「Chat GPTなどの生成AIを用いた詐欺は発生している?」
「画像を見ていると生成AIと現実の区別がつかない、だまされるのではないか」
ChatGPTやGeminiといった生成AIが急速に普及し、日常的に仕事やプライベートで気軽に利用できるようになりました。
スマホでも簡単に人工知能が利用できるようになり、文章や画像制作などに役立てている人は老若男女問わず多いでしょう。
しかし、生成AIの急速な進化を悪用した詐欺も多発しており、すでに高額の被害も発生しています。
そこで本記事では、誰もが標的になる可能性がある「AI詐欺」について、最新の手口と被害事例を弁護士が徹底解説します。
被害に遭わないための対策も紹介しますので、ぜひご一読ください。

\もしかしたら詐欺に遭ったかもしれない.../
AI詐欺とは?急増する驚きの手口5選

でも、こんなに進化が早いと詐欺に悪用される気がします。

すでにAIの進化を悪用した詐欺は次々登場しているため、十分な注意が必要です。
文章や画像だけではなく、動画や音声も気軽にAIで生成できる便利な時代を迎えていますが、詐欺に悪用されるケースも目立ち始めています。
「本物と偽物の境界」が曖昧になり、誰もがだまされるおそれがあるのです。
そこで本章では、急増するAI詐欺について驚異の手口を5つに分けて解説します。
1.AIのチャットボットを悪用した手口
AIのチャットボットとは、ユーザーとの対話を自動化し、効率よくサービスを提供する便利なツールです。
カスタマーサポートや相談窓口などで世界中で広く利用されていますが、普及とともに詐欺グループが本物のチャットボットを装って個人情報を抜き取る手口が見受けられます。
AIによって自然な日本語で会話ができるため、利用者は「本物のサポート」と誤信してしまいがちです。
銀行口座番号やパスワードを入力させ、個人情報を盗んだり現金を送金させる手口が見受けられます。

2.偽物の投資アドバイスを用いる手口
「AIが自動で投資判断をします」「最新のAIが株価を予測します」といった甘い誘い文句で資金をだまし取る手口も急増しています。
AIの有能さを悪用し、あたかも儲かる投資があると見せかける巧妙な手口です。
信じてしまった被害者から多額の入金をさせ、その後音信不通になってしまい詐欺と判明するケースが後を絶たず、実際に2025年9月にも山口県で詐欺事件が発覚しています。
参考:山口放送 「AI技術で安定して利益出す」SNS型投資詐欺で50代男性が現金280万円被害 山口・岩国 (2025年09月07日)
3.画像や動画で生成AIを悪用したロマンス詐欺
SNSやマッチングアプリで、AIが生成した魅力的なプロフィール写真や動画を使い、恋愛感情を利用して金銭をだまし取る「ロマンス詐欺」も増えています。
実在しない人物と知らずに関係を築き、最終的には「お金を貸してほしい」「一緒に投資しよう」ともちかけられ、金銭を要求されるケースです。
AIによる偽画像は非常に精巧で見分けにくいため注意が必要です。
ロマンス詐欺については、以下の関連記事もぜひご一読ください。
関連記事:ロマンス詐欺とは?手口の特徴や見抜く方法・被害時の相談先4選!
4.ビデオ通話を悪用した特殊詐欺
AIを用いた音声や映像の「なりすまし」は、ビデオ通話にも悪用されています。
親族の声をAIで模倣した「ディープフェイクボイス」は海外でも横行しており、「事故を起こした」「至急お金が必要だ」と電話され、信じてしまう特殊詐欺です。
実際に海外では、経営者の声を偽造して送金を指示させた事件も報告されています。
不審な電話やビデオ通話を受けた際には、必ず別途本人へ直接確認することが大切です。
参考:日本経済新聞 AI音声を詐欺に悪用 3秒の素材で親族らになりすまし(2023年9月11日)
5.AIによる偽造コンテンツを利用した詐欺
AIの進化は著しく、フィッシングサイトや偽のニュース記事も容易に生成できるようになりました。
公式の銀行サイトに酷似したログインページを作り出し、利用者にログイン情報を入力させて情報を抜き取ったり、送金させるケースも発覚しています。
URLが正しいか、通信が暗号化(https)されているかを必ず確認する必要があります。
また、不審なメールや広告が届いても、焦らず公式サイトに確認するなどの対策も重要です。
6.ディープフェイク動画を利用したなりすまし詐欺
人気のタレントや歌手などをAIでそっくりに作り、詐欺サイトなどへ誘導するケースも発覚しています。
例として、アメリカの人気歌手であるテイラー・スイフトを悪用したキャンペーン詐欺は世界中で話題になりました。
イギリスのエンジニアリング会社「アラップ」の香港オフィスの従業員は、CFOになりすましたフェイクビデオ会議にだまされ、約20億円を送金してしまう詐欺に遭っています。
詐欺は個人だけではなく、法人もターゲットにしており、いつでも誰でもだまされるおそれがあるのです。
従来の詐欺との違いとは?AI詐欺による実際の被害事例

AI詐欺の急拡大は私たちの日常に大きな脅威をもたらしています。
では、実際の被害事例にはどのような特徴があるでしょうか。本章では被害事例を紹介します。
警察や検察官を名乗る人物がビデオ通話に登場する事例
LINEなどのビデオ通話を利用し、警察官や検察官を名乗る人物が登場して送金を要求する詐欺被害も増加しています。
詐欺グループ側は偽物の令状を提示し、あたかも本物の捜査であるかのように見せかけます。
さらに、AI技術を悪用して実在する警察官に似せた映像を生成し、ビデオ通話で信頼させようとする手口が確認されています。
NHKの報道によると、これまで詐欺被害の数が高齢者よりも少ない傾向にあった20〜30代が被害に遭うケースも増えており、ビデオ通話での送金要求には一切応じないよう注意を呼びかけています。
参考:NHK 急増!警察官などかたる詐欺 AIを悪用 映像を合成しビデオ通話(2025年4月4日 10時13分)
AIが生成した投資話で1億円以上だまされた事例
栃木県警佐野署によると、県南に住む60代男性が、SNSで人工知能(AI)を使った投資話を持ちかけられ、計約1億8380万円の被害に遭ったとされています。
以前から当サイトでも解説しているSNS型投資詐欺がさらに進化しており、高額の被害が国内でも発生してしまったのです。
「AI投資はリスクが少なく利益が出る」などと勧誘されたとあり、今後の手口にも悪用される可能性があります。
参考:毎日新聞 「1日1万円以上の利益」表示信用し…AI投資詐欺で1.8億円被害(2025年8月28日 18時15分)
AIでフィッシングサイトを作成していた事例
ECサイトになりすましたフィッシングサイトを作成し、インターネットに公開したなどとして、詐欺師側が大阪府警に逮捕される事例も発生しています。
この事件ではAIでECサイトを生成し、「お客様のアカウントに異常を検知した」などのメールを不特定多数に送り、偽サイトに誘導していました。
その後、クレジットカード情報や本来のECサイトのID、パスワードなどを抜き取っており、約800人分の情報を取得していたようです。
不正に得た情報で不正購入を繰り返していたとみられ、被害額は約2千万円にのぼる可能性があるとされます。
参考:産経新聞 AI作成の偽サイトをAI用いて捜査、フィッシングサイト作成の男2人を逮捕 大阪府警(2025年6月23日 16時55分)
関連記事:フィッシング詐欺とは?実例と手口5選&絶対に守るべき対策7選
巧妙なAI詐欺から身を守ろう!すぐできる5つの対策

最新技術を用いたAI詐欺は、インターネットの利用に慣れている若年層でも被害に遭いやすく、日頃から詐欺に遭わないための対策を進めておくことが大切です。
では、AI詐欺に遭わないためにはどのような対策を講じておくとよいでしょうか。
本章でわかりやすく紹介します。

1.送金や個人情報を急かされたら必ず詐欺を疑う
AI詐欺の特徴として、被害者に対して「今すぐ送金してください」「個人情報をすぐ入力してください」と急かすことが挙げられます。
焦って行動すると、判断力が鈍り被害に遭いやすくなるため、まずは落ち着いて公式サイトを確認し、家族に相談しましょう。
身近な人に相談するだけでも、詐欺被害を防ぐ効果があります。

2.SNSなどで誘導されたホームページは公式と比較する
SNSやDMなどで誘導されるホームページは、AIによって本物そっくりに作られていることがあります。
銀行や金融サービスなどに誘導されたとしても、まずは公式のデザインやURLを比較し、少しでも違和感がある場合はアクセスしないようにしましょう。
また、偽物のキャンペーンにだまされることもあります。
公式アプリやGoogleなどで検索し、キャンペーンが本物か確認することも大切です。
3.信頼できる無料ツールを利用する
AI詐欺の判定には、信頼できる無料ツールを利用することも効果的です。
例として、トレンドマイクロ社が提供する「ディープフェイクスキャン(ベータ版)」は、ディープフェイクによるビデオ通話やライブ配信を検出し、通話相手になりすましの可能性がある際に警告を表示します。(利用は最大20回まで)
また、iOS向けには有料ですが「トレンドマイクロ 詐欺バスター」アプリが提供されています。(30日間無料)
詐欺電話をブロックするだけでなく、同アプリ内の「ディープフェイクスキャン」機能を利用することで、ビデオ通話の相手がディープフェイクかどうか確認できます。
4.迷惑電話対策を導入する
迷惑電話や詐欺電話を事前に防ぐために、優れたサービスを事前に導入することも有効です。
例えばシャープの「迷惑AI通話対策サービス」では、AIによる自動電話を検知して通話を制御できます。
実際に、このようなサービスを導入したことで、特殊詐欺の被害を未然に防ぐことができた事例も報告されています。
参考:朝日新聞 AIが特殊詐欺の電話探知→区職員が警察に通報 容疑の中3逮捕(2022年1月18日)
5.疑問を感じたら弁護士や警察へすぐに相談する
少しでも「怪しい」と感じたら、迷わず弁護士や警察へ相談しましょう。
AI詐欺は巧妙で、個人だけで対応するのは危険です。
特に送金してしまった場合は、すぐに弁護士へ相談することで被害が回復できる可能性もあります。
被害の拡大を防ぐためにも、詐欺に強い弁護士へ相談しましょう。
AI詐欺についてよくある質問


不安はありますが、私もしっかり対策します!
AIを悪用した詐欺にも見極めのポイントはあります。
よくある質問を通じてご説明します。
AI詐欺は世界中で横行しており、不安を感じている方も多いでしょう。
そこで、本章ではAI詐欺に関する「よくある質問」へお答えします。
AIを利用した詐欺電話の特徴を教えてください
AI詐欺の電話は、実在する人物の声を模倣したり、自動応答などを利用したり傾向があります。
有名人を模倣するだけではなく、親族や公的機関(警察など)を装うケースも見受けられるためご注意ください。
詐欺電話から始まり、「緊急性」を煽って送金や個人情報を急かす手口が典型的です。
AI投資詐欺の手口はどのようなものですか
AIを用いた投資詐欺には、株式投資や暗号資産投資などについて「AIが自動で株価を予測」「最新AIで高利益を保証」などを謳う傾向が見られます。
SNSやDMなどで誘い、広告やチャットで誘導する手法です。
たとえAIであっても儲かる投資を予想できるわけではありません。
高額の資金を送金するように誘導されるため、絶対に応じないようにしましょう。
特殊詐欺防止のアプリはありますか
迷惑電話や詐欺メールを自動で判定するアプリやサービスも数多く提供されています。
実際に購入したりサービスを契約したりする際には、安心できる有名企業のものを選ぶことがおすすめです。
固定電話の場合は国際電話の着信ブロックも有効です。
国際電話は利用を休止することができるため、普段外国と通話する機会が不要の方は、こうしたサービスも利用しましょう。
以下の警察庁サイトから申し込めます。
参考:警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ みんなでとめよう!!国際電話詐欺 #みんとめ
まとめ:AI詐欺が急増中!被害に遭ったらすぐ弁護士へご相談ください

AIの進化にともない、詐欺の手口も高度化しています。
送金や個人情報を急かす電話やチャットはもちろん、偽のWebサイト、ディープフェイク動画など誰でも被害に遭うおそれがあるのです。
自分は大丈夫、と過信せず日頃から最新詐欺の動向はしっかり把握しておきましょう。
少しでも怪しいと感じた場合は、速やかに弁護士へ相談することがおすすめです。
まずはお気軽に無料相談をご利用ください。