「投資話を信じて送金したけど、ひょっとして詐欺かも!」
「恋人だと思ってお金を何度も送ったのに、連絡が付かなくなった。」
SNSを中心とした詐欺は年々拡大しており、年齢・性別問わず被害に遭われる方が増加しています。
もしもご自身の送金や商品などの購入が「詐欺」だったと気付いたら、警察とあわせて弁護士への相談も大切です。
そこで、本記事では詐欺の相談先の1つである「弁護士」の選び方や、相談時の注意点を紹介します。
詐欺被害を弁護士へ相談すべき4つの理由

なぜ弁護士への相談がおすすめなのでしょうか。
この章では詐欺被害を弁護士へ相談すべき理由を、4つに分けて解説します。
1.証拠の残し方、警察への被害届をサポートできる
弁護士は、警察への被害届提出時に必要な証拠がどのようなものか詐欺被害の相談者へアドバイスできます。
証拠は被害金の返金交渉の際にも必要となるため、重要なものです。
証拠の残し方がわからなかったら、速やかに弁護士へ相談しましょう。
さらに、弁護士は警察への被害届の提出についてもサポートし、被害経緯をどう伝えればよいかなどのアドバイスができます。
弁護士がサポートしながら状況を伝えることで被害届が受理されやすくなります。
2.送金先口座の凍結などの方法で被害拡大をストップできる
詐欺師や詐欺組織は、被害者から騙し取ったお金を振込口座から早急に引き出して、逃亡してしまいます。
被害者の振込から時間が経てば経つほど、犯人の特定や資金の回収は困難になってしまいます。
弁護士は被害状況を詳しくお伺いし、証拠に基づいて速やかに金融機関に対して口座凍結の要請を行います。
金融機関は弁護士や警察をはじめとする捜査機関などから依頼を受けると、口座の入出金を停止するため、犯人がお金を自由に動かすことを阻止できる可能性が高まります。
3.被害回復の見通しを説明できる
弁護士は詐欺被害の依頼を受けると、被害の回復について見通しの説明を行います。
詐欺の手口は巧妙化しており、被害回復は決して容易ではありません。
過去の類似事例など分析し、現時点でどの程度の被害回復が可能か、どのような手段が考えられるのかといった見通しを示すことができます。
4.被害金の回収に向けて交渉・請求できる
弁護士は詐欺による被害金の回収に向けて、詐欺師や詐欺集団側へ示談交渉を行えます。
警察は詐欺事件の捜査や犯人の逮捕はできるものの、民事分野である返金のための示談交渉や訴訟は行えません。
逮捕されてもお金が戻ってくるとは限らないため注意が必要です。
弁護士は依頼を受けると被害者の代理人として、示談交渉や訴訟提起なども行えます。
詐欺に強い弁護士の選び方とは?5つのポイント
詐欺に遭ってしまったら、被害金をできる限り取り戻すためにも早急な弁護士への依頼が大切です。
しかし、全国各地には多数の法律事務所があり、どのように弁護士を選べばいいかわからない人も多いでしょう。
そこで、この章では「詐欺に強い」弁護士を選ぶために知っておきたい5つのポイントを紹介します。

1.詐欺被害の相談・解決実績が豊富
詐欺被害の相談は、どのような弁護士でも対応できるわけではありません。詐欺の手口は日々巧妙化しており、経験豊富な弁護士でなければ被害金回収のノウハウがわからない可能性があります。
詐欺事件で犯罪加害者側の弁護に精通する弁護士は多くても、被害者側に寄り添う弁護士は少ない傾向にあります。
詐欺被害を相談する際には、ホームページなどを確認し詐欺被害の相談・解決実績が豊富かどうか確認したうえで、依頼することが大切です。
2.弁護士費用が明朗会計
以前は弁護士費用に基準があり、価格競争はありませんでした。
しかし、2004年(平成16年)以降は弁護士費用は自由化されており、法律事務所や依頼する弁護士によって弁護士費用には違いがあります。
一般的に「(旧)日本弁護士連合会弁護士報酬基準」を軸に価格を調整している法律事務所が多くなっています。
詐欺被害を弁護士へ依頼する場合、費用の相場は以下です。
- 法律相談料 30分 5,500円(税込・30分)
- 着手金 10~40万
- 成功報酬 経済的利益の5~30% (回収した被害金が目安)
被害に遭われ、弁護士費用のご用意が難しい人向けに、着手金や法律相談料を無料に設定している法律事務所もあります。
3.相談しやすく、威圧的ではない
詐欺被害は誰かに相談することを恥ずかしいと思ったり、上手に説明できず緊張してしまったりする人もいます。
しかし、相談時には被害の詳細を伝える必要があるため、相談しやすい雰囲気の弁護士を選ぶことが大切です。
法律相談は無料で実施している法律事務所も多いため、弁護士とご自身の相性を確認することもおすすめです。
また、弁護士には少数ですが威圧的な口調で話す人もいます。ご自身の気持ちをしっかり伝えるためにも、丁寧に傾聴してくれる弁護士がおすすめです。

4.解決までの見通しをわかりやすく説明
詐欺被害は弁護士が時間や労力をかけても、被害金の回収が難しいケースもあります。
そのため、解決までの見通しをわかりやすく示し、依頼するメリットがあるかきちんと話をしてくれる弁護士を選ぶことがおすすめです。
信頼できる弁護士は常に依頼者の立場に立ち、依頼するメリット・デメリットをはっきりと伝えます。
5.口コミ評価が高い
インターネット上の情報がすべてではありませんが、弁護士選びのヒントとして「口コミ」を読んでみることも大切です。
多くの弁護士が登録する広告ポータルサイトに掲載されていたり、お客さまの声・解決実績などの形で、法律事務所のホームページで紹介されていたりします。
詐欺被害について評価する口コミが多い法律事務所は、それだけ依頼も多く受けているため、詐欺被害に強い法律事務所といえるでしょう。
詐欺被害を弁護士へ相談する際の注意点とは
「詐欺に遭ってしまった、すぐに弁護士に相談したい」
「高額の振込をしてしまった、心が動転して落ち着かない」
詐欺被害に遭ってしまったら、できる限り早期に弁護士へ法律相談を行いましょう。
しかし、被害の直後は気持ちも動揺しており、どのように法律相談を受けたらいいのかわからないかもしれません。
そこで、この章では弁護士へ詐欺被害を相談する際の注意点を紹介します。ぜひご一読のうえ、法律相談をご予約ください。
まずは気軽にお話しいただいて大丈夫ですよ。
初回の法律相談時にできる限り時系列をまとめておく
初めて弁護士へ相談する際は、詐欺被害の経緯を整理しておくことがおすすめです。
特に初回無料相談を利用される場合、法律事務所や弁護士によっては「30分」という時間制限を設けている場合があります。
限られた時間内に詐欺被害の概要を伝え、アドバイスをもらうためにも以下の点をメモなどにまとめて持参しましょう。
- いつ、誰に、どのような手口で騙されたのか
- どのような手段(振込か、クレジットカードか)で、いくら振り込んでしまったか
- 加害者側の連絡先・住所・口座番号などの情報 など
会話や送金の履歴などを持参する
もしもメールやLINEなどに加害者側との会話が残されている場合は、プリントアウトや画面を保護して持参しましょう。
振込で送金をしてしまった場合は、振込明細を持って行くとスムーズです。
「振込明細をなくしてしまった」「ネットバンキング、Pay払いなので振込明細がない」といった場合は、送金履歴が残されている場合があります。
振込明細や会話の記録、送金履歴は詐欺被害の証拠として利用できます。

できる限り早期に相談する
詐欺被害の回復は、時間が経つほど困難になる傾向があります。
相手が資金を口座から引き出して逃げたり、連絡を絶ったりする可能性が高まるためです。
少しでも不審に思ったら、できる限り早く弁護士に相談することが重要です。
早期の相談は、被害状況の悪化を防ぎ、被害の拡大を防ぐ効果もあります。
安心できる弁護士へ相談する
詐欺被害に遭った直後は、精神的なショックが大きいですが、信頼できる弁護士を選ぶことが大切です。
近年、解決が難しい事案にもかかわらず、詐欺の被害者を狙って高額の着手金を請求する弁護士も増加しています。
こうした二次被害を防ぐためには「絶対回収できる」といった広告は決して鵜呑みにせず、解決実績が豊富な弁護士に相談するように注意しましょう。
詐欺被害の相談はなぜ弁護士がおすすめ?

詐欺被害は弁護士に相談し、解決を目指すことがおすすめです。
この章では弁護士が詐欺被害の相談先に適している理由を紹介します。
司法書士では請け負えない業務も弁護士なら可能
詐欺被害の解決には民事的な損害賠償請求だけでなく、悪質なケースでは刑事告訴を検討する必要も生じます。
司法書士は、主に登記や供託、簡易裁判所における一定の民事事件を扱いますが、刑事事件の手続きや、簡易裁判所の管轄を超える民事訴訟は対応できません。
弁護士であれば、民事・刑事の両面から事件を包括的にサポートできるため、状況に応じた最適な対応が可能です。
弁護士は刑事事件・民事事件のいずれにも経験が豊富
近年の詐欺事件は巧妙な手口が用いられることが多く、解決を目指すためには刑事事件と民事事件の両面から、適切な対応を行う必要があります。
警察への被害届だけではなく、示談交渉に向けた証拠収集も行う必要があり、訴訟に臨むケースもあります。複雑な詐欺事件だからこそ、経験豊富な弁護士に相談することが大切です。
警察では加害者への被害金請求や示談交渉はできない
警察は犯罪捜査を行い、加害者を逮捕・処罰することを主な目的としています。
そのため、被害届や告訴状を受理すると捜査は行いますが、被害者への被害金返還請求や、加害者との示談交渉を代行してくれるわけではありません。
被害金の回収を目指すのであれば民事上の手続きが必要となります。弁護士なら被害者の代理人として、加害者や関係者との交渉、訴訟提起などを通じて、被害金の回収をサポートできます。
詐欺被害から被害金の回収までの流れ

弁護士が詐欺被害の相談を受任すると、被害金の回収を実現するために情報収集や示談交渉などを行います。
この章では詐欺被害から被害金の回収までの流れを詳しく説明します。
弁護士が詐欺師・詐欺集団の情報を収集
弁護士が詐欺被害の相談を受任すると、詐欺を行った人物などに関する情報の収集を開始します。
被害者から詳しくお話を伺い、提供された資料を精査したうえで、加害者の特定や居場所の把握、資産状況の調査を遂行します。
弁護士から受任通知の発送、交渉開始
加害者の所在や資産状況などが明らかになったら、弁護士は正式に被害者の代理人として、相手方に対し受任通知を送付します。
受任通知とは弁護士が代理人として交渉を行う旨を知らせるものです。
弁護士は法的根拠と被害の証拠に基づき、相手方と示談交渉を行い早期の解決を目指します。
返金に合意する、もしくは訴訟の開始
示談交渉の結果相手方との交渉がまとまり、返金について合意が得られた場合は、合意内容を書面に残しその履行を確実なものとする手続きを進めます。
交渉が不調に終わったり、相手方が返還に応じない姿勢を示したりする場合には、民事訴訟などを提起することを検討します。
刑事告訴も検討し、刑事事件上の処罰を求めつつ被害金の回収に向けて粘り強く交渉します。
訴訟では和解や裁判所の判決によって被害回復を目指します。
被害金の回収
示談交渉での和解や裁判上での和解もしくは判決後、実際に被害金を回収する段階に入ります。相手方が支払いに応じない場合は、債務名義を取得し、預貯金や不動産などの財産を差し押さえる強制執行の手続きを行うこともあります。
弁護士は判決内容や相手方の状況に合わせて、最も効果的な回収方法を選択し、被害者の方へ被害金が確実に返還されるよう最後までサポートいたします。
まとめ|詐欺に気付いたら早期に弁護士へご相談ください
詐欺被害に遭ってしまった場合、犯人は証拠をすぐに消したり、資金を移動させたりする可能性があります。
被害回復のためには、一刻も早く専門家である弁護士にご相談いただくことが最も重要です。
早期にご相談いただければ、適切な法的措置や示談交渉などを通じて、被害金の回収を目指せる可能性が高まります。まずは諦めずに弁護士へご相談ください。