文字だけ加えたもの(例:◯◯ファイナンス、◯◯クレジット)
- よくある金融ワードを組み合わせた名称
- 「日本」「中央」「総合」など権威性を感じさせる言葉を付けた名前
詐欺業者は本物の企業と区別しにくい名称を作り、あたかも信頼できる金融機関であるかのように装うのが特徴です。
サイトの作りは一見本物らしくても、連絡先が個人携帯番号だったり所在地がレンタルオフィスになっていたりするなど不自然な点が必ず存在します。
融資保証金詐欺に遭った場合は詐欺罪(刑法246条)で訴えられますか?
融資保証金詐欺に遭った場合、相手の行為が詐欺罪(刑法246条)に該当する可能性があります。
詐欺罪は「人を欺いて財物を交付させた者」を処罰するもので、融資や審査を名目に保証金や手数料を騙し取る行為は典型的な詐欺にあたります。
なお、融資保証金詐欺については、実際に有罪判決が下されているケースも存在します。
参考文献:Westlaw Japan(判例検索)「福岡地方裁判所令和3年2月19日判決(事件番号:2021WLJPCA02196008)
ただし詐欺業者は連絡が取れなくなるケースが多いため、警察や弁護士へできるだけ早く相談しましょう。
融資保証金とはどのようなものですか?
融資保証金とは、金融機関が融資を行う際に返済が滞った場合のリスクを補うために設定される費用のことです。
融資の審査に通るために前もって支払うお金ではありません。
一般的には保証会社に支払う保証料として扱われ、正式な審査を経たうえで契約書に基づいて明確な金額と支払方法が決められています。
そのため、先に保証金を払えば融資が受けられる説明をされた場合は、詐欺の可能性が高くなります。
融資保証金詐欺に遭って困っている方は大地総合法律事務所へご相談ください

融資保証金詐欺は、突然の出来事として降りかかり、誰でも冷静な判断を失ってしまうものです。
近年は「返金代行」や「調査費用」を名目にした二次被害も増えているため、弁護士に相談しておくことが被害拡大の防止にも直結します。
もし融資補償金詐欺に遭って今後どうすればいいのか困っている方は、大地総合法律事務所にご相談ください。
大地総合法律事務所では、詐欺被害をはじめとしたトラブル解決に注力しています。
事前に弁護士と直接話せる機会を用意していますので、安心してご相談ください。
初回相談は無料です。
詐欺被害のことでお悩みの方も、お気軽にお問い合わせください。