自転車による事故・“自転車保険義務化”ご存じでしょうか。
2021.03.09 | 大地総合法律事務所
どうも、交通事故に強い弁護士 佐久間大地です!!
自転車による事故については、ニュース等で耳にされている方も多いと思います。
自転車による事故については、平成24年頃までは、自動車事故の年間発生件数が減少している一方で、自転車による事故の発生は、増加していました。しかし、昨今は、自動車事故同様に、認知度、交通ルールマナーの意識改善等により、年々減少傾向にあります。一方で、警察庁による調査(令和元年度)によると、自転車事故による怪我の重症率は上昇、横這いとなっています。様々な要因はあると思いますが、個人的な見解としては、「電動アシスト付自転車の利用率の増加」、「自転車による事故においては、自動車の事故と違い、被害者は、何かに守られてはおらず、身体に直に追突・衝突される」ケースが多いため、重症化するのだと思います。
怪我が、重症化、するということは、加害者が被害者に対して、負担する、賠償金の金額も高額となるケースが多いということです。2013年に神戸地方裁判所において、小学生の子供が起こした、自転車による事故で、被害者に対して、1億円近い賠償責任を認める判決がなされたことも記憶に新しいと思います。
ところで皆様、東京都でも今年より、自転車保険の義務化がなされたことは、ご存じでしょうか。努力義務とする条例を含めますと、都道府県の半数程度で、自動車保険の義務化が制定されています。しかし、ここで注意していただきたいのが、“自転車保険に加入することが義務化”されたのではなく、“自転車事故に対応できる賠償責任保険への加入が義務化”された、ということです。一般的な自転車保険、の場合、「傷害保険」と「個人賠償責任保険」がセットになっています。「傷害保険」については、ご自身が怪我をされた際に補償を受けられるものとなり、「個人賠償責任保険」は、他人を死傷させてしまった場合に、賠償責任を補償してくれるものとなり、義務化されている保険は、後者となります。
この「個人賠償責任保険」は、一般的に単独での保険商品としては販売されておらず、自動車保険、火災保険等にセットされています。ここまで読んでいただいた方ならば、既にお気づきかもしれませんが、二重に加入している場合がある、ということです。当然、1つの事故で、2つの保険が適用されるということは通常ありません。そのため、今一度、加入されている保険、適用範囲について、ご確認されたほうが良いでしょう。
一方で、自動車保険等には加入しておらず、自転車を利用されている方は、自転車保険へ加入すべきといえます。
私の経験上、自転車対人の事故の場合、自転車に乗られている方が、無保険というケースも一定程度あります。その場合ですが、まず、ご自身が自動車保険等に加入されていないか、加害者自身が無保険でも、そのご家族が自動車保険等に加入されていないか、ご確認していただければ、同保険を適用し、補償を受けられるケースがあります。
さらに、弁護士の私だからこそ、声を大にして言いたいのですが、自転車保険、自動車保険等含めまして、今一度、“弁護士費用特約”という特約が保険に付加されているか、ご確認いただきたい、ということです。決して、保険会社のセールスマンではありませんのでご安心ください。
上記の通り、加害者が無保険の場合、被害者自身に過失がない事故の場合、被害者の保険会社は、加害者との間で、話を行ってはくれません。その際に、この“弁護士費用特約”に加入していれば、弁護士への相談料、費用等を保険の限度額に基づき、保険会社が負担してくれます。
また、これも先ほどの自転車保険同様に、ご自身が加入していなくても、①被保険者本人、②被保険者の配偶者、③被保険者またはその配偶者の“同居の親族”、④被保険者またはその配偶者の別居の子でかつ“未婚”の場合、⑤契約車両に搭乗中に事故に遭った場合、⑥契約車両の所有者、につきましては、適用されるケースがありますので、不幸にも事故に遭ってしまった際には、ご確認してみてください。 事故の被害に遭い、加害者車両が自転車だった、適正な被害回復を行いたい、とお考えでしたら、是非一度、弊所にご相談ください!