「やっとPR案件が来た…と思ったのに、まさか詐欺だったなんて。」
SNSで活動するインフルエンサーやクリエイターにとって、企業からのPR案件は憧れのステップではないでしょうか。
しかしその裏で、あなたの善意や夢を逆手に取る「PR案件詐欺」が急増しています。
特に最近では、実在する企業名を名乗る巧妙な手口も報告されており、フォロワー数が少ないアカウントでも被害に遭うケースが散見されています。
本記事では、インフルエンサーを狙ったPR案件詐欺の代表的な手口や実際の被害事例、見抜き方をわかりやすく解説します。
安心してSNS活動を続けたい方は、今こそ知っておきましょう。
\もしかしたら詐欺に遭ったかもしれない.../
PR案件詐欺とは?代表的な手口を解説

今、SNSを使ったPR案件詐欺が急増しており、特に実在する企業名をかたるなど手口も巧妙化しています。
PR案件詐欺とは、SNSなどを通じて偽のPR案件を持ちかけて金銭をだまし取る詐欺です。
いくつかの典型的なパターンがありますので、ここでは特に相談件数の多いPR案件詐欺の代表的な手口を解説します。
PR報酬を受け取るために入金を要求してくる
PR案件詐欺のなかでも特に多いのが、報酬の振込には補償金が必要などと説明し、PR報酬を受け取るために入金を要求してくる手口です。
一見もっともらしい理由をつけてきますが、実際には報酬が支払われず詐欺師と連絡が取れなくなります。
弊所にも何件か相談があり、総合すると以下のような手口でした。
- 「商品紹介をしてほしい」という旨の案内がDMで来る
- LINEに誘導され、やり取りする
- LINE内で報酬を提示され、契約書を締結する
- 「報酬はサイト内で支払う」とクラウドソーシングのサイトに登録させられる
- 「サイト内で報酬を支払った」と言われるが、出金することができない
- 「受け取るためには信用スコアをあげる必要がある」「そのために補償金を振り込んでほしい」と言われる
振込先は個人名義の口座であることが多く、手口としては「国際ロマンス詐欺」や「SNS型投資詐欺」と似ています。

報酬を受け取る前にこちらが払う流れになっている時点で疑いましょう。
偽の企業案件で詐欺の片棒を担がされる
一見すると普通のPR依頼でも、実は詐欺の片棒を担がされてしまうケースがあります。
例えば、実在する上場企業などの名前をかたって有名インフルエンサーにDMを送り、商品の紹介を依頼するケースです。
PRに対する報酬が振り込まれる裏では、フォロワーが紹介リンクから登録・購入したことにより、以下のような二次的被害が生じることがあります。
- 個人情報が詐欺グループに渡る
- 詐欺的な口座開設や金融詐欺に巻き込まれる
このように被害はインフルエンサー本人だけでなく、フォロワーにまで及びかねません。
そして最終的には「悪質な案件を紹介していた」として、インフルエンサー側の信用が損なわれてしまいます。
たとえ故意ではなくても、内容を精査しないまま案件を受けることは法的リスクを生む可能性があるため要注意です。
なぜインフルエンサーを狙ったPR案件詐欺が横行しているのか?


私はSNSのフォロワーが少ないから無関係と思っていましたが、フォロワー数は関係ないとなると不安です。
インフルエンサーならではの心理的なスキや仕組み上の弱点を巧みに突いてくる手口があります。
インフルエンサーを狙ったPR案件詐欺が横行しているおもな理由は、以下の5つです。
- 知名度や影響力への憧れを逆手に取られる
- 高額報酬の案件に飛びつきやすい
- SNSだと詐欺師が簡単に接触できる
- 個人で活動していることが多い
- 多くのフォロワーからの信頼を利用されやすい
SNSで活躍するインフルエンサーは、詐欺師にとって格好のターゲットです。
1つずつ詳しくみていきましょう。
知名度や影響力への憧れを逆手に取られる
インフルエンサー自身の知名度や影響力への憧れを、逆手に取られるケースです。
活動を始めたばかりでフォロワーを伸ばしたいインフルエンサーは、もっと知名度を上げるため企業と仕事したい影響力をつけたいと考えていることがあります。
詐欺師は、こうした心理背景を見逃しません。
「◯◯さんに〇〇社のPRをお願いしたいです!報酬◯万円です」などの魅力的なオファーで接近し、本人の承認欲求を刺激して信じ込ませてしまいます。

冷静な判断を失わせる要因となるので、特に注意が必要です。
高額報酬の案件に飛びつきやすい
高額報酬を得られる案件には、つい飛びついてしまう傾向があります。
SNSで活動しているインフルエンサーにとって、高単価の案件はまさに憧れの存在です。
「初案件が一気に数十万円支払います!」などの甘い言葉は、収益化に慣れていない方からすると大きな誘惑となるでしょう。
相場を知らないまま「このくらいの報酬をもらえるのが普通なのかな」と信じ込んでしまうことで、詐欺に足を踏み入れてしまうこともあり得ます。
飛びつきたくなる気持ちもわかりますが、まずは冷静に報酬の根拠を確認してみてください。
SNSだと詐欺師が簡単に接触できる
SNSのDM(ダイレクトメッセージ)を使えば、詐欺師だろうが誰でも気軽に接触できます。
フォロワー数が少ないアカウントでも「あなたに紹介したい案件があります」とメッセージし、「ついに私もチャンスをもらえるようになったんだ」と思わせるのが手口です。

怪しいと思うDMが届いたら、返信するのをやめましょう。
個人で活動していることが多い
インフルエンサーの多くは企業に所属せず、個人で案件を受けたりSNS運用を行ったりしています。
そうした背景から、事務的なチェック機能やセキュリティ体制が整っておらず、詐欺師から接触してきても自己判断で対応するしかない場面も少なくありません。
また、マネジメントを外部に委託していたとしても、すべての依頼を確認する体制が構築されていないこともよくあります。

多くのフォロワーからの信頼を利用されやすい
インフルエンサーは多くのフォロワーから信頼を寄せられていることから、詐欺師はこの信頼を巧妙に利用しようとしてきます。
インフルエンサーを媒介にして商品やサービスを広めるよう装い、そのインフルエンサーのフォロワーまでも巻き込む構図を狙ってきます。

インフルエンサーを狙ったPR案件詐欺のリアルな事例

なんだか他人事には思えず、ちょっと怖いです。

フォロワーが多いか少ないかに関係なく、狙われてしまっています。
SNS上では、実際にPR案件詐欺の被害に遭ったという声が上がっています。
ここでは、実在のインフルエンサーの事例や、投稿から読み取れる詐欺の実態を紹介します。
実在企業名を名乗ったDMでインフルエンサーが利用された事例
実在企業名を名乗ったDMでインフルエンサーが利用された事例を紹介します。
このインフルエンサーは実在企業を名乗る人物から、転職・副業サービスのPR協力を依頼する内容のDMを受け取ります。
実在企業名が使われていたために疑う余地は少なく、その後指定されたURLを投稿しました。
その結果フォロワーの1人が投稿のリンク先から個人情報を入力して消費者金融の口座開設を誘導され、30万円が引き落とされています。
そのインフルエンサーは、フォロワーを被害に巻き込んでしまったことに「なぜ気付けなかったのか…」と後悔の念を語っています。
参考:FNNプライムオンライン『「30万円引き落とされ…」インフルエンサーのPR活動狙う“詐欺のわな”【福岡発】2022年12月3日 20時30分』

しかしその裏で仕掛けられた誘導により、インフルエンサーも知らぬ間に加担者となるリスクがあります。
特にURL誘導や個人情報の入力先には慎重になりましょう。
PR案件の依頼に見せかけてインフルエンサーから金銭をだまし取ろうとした事例
PR案件の依頼に見せかけて、インフルエンサーから金銭をだまし取ろうとした事例を紹介します。
あるインフルエンサーは、vlogカメラのPR依頼を装ったDMを受け取りました。
欲しかった商品だったため胸躍る気持ちで返信した後、LINEへの誘導や契約書の送付、報酬の提示などが次々と進みます。
契約書には「契約後3日以内に協力金を支払う」旨の記載など、後払いが普通である業界慣行から外れた条項が含まれていました。
最終的には、案件名義やアカウント名が実在企業をかたっていたり、クラウドソーシングサイトを模した偽サイトに誘導されるなど不自然な点が次々と出てきます。
そのインフルエンサーが詐欺だと気付く段階まで進んでいたものの、被害に至る一歩手前で中断しています。
提示された文言に違和感があれば即座に確認を求め、安易に進めてはいけません。
インスタグラムやXのDMで怪しいPR案件に誘導される事例
インスタグラムやX(旧Twitter)では、ふだん接点のないアカウントから突然DMで「PR案件をお願いしたい」と誘ってくるケースがみられます。
また以下のように、企業の公式アカウントがなりすましに対する注意喚起をしている場合があります。
「当会の名称を無断で使用するXのアカウントが確認されました。当該アカウントからのメッセージにご注意いただき、偽サイトに誘導されたり、ダイレクトメッセージが送られてきてもアクセスされないようご注意ください。」
引用:X「公益社団法人商事法務研究会」
なりすましアカウントはいかにも本物のように装って接してくるため、要注意です。
返信前にアカウント情報や公式サイトをチェックし、外部リンクへ誘導されそうな場合は慎重になりましょう。
PR案件詐欺を見抜くにはどうしたらいい?具体的なチェックポイント


どうやって見抜けばいいんですか?
PR案件詐欺を見抜くためには、以下のような4つのポイントをチェックしましょう。
- 企業ドメインや公式サイトを必ず確認して問い合わせる
- 契約書や依頼内容の詳細を提示してもらいよく確認する
- 先払い・高額報酬の依頼は疑ってかかる
- 案件名や企業名をSNS・インターネットで検索してみる
1つずつ詳しく見ていきましょう。
企業ドメインや公式サイトを必ず確認して問い合わせる
依頼が届いたら、企業ドメインや公式サイトを必ず確認して問い合わせましょう。
特に「企業名+PR案件」などと名乗ってくる場合でも、メールアドレスのドメインやDMの送信元アカウントが公式のものとは限りません。
例えば、正規のドメインが「@official-brand.co.jp」であるにもかかわらず、「@officialbrand-pr.info」などの似た別のドメインで連絡が来るケースがあります。
不審に感じたDMやメールに記載されたリンクはクリックせず、自分で公式情報を確認してみてください。
契約書や依頼内容の詳細を提示してもらいよく確認する
依頼を受ける前には、契約書や依頼内容の詳細を提示してもらって確認しましょう。
本物の企業がインフルエンサーに案件を依頼する際には、契約書や詳細な依頼内容を事前に提示してくるのが一般的です。
にもかかわらず、詐欺業者は「急ぎで対応してほしい」「口頭でのやり取りで大丈夫」などといった理由をつけて、書面での契約を避けようとする傾向があります。
依頼内容があいまいなまま投稿を求めてきたり、説明なしに報酬の先払いを要求してきたりするような場合は危険です。
具体的には、以下のような点をチェックしてみてください。
- 報酬額や支払い方法・納品形式・著作権の扱いなどが明記されているか
- 書類のフォーマットが不自然ではないか
- 担当者名や社判の記載があるか
上記のような基本項目が抜けていたり不自然な点があったりする場合は、その案件自体を受けること自体を慎重に見極める必要があります。
正当な契約書がない場合は「怪しい」と捉えて、慎重に対応しましょう。
先払い・高額報酬の依頼は疑ってかかる
先払い・高額報酬のPR依頼は、詐欺と疑ってかかったほうが無難です。
PR案件を装った詐欺の多くは、「報酬を先に受け取るには〇〇円を振り込んでください」「高額ギャラを支払うにはまず登録料が必要です」などといった前払いを要求してきます。
「登録費用」「手数料」「保証金」などの名目があっても、それが正当な理由であるケースはほぼないと考えてよいでしょう。
特に「今日中に払えば契約できる」「枠が埋まる前に送金してほしい」といった急かす言動には要注意です。

企業案件では、原則として契約書の締結後に業務遂行と報酬支払いが行われます。
案件名や企業名をSNS・インターネットで検索してみる
PR案件の連絡が来たら、まずは案件名や企業名をSNSや検索エンジンで調べてみましょう。
過去に同様の手口で詐欺が行われていた場合、インスタグラムやX(旧Twitter)、まとめサイトなどに注意喚起の投稿が見つかることがあります。
ただし、情報が出回っていない新手の詐欺だと検索しても何も出てこない可能性が高いです。
判断がつかない場合は「詐欺じゃないのかもしれない」と安心するのではなく、企業の公式サイトから直接問い合わせるようにしてみてください。
ちょっとでも怪しいと思ったときは、公式サイトで確認する習慣を身につけましょう。
もしPR案件詐欺に遭ったらどうする?

被害拡大を防ぎ、証拠を残すことから始めましょう。
万が一詐欺に遭ってしまっても、落ち着いて正しい手順を踏めば、被害を最小限に抑えられます。
ここでは、今すぐ実践できる行動リストを紹介します。
やり取り・送金履歴保存し詐欺師との連絡を断つ
DMやメールなどやり取りの履歴や送金した記録は保存し、詐欺師との連絡は断ちましょう。
以下のようなものは、被害の証拠になり得ます。
- 送金明細
- 詐欺師とのやり取りのスクリーンショット
- 契約書類
- 送られてきたアカウント情報
できる限りの記録を画像やPDFで保存しておくと、今後の通報・相談時に役立ちます。
これ以上の被害を防ぐためにも、詐欺師との連絡を断つことから始めましょう。
SNS運営に詐欺アカウントを通報する
詐欺と気付いたらそのアカウントをブロックし、各SNSの通報機能を使って運営に詐欺アカウントを報告しましょう。
各SNSでは、スパムまたは詐欺を報告する機能があります。
他のユーザーへの被害拡大を防ぐためにも、通報は早めに行いましょう。
被害者としての情報提供も重要なアクションの1つになります。
消費生活センターや警察・金融機関に相談する
PR案件詐欺に遭ってしまった場合は1人で悩まず、公的な相談機関を頼りましょう。
まずは、お住まいの地域の消費生活センターに相談してみてください。
悪質商法や詐欺に詳しい担当者が、状況を整理してアドバイスしてくれます。
また、被害が明らかな場合は警察への被害届提出も検討しましょう。
あわせて、振込先や自分の振込元の金融機関にも被害報告を行い、必要に応じて口座の一時停止や取引履歴の確認を依頼してください。
迅速な対応によって、被害の拡大を食い止められる可能性があります。
早めの行動が、今後の対応に大きく影響します。
被害額が大きい場合は弁護士に相談する
被害額が大きかったり詐欺師の身元が特定できたりする場合は、弁護士への相談も検討しましょう。
法律の専門家に依頼することで、以下のような法的対応を進められます。
- 損害賠償請求
- 返金の通知書作成
- 発信者情報開示請求
- 詐欺の立証
- 証拠整理
相談料が気になる方もいるかもしれませんが、無料相談を受け付けている法律事務所もあります。
被害に遭ったまま泣き寝入りせず、今後のためにも専門家の助言を受けるようにしてみてください。
特に損害が大きい場合は、ぜひ早めにご相談ください。
PR案件詐欺に関するよくある質問


一度似たケースを知っておくと、自分の身を守りやすくなります。
PR案件詐欺についてよくある質問とその答えをまとめました。
実際に多くの方が気になっているポイントを押さえていますので、参考にしてみてください。
インスタグラムやXのポストではどのようなPR案件詐欺の注意喚起がされていますか?
PR案件詐欺の被害が増える中、インスタグラムやXなどのSNSでは以下のような注意喚起がされています。
- 著名企業を名乗るアカウントから案件依頼のDMが届き、URL付きの怪しいメッセージが送られてきたことから「気を付けてください!」と呼びかけている
- 案件を受けたあとに「報酬受け取りのため」と称して入金を求められた事例を、実際に送られてきた画面付きで共有している
- 有名インスタグラマーが詐欺に加担してしまっている現状を報告し、企業の公式アカウントから「詐欺の疑いが強いもの」と指摘されているスクリーンショットを公開し注意喚起している
身に覚えのないDMには安易に反応せず、必ず内容をチェックしてください。ちょっとでも怪しいと思った場合は、企業の公式サイトに問い合わせましょう。
ただ、情報の真偽を見極めることも必要です。
誤情報に惑わされず、信頼できる情報源や公式サイトも活用しましょう。
契約書が送られてきたけどそれだけで安心してもいい?
契約書が送られてきただけで安心してはいけません。
詐欺グループのなかには、もっともらしい契約書を偽造して信頼させようとするケースもあります。
特に以下のような点に注意してください。
- 企業の正式な社名や所在地、代表者名が記載されているか
- 契約の「要件」が明確か
- 不自然な日本語表現が多くないか
- 担当者名や連絡先に実在性があるか(企業公式サイトと一致するか)
また、契約書がPDFで送られてきても電子署名や社印の確認ができない場合は、正式な契約といえないこともあります。
不安がある場合は、契約締結の前に企業の公式サイトに問い合わせてみてください。
契約書の内容や出所、連絡先情報の信頼性など総合的に判断することが大切です。
PR案件詐欺に遭って困っている方は大地総合法律事務所にご相談ください

PR案件詐欺の被害に遭ってしまった場合、状況を放置していると被害が拡大したり名誉や信用の失墜につながったりするおそれがあります。
不安や疑問を抱えたまま、これ以上相手とやり取りを続ける必要はありません。
「もしかして詐欺かもしれないし、どう対応すればいいか分からない」と困っている方は、大地総合法律事務所にご相談ください。
大地総合法律事務所では、詐欺被害をはじめとしたトラブル解決に注力しています。
事前に弁護士と直接話せる機会を用意していますので、安心してご相談ください。
初回相談は無料です。
詐欺被害のことでお悩みの方も、お気軽にお問い合わせください。