「任意整理に失敗したら一括請求されるのではないか」「弁護士に辞任されたらどうすればいいのか」と不安になっていませんか。
任意整理には、債権者との和解が成立しないケースだけでなく、和解後に返済を続けられなくなるケースもあります。
ただし、任意整理に失敗しそうな状況でも、早めに対応すれば再和解や別の方法で立て直せる可能性があるため、すぐに諦める必要はありません。
本記事では、任意整理に失敗した場合のリスクやよくある失敗例、失敗しそうなときの対処法について解説します。
任意整理を進めるべきか迷っている方や、すでに失敗したかもしれないと不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
\毎月の返済が苦しい.../
【関連記事】任意整理とは?費用・デメリット・手続きの流れまでわかりやすく解説
任意整理の「失敗」とはどういう状態を指す?


実際には、どのようなケースで失敗といわれるのでしょうか?
和解前の交渉と和解後の返済、どちらでつまずいているのかによって、取るべき対応も変わります。
まずは、それぞれのケースについて確認していきましょう。
和解交渉が成立しないケース【和解失敗】
任意整理の失敗例としてまず挙げられるのが、和解交渉が成立しないケースです。
任意整理は、裁判所を通さずに弁護士や司法書士が交渉する手続きです。
そのため、債権者に和解を強制できるわけではありません。
特に、次のような状況では、債権者が和解に応じない可能性があります。
- 借入れから間もない
- すでに長期間滞納している
- 返済可能額が少ない
- 過去に任意整理をしたことがある
このように、債権者との話し合いがまとまらず、任意整理で返済条件を見直せない状態が「和解失敗」です。
和解後に返済が続かなくなるケース【返済失敗】
任意整理で和解が成功しても、その後に返済を続けられなくなった場合は「返済失敗」といわれることがあります。
和解後は、決められた返済計画に沿って、残りの元本を支払い続けなければなりません。
収入の減少や急な出費などで返済が難しくなると、任意整理で決めた計画どおりに支払いを進められなくなります。
和解後の返済を続けられるかどうかまで含めて、無理のない計画を立てる必要があります。
任意整理に失敗したらどうなる?和解前・和解後のリスク


失敗した場合、すぐに大きな問題になるのでしょうか。
ただし、和解できなかったり、和解後の返済を滞納したりすると、督促や一括請求、法的手続きにつながる可能性があります。
任意整理に失敗した場合のリスクは、和解交渉の段階でつまずいたのか、和解後の返済が難しくなったのかによって異なります。
まずは、任意整理に失敗した場合に起こり得るリスクを確認していきましょう。
和解交渉に失敗すると返済条件を見直せない
和解交渉に失敗すると、任意整理による将来利息のカットや分割返済など、返済条件の見直しができません。
任意整理は、債権者との和解が成立してはじめて返済条件を見直せる手続きです。
和解できなかった場合には、これまでの契約内容に沿って返済を求められる可能性があります。
和解交渉前に、無理のない返済額を確認しておく必要がありそうです。
滞納が続くと法的手続きに進むおそれがある
任意整理の和解交渉がまとまらないまま滞納が続くと、債権者が法的手続きに進むおそれがあります。
裁判で債権者の請求が認められたり、支払督促に対応しないまま確定したりすると、給与や預貯金などの財産が差押えの対象になる可能性も出てくるでしょう。
給与が差し押さえられる場合、原則として手取り額の4分の1までが対象です。
ただし、給与額や借金の内容によって差押えの範囲が変わるケースもあります。

任意整理での和解に不安がある場合は、早めに弁護士へ相談し、今後の対応を確認しておきましょう。
参考:厚生労働省「賃金は差し押さえられることができるということですが、差し押さえられると、どうなるのでしょうか?」
和解後の滞納で一括請求される可能性がある
任意整理で和解が成立したあとに返済を滞納すると、債権者から残金を一括で請求される可能性があります。
和解契約書には「期限の利益喪失条項」が含まれているケースが多く、一定回数以上返済を滞納すると、分割払いができなくなるケースも少なくありません。
ただし、一括請求される条件は、和解内容によって異なります。
1回の滞納ですぐに一括請求されるとは限らないものの、返済の遅れを放置すると状況が悪化するおそれがあるでしょう。
弁護士・司法書士に辞任される場合がある
任意整理の手続きを依頼していても、状況によっては弁護士や司法書士に辞任される場合があります。
例えば、依頼先への費用の支払いが滞ったり、連絡を取れない状態が続いたりした場合です。
弁護士や司法書士に辞任されると、任意整理の交渉や返済管理を任せられなくなるため、債権者からの督促が再開される可能性があります。
その後の対応を自分で進めなければならず、状況がさらに悪化するおそれもあるでしょう。
ただし、費用の支払いや返済が難しい場合は、早めに担当者へ事情を伝え、今後の対応を相談しましょう。
個人再生や自己破産への切り替えが必要になる場合がある
任意整理の和解交渉がまとまらなかったり、和解後の返済が続かなくなったりしたときは、個人再生や自己破産への切り替えが必要になることもあります。
借金額が多すぎる、収入が減って返済を続けられないなどの事情があると、任意整理だけでの解決が難しくなるためです。
個人再生や自己破産へ切り替えれば、任意整理では対応しきれなかった借金問題を整理できる可能性があります。
ただし、個人再生や自己破産は裁判所を通す手続きのため、任意整理よりも必要書類や手続きの負担が大きくなります。
また、家計や財産の状況によっては、希望どおりの方法を選べないケースもあるでしょう。
任意整理でよくある失敗例

自分も当てはまるのではないかと不安になる方もいそうですね。

任意整理では、債権者が和解に応じないケースだけでなく、和解後に返済を続けられなくなるケースもあります。
特に、返済可能額を多く見積もりすぎると、あとから家計が苦しくなりやすいでしょう。
失敗例を確認しておくことで、任意整理を進める前に注意すべき点が見えやすくなります。
債権者が和解に応じなかった
任意整理でよくある失敗例の1つが、債権者が和解に応じなかったケースです。
任意整理では裁判所を通さずに債権者と交渉するため、弁護士や司法書士に依頼しても、必ず和解できるとは限りません。
例えば、次のような形で交渉がまとまらないことがあります。
- 債権者から和解そのものを断られた
- 将来利息のカットに応じてもらえなかった
- 希望する分割回数では合意できなかった
- 毎月の返済額が高く、現実的な返済計画にならなかった
- 一部の債権者だけ和解できず、返済計画に影響が出た
和解が難しい場合は、任意整理だけにこだわらず、個人再生や自己破産も含めて検討しましょう。
返済可能額を多く見積もりすぎた
任意整理でよくある失敗例として、毎月の返済可能額を多く見積もりすぎるケースがあります。
和解後も残った元本を分割で返済していく必要があるため、無理のある返済額を設定すると、途中で支払いが難しくなる可能性があります。
特に、家賃や光熱費、食費、教育費などを十分に考慮しないまま返済額を決めてしまうと、急な出費に対応できなくなるかもしれません。
任意整理では「払えるはず」ではなく「無理なく払い続けられるか」を基準に返済額を考える必要があります。
弁護士費用を払えなくなった
任意整理を依頼したあとに弁護士費用を払えなくなった場合も、手続きが失敗に終わる可能性があります。
弁護士や司法書士に依頼すると、着手金や報酬金などの費用が発生します。
分割払いに対応している事務所もありますが、家計に余裕がないまま依頼すると、途中で支払いが難しくなることもあるでしょう。
また、事務所への費用と和解後の返済が重なると、毎月の負担が想定より大きくなる場合があります。
和解後の返済を滞納してしまった
任意整理で失敗しやすいのが、和解後の返済を途中で滞納してしまうケースです。
和解時には「この金額なら支払い続けられるだろう」と考えていても、実際には予定外の出費がかさむことがあります。
生活費を切り詰めながら返済を続けていると、数ヶ月後に支払いが追いつかなくなることもあるでしょう。
返済の遅れを放置すると、債権者から督促を受けたり、和解内容によっては一括請求につながったりするケースも少なくありません。
滞納してから慌てるより、支払いが難しいと感じた時点で相談したほうが、再和解や別の手続きを検討しやすくなります。
任意整理後も借入れや後払いサービスに頼ってしまった
任意整理後の返済や生活費に困り、新たな借入れや後払いサービスに頼ってしまうことも、よくある失敗例の1つです。
債権者と和解して毎月の返済額を調整できても、家計そのものに余裕がなければ、生活費が足りなくなる場面があります。
その不足分を後払いアプリやキャリア決済などで補ってしまうと、翌月以降の支払いが増え、返済計画が崩れやすくなるでしょう。

結果として、和解後の返済が続かなくなる典型的な失敗例といえるでしょう。
任意整理に失敗しやすい人の特徴


任意整理に失敗しやすい人には、いくつか共通する特徴があるため、事前に確認しておきましょう。
収入が低い・不安定で返済を続けにくい
収入が低かったり、不安定で生活が苦しい時期があったりする人は、任意整理後の返済を続けられず、途中で滞納してしまう可能性があります。
任意整理は、和解後も残った元本を分割で支払わなければなりません。
そのため、生活費を差し引くと返済に回せる金額がほとんど残らない場合、和解後の支払いが大きな負担になりやすいでしょう。
借金額が多く任意整理だけでは返済が難しい
利息や遅延損害金のカットだけでは返済の見通しが立たないほど高額な借金を抱えている場合は、任意整理で失敗しやすい傾向があります。
任意整理では元本そのものを返済していく必要があるため、借金額が多いと毎月の返済額を抑えても完済までの負担が重く残りやすくなります。
任意整理だけで完済の見通しが立たない場合は、個人再生や自己破産も含めて再検討する必要があります。
借金額や収入に合わせて、無理のない方法を選びましょう。
借入れから間もない債権者が含まれている
借入れから間もない債権者が含まれている場合は、任意整理の和解交渉が難しくなることがあります。
債権者から「最初から返済する意思がなかったのでは」と見られる可能性があるためです。
その結果、将来利息のカットや長期分割に応じてもらえず、希望する条件で和解できないケースもあります。
最近借りたばかりの借金がある場合は、任意整理で対応できるかどうかを事前に弁護士へ確認しておきましょう。
借金額が少ない・金利が低い
借金額が少なかったり、もともとの金利が低かったりする場合は、任意整理をしても十分な負担軽減につながらない可能性があります。
任意整理は、主に将来利息や遅延損害金のカットを目指す手続きです。
そのため、借金額や利息の負担が少ない場合は、減額できる金額が限られることがあります。
また、弁護士へ依頼する際の費用もかかるため、減額できる金額よりも費用の負担が大きくなるケースもあるでしょう。
依頼する前に、減額できる見込みと費用を比較しておくと安心です。
すでに長期間滞納している
すでに借金を長期間滞納している人は、任意整理の和解交渉で失敗しやすい傾向があります。
滞納期間が長いと、債権者が和解に慎重になり、「短い分割回数でなければ認めない」など、厳しい条件を求められる可能性があるためです。
また、滞納中に発生した遅延損害金が膨らんでいると、和解後の返済額が想定より大きくなり、任意整理では返済しきれないケースもあります。
すでに訴訟や支払督促などの法的手続きに進んでいる場合は、任意整理だけで対応するのが難しくなることもあるでしょう。
状況によっては、個人再生や自己破産も含めて検討しましょう。
任意整理で失敗しないための3つのポイント


任意整理で失敗しないためには、手続きを始める前に返済できる見通しを立てることが大切です。
和解後も返済を続けていく手続きだからこそ、弁護士や司法書士に相談しながら、自分の状況に合った方法かどうかを確認しましょう。
弁護士・司法書士に依頼して交渉を任せる
任意整理は、弁護士や司法書士に依頼して交渉を任せることで、手続きで失敗するリスクを減らしやすくなります。
専門家に頼まず自分で交渉することもできますが、債権者とのやり取りや返済条件の調整を1人で進めるのは簡単ではありません。
弁護士や司法書士に相談すれば、任意整理が本当に自分に合っているのか、和解交渉でどのような条件を目指せるのかも確認できます。
手続きを進める前に、弁護士や司法書士へ相談して現実的な方針を立てましょう。
収支を正確に把握して無理のない返済計画を立てる
任意整理後の返済で失敗しないためには、毎月いくら返済に回せるのかを正確に把握しておく必要があります。
家賃や光熱費、食費、医療費などの生活費に加え、子どもの進学費用や家電の買い替えなど、毎月は発生しない支出も考慮しておきましょう。
収入や大まかな収支だけで返済額を決めてしまうと、予定外の出費が発生したときに支払いが追いつかなくなる可能性があります。
任意整理では、早く完済することよりも、無理なく確実に返済を続けられるかどうかがポイントになります。
任意整理が向いているか事前に確認する
任意整理で失敗しないためには、手続きを始める前に「自分の状況に任意整理が向いているのか」を事前に確認しておくことが大切です。
任意整理は比較的利用しやすい手続きですが、すべての借金問題に合うわけではありません。
返済の見通しが立たないまま任意整理を選ぶと、和解できても途中で支払いが苦しくなり、再び対応を見直すことになる可能性があります。
個人再生や自己破産なども含めて、自分に合った方法を確認してから進めましょう。
任意整理に失敗しそうなときの4つの対処法

もし、任意整理に失敗しそうだと感じたら、まず何をすればよいのでしょうか。
収入や支出を見直して、無理なく返済できそうな金額を再確認することが大切です。
任意整理に失敗しそうなときは、早めに家計や返済状況を整理し、今後の対応を考えましょう。
ここからは、返済が難しくなったときに取るべき対処法を解説します。
家計を見直して返済可能額を再確認する
任意整理後の返済が苦しくなってきたら、まず家計を見直し、毎月いくらまでなら返済できるのかを再確認しましょう。
返済可能額を把握できれば、再和解を目指すべきか、個人再生や自己破産などに切り替えるべきかを判断しやすくなります。
無理なく返済できる金額がわからないまま相談しても、現実的な解決策を考えにくくなります。
収入や生活費を整理し、毎月返済に回せる金額を把握しておきましょう。
再和解できるか相談する
返済額や返済期間を見直したい場合は、債権者との再和解が可能かどうかを弁護士・司法書士へ相談しましょう。
再和解とは、すでに成立した和解内容を見直し、毎月の返済額や期間をあらためて交渉することです。

返済が遅れてから相談するよりも、支払いが難しいと感じた時点で早めに連絡し、再和解の可能性を確認しましょう。
個人再生や自己破産への切り替えを検討する
再和解を検討しても返済の見通しが立たない場合は、個人再生や自己破産への切り替えも検討しましょう。
無理に任意整理を続けようとすると、返済の滞納や一括請求につながり、状況がさらに悪化するおそれがあります。
| 個人再生 | 裁判所を通じて、借金を大幅に減額できる可能性がある手続き。原則3年程度で分割返済。 |
| 自己破産 | 裁判所に免責が認められれば、借金の返済義務が免除される可能性がある手続き。 |

状況によってはどちらが向いているか判断が難しい場合もあるため、弁護士へ相談して自分に合った方法を確認しましょう。
別の弁護士・司法書士へ相談する
今の相談先に不安がある場合や、すでに依頼中の弁護士・司法書士に辞任されている場合は、別の弁護士・司法書士へ相談することも選択肢の1つです。
返済が苦しくなっているにもかかわらず今後の方針を相談しにくい、再和解や別の債務整理について十分な説明を受けられないといった状況では、対応が遅れてしまうおそれがあります。
また、辞任後にそのまま放置すると、債権者からの督促が再開されたり、法的手続きに進んだりする可能性もあるでしょう。
費用体系や分割払いの可否、任意整理や債務整理の対応実績を確認したうえで、自分の状況に合う相談先を探しましょう。
任意整理の失敗に関するよくある質問

任意整理に失敗しても、すぐに手遅れになるわけではありません。
和解交渉がまとまらなかったり和解後の返済が難しくなったりしても、立て直せる可能性はあります。
ここでは、任意整理の失敗に関するよくある質問を見ていきましょう。
任意整理に失敗したら手遅れですか?
任意整理に失敗しても、すぐに手遅れになるわけではありません。
和解交渉が成立しなかった場合は、返済状況を見直したり、個人再生や自己破産などの別の債務整理へ切り替えたりできる可能性があります。
また、和解後に返済が難しくなったケースでも、早めに相談すれば再和解を目指せる場合があります。

失敗の不安を感じた時点で、早めの対応を心がけましょう。
任意整理に応じない業者はありますか?
任意整理に応じない業者や、厳しい和解条件を提示する業者も存在します。
特に、借入れから間もない場合や、すでに長期間滞納しているケースでは、和解交渉に慎重になる債権者もいます。
任意整理後に弁護士・司法書士に辞任されたらどうすればいいですか?
任意整理後に弁護士や司法書士に辞任された場合は、早めに別の弁護士や司法書士に相談しましょう。
辞任後にそのまま放置すると、債権者からの督促が再開されたり、法的手続きに進んだりするおそれがあります。
相談する際は、辞任の理由や現在の返済状況、債権者から届いた書類などを整理しておくと、今後の流れもスムーズに進みやすくなるでしょう。
現在の状況を整理したうえで、任意整理の再交渉ができるのか、個人再生や自己破産へ切り替えるべきかを相談しましょう。
任意整理の失敗が不安なときは大地総合法律事務所へご相談ください

任意整理に失敗したと感じても、早めに正しい対応を取れば生活を立て直せるチャンスはあります。
ただし、返済の遅れを放置していると、督促や一括請求、法的手続きに進むおそれがあります。
任意整理の失敗から抜け出すためには、今の返済状況や家計を整理し、立て直せる方法があるか確認することが大切です。
弊所では、和解交渉がまとまらなかった場合や、和解後の返済が苦しい場合でも、状況に応じて再和解や個人再生、自己破産などの方法を提案しています。
「任意整理の失敗が不安」「返済を続けられなかったらどうしよう」と感じている方は、1人で抱え込まず、まずは大地総合法律事務所へご相談ください。
\毎月の返済が苦しい.../