「自分でポイントを買ったのだから、返金は無理だろう」
「占いの内容に納得して払ったのだから、詐欺とはいえないはず」
このように考える方もいますが、どちらもそのままでは正しくありません。
占い師が実在しないサクラだった、不安をあおられて払わされたといった事情があれば、自分で払ったお金でも返金を求められる場合があります。
占いに納得したか、当たったかとは関係なく、問題になるのはお金を払わせ続ける仕組みの方です。
本記事では、占いサイトや電話占い、対面の占いでお金を払ってしまった方に向けて、占い詐欺の手口と返金を求めるときの考え方を解説します。
\もしかしたら詐欺に遭ったかもしれない.../
占い詐欺とは?

占い詐欺とは、占いや鑑定を口実に、有料のポイントや鑑定料、開運グッズの代金などを払わせ続ける手口のことです。
占いそのものは違法ではなく、実在する占い師が相談に応じて鑑定し、その対価を受け取ることは原則として問題ありません。
問題になるのは、実在しないサクラの占い師が決まった文章で返信して鑑定を引き延ばしたり、「このままでは不幸になる」と不安をあおって高額な契約を結ばせたりする場合です。
国民生活センターは2020年11月、全国の消費生活センターなどに占いサイトやアプリに関する相談が年間1,000件以上寄せられていると公表しました。
占い詐欺が起きる場は、大きく分けて次の3つです。
- 占いサイトや占いアプリでのメッセージのやり取り
- 電話占い
- 対面の占いから始まる霊感商法・開運商法

占いにお金を払い続けて「おかしい」と感じている方は、やり取りの画面を残したうえで弁護士へご相談ください。
占いサイト・占いアプリ・電話占いで多い占い詐欺の手口

占いサイトや占いアプリ、電話占いの占い詐欺は、入口が無料でも、やり取りを続けるほどお金がかかる仕組みになっています。
国民生活センターに寄せられた相談などをもとに、よくある手口を4つ紹介します。
占いサイトの無料鑑定から有料ポイントへ誘導する
入口になるのは、スマートフォンの広告や迷惑メールで見かける「無料鑑定」「運気が上がっている」といった言葉です。
無料占いに名前や生年月日、メールアドレスを入れると、いつの間にか会員登録され、ほかの占いサイトからもメールが届くようになることがあります。
占いサイトのランキングをうたうサイトの中にも悪質なものがあり、そこで登録したメールアドレスが占いサイトに渡ってしまうこともあります。
無料の期間やポイントが尽きると、占い師にメッセージを送るたびに有料のポイントが必要になります。
国民生活センターに寄せられた相談では、メッセージ1通あたり1,500円分のポイントが必要だった例があります。
また、「数日で鑑定が終わるので、その間は無料にします」と言いながら期間内に鑑定を終わらせず、終わり際に「特別に延長するので最後まで鑑定させてほしい」と引き止める手口もあります。
引き止めに応じて返信したときには、すでに無料期間が終わっていて、その後のメッセージには有料のポイントが必要になります。
占いアプリでも、無料で使えるのは最初の3日間だけだったという相談が寄せられています。
サクラの占い師が鑑定を引き延ばす
占い詐欺に登場する占い師は、サイトに雇われたサクラであることが多く、鑑定を終わらせずにポイントを使わせ続けようとします。
「あなたは素晴らしい金運を持っている」「宝くじの高額当選に導く」と期待をあおる一方で、やめようとすると「最後まで鑑定を受けないと不幸になる」と引き止めます。
途中で「一攫千金の鑑定士」のような別の占い師を紹介されたり、やり取りを口外しないよう約束させられたりするのも、国民生活センターに寄せられた相談で見られる流れです。

占い師が合言葉や数字を送らせてポイントを使わせる
「言霊を唱えてください」「波動を私に届けてください」などと、意味のはっきりしない言葉や数字を送るよう指示されることがあります。
送るたびにポイントが減るため、指示に従うほど支払いが増えていきます。
国民生活センターの相談では、宝くじの当選番号を導くためとして、特定の言葉を一文字ずつ送らされた例もあります。
電話占いで通話を引き延ばして料金を重ねる
電話占いでは、無料の時間だけ使うつもりが途中で電話を切ることができず、高額な料金を請求されたという相談が寄せられています。
話した時間に応じて料金がかかる仕組みであれば、占い師が話を引き延ばすほど支払いは増えていきます。
やり取りの画面や支払いの明細は返金を求めるときの証拠になりますので、消さずに残したうえで弁護士へご相談ください。
【関連記事】怪しい・危険な占いサイトの見抜き方!よくある詐欺の手口や返金可能性も解説
対面の占いから始まる霊感商法・開運商法

占い詐欺は、ネットの占いに限りません。
対面の占いや姓名判断をきっかけに、「先祖の供養をしないと病気が治らない」「このままでは家族に不幸が起きる」と不安をあおり、印鑑や数珠などを高額で買わせたり、祈とう料を払わせたりする手口もあります。
一般に、霊感商法や開運商法と呼ばれるものです。
例えば、知り合いの占い師に姓名判断をしてもらって「字画が良くない」「先祖に供養されていない人がいる」と言われ、印鑑を約30万円で買ったという相談も寄せられています。
また、消費者庁の資料では、2021年度に霊感商法(開運商法)として寄せられた相談のうち、半数以上が占いサイトなどインターネットの占い・祈とうサービスに関するものでした。
つまり、ネットの占いと霊感商法は、はっきり分かれたものではありません。
霊感などを持ち出して不安をあおり、「不幸を避けるにはこれが必要だ」と告げて結ばせた契約は、消費者契約法にもとづいて取り消せる場合があります。
2022年12月の改正(2023年1月施行)で、本人だけでなく親族の不利益で不安をあおる場合や、すでに抱えている不安につけ込む場合も、取消しの対象に加わりました。

取り消せる期間には限りがありますので、契約書や領収書がお手元にある場合は、ご用意の上、早めに弁護士へご相談ください。
【関連記事】霊感商法(開運商法)に遭ったらどうする?手口や事例・違法性を弁護士が解説
占い詐欺は返金を求められる場合がある

占いサイトで自分からポイントを買っていても、だまされたり不安をあおられたりして払ったお金であれば、返金を求められる場合があります。
例えば、次のような事情がある場合です。
- 占い師が実在せず、サクラが決まった文章で返信していた
- 「このままでは不幸になる」と不安をあおられ、それを避けるために払い続けた
- 「無料」「数日で鑑定が終わる」と言われたのに、有料のやり取りが続いた
こうした事情があれば、民法や消費者契約法を根拠に、契約の取消しや損害賠償として返金を求めることが考えられます。
どの法律を根拠にするかは1つに決まっているわけではなく、やり取りの内容や証拠によって変わります。
一方で、実際に返金を受けられるかどうかは、次のような点で大きく変わります。
- 運営会社を特定できるか
- やり取りや支払いの証拠が残っているか
- どの方法で払ったか
- 運営会社との交渉をどう進めるか

払ったお金をあきらめる前に、支払いの明細をご用意の上、弁護士へご相談ください。
【関連記事】サクラサイトとは?危険な手口から被害事例・対策・返金方法まで徹底解説
占い詐欺の支払い方法ごとの返金の考え方

占い詐欺の返金は運営会社に求めるのが基本ですが、払った方法によっては、決済の窓口を通じて被害を食い止めたり、お金を取り戻したりできる場合があります。
主な支払い方法ごとの窓口と仕組みを表にまとめましたので、参考にしてください。
| 支払い方法 | 相談の窓口 | 使える可能性がある仕組み |
| クレジットカード | カード会社 | 分割払い・リボ払いなら、カード会社への残りの支払いを止められる場合がある(支払停止の抗弁。翌月一括払いと、1回の購入が4万円未満、リボ払いで3万8千円未満の支払いは対象外) |
| 銀行振込 | 警察・振込先の金融機関 | 口座が凍結されれば、残っているお金から分配金を受け取れる場合がある(振り込め詐欺救済法) |
| 電子マネー・ギフトカード | 発行会社 | コードが使われる前なら、発行会社への連絡で被害を止められる場合がある |
どの方法でも、時間がたつほど相手の口座やアカウントからお金が動いてしまうため、だまされたと気づいたら早めに動くことが大切です。

弁護士にご依頼いただければ、支払い方法に応じて、カード会社や金融機関への対応も進めることができます。
支払いの明細やレシートがお手元にある場合は、ご用意の上、弁護士へご相談ください。
【関連記事】プリペイドカード詐欺で返金してもらうことは可能?被害額を取り戻す方法を弁護士が解説
占い詐欺の返金を弁護士に依頼したときの流れ

占い詐欺の返金は、証拠をそろえて運営会社を特定し、返金を請求して交渉するという順番で進みます。
弁護士にご依頼いただければ、運営会社とのやり取りは弁護士が引き受けるため、ご本人が占い師やサイトと連絡を取る必要はなくなります。
占い詐欺に気づいたらまず証拠を残す
返金を求めるときに役立つ証拠は、主に次の3種類です。
- 占い師とのやり取り(送るよう指示された言葉、鑑定を続けるよう促すメッセージなど)
- 支払いの記録(クレジットカードの明細、振込明細、電子マネーのレシートやカード、決済完了のメール)
- サイトやアプリの情報(サイト名とURL、アプリ名、運営会社の表示、占い師の名前)
占いサイトを退会すると、それまでのやり取りが見られなくなる可能性があるため、退会する前にスクリーンショットで残してください。
また、追加でポイントを買うことはやめ、相手に「詐欺ではないか」と伝えることも控えてください。
相手に疑いを伝えると、逆上されたり、証拠を消されたりするおそれがあるからです。
さらに、「代わりに返金を交渉する」と持ちかけてくる探偵や業者にも注意してください。
報酬を得て代わりに返金の交渉をすることは、法律上、弁護士などにしか認められていないからです。

占い詐欺の返金を弁護士が進める4つのステップ
ご相談から解決までは、おおむね次の流れで進みます。
- 無料相談で、被害の内容と手元の証拠を確認する
- ご依頼後、弁護士が運営会社や支払いの流れを調べる
- 運営会社に返金を請求し、交渉する
- 返金の条件に合意し、入金を確認する
運営会社が交渉に応じない場合は、訴訟などの手段を検討します。
大地総合法律事務所がご依頼を受けた占いサイトの事例でも、交渉によって返金を受けたケースがあります。
占いサイトや電話占いの支払いで悩んでいる方は、手元の証拠をご用意の上、弁護士へご相談ください。
【関連記事】事件から学ぶ!詐欺被害の実態と返金事例~悪質占いサイト被害編~
占い詐欺についてよくある質問

ここでは、占い詐欺についてよくいただく質問を4つ紹介します。
Q1.占い詐欺でクーリング・オフはできる?
自分から申し込む占いサイトや占いアプリ、電話占いは通信販売に当たり、クーリング・オフの制度はありません。
一方で、訪問販売や電話勧誘販売に当たる契約であれば、申込みや契約の書面を受け取った日から8日以内はクーリング・オフができる場合があります。
例えば、自宅を訪ねてきた占い師から開運グッズを買った場合などです。
書面を受け取っていない、書面の内容に不備がある、クーリング・オフを妨害されたといった場合は、8日を過ぎていてもクーリング・オフできる場合があります。
クーリング・オフができなくても、取消しなど別の方法で返金を求められる場合がありますので、書面をお手元にご用意の上、弁護士へご相談ください。
Q2.規約に返金不可とあっても占い詐欺の返金は求められる?
規約に「返金不可」と書かれていても、だまされて払ったお金であれば返金を求められる場合があります。
返金不可の規約があっても、だまされて結んだ契約を取り消したり、損害賠償を求めたりできなくなるわけではないからです。
運営会社から規約を理由に返金を断られても、そのままあきらめずに弁護士へご相談ください。
Q3.占い詐欺は消費生活センターに相談してもいい?
消費生活センターに相談することもできます。
消費生活センターでは、相談員が解決に向けて助言し、運営会社との話し合いの仲立ち(あっせん)もしてくれます。
ただし、あっせんは運営会社が応じなければ進まず、消費生活センターが代理人として返金を請求したり、裁判を起こしたりすることはできません。
運営会社が話し合いに応じない場合や被害額が大きい場合は、弁護士へご相談ください。
Q4.退会した後でも占い詐欺の返金は求められる?
退会した後でも、返金を求められる場合があります。
サイト上のやり取りが見られなくなっていても、支払いの明細やサイトから届いたメール、登録に使ったメールアドレスなどが手がかりになるからです。
手元に残っているものを集めて、弁護士へご相談ください。
占い詐欺については大地総合法律事務所にご相談ください

占いサイトや電話占い、対面の霊感商法で払ってしまったお金も、事情によっては返金を求められる場合があります。
大地総合法律事務所では、占い詐欺の返金のご相談を受け付けております。
自分で課金してしまったからとあきらめかけている方は、まずは一度無料相談をご利用ください。
参考文献
- それって占い?!占い師や鑑定士を名乗る者から次々とメッセージが届いてやめられない-占いサイトのトラブルに注意-|国民生活センター
- いつの間にか高額に… 占いサイトに気を付けて!|国民生活センター
- 霊感商法(開運商法)に関する消費生活相談について|消費者庁
- 消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律(令和4年法律第99号)等について|消費者庁
- クーリング・オフ|国民生活センター
- そのセキュリティ警告画面・警告音は偽物です!「サポート詐欺」にご注意!!|国民生活センター
- 振り込め詐欺等の被害にあわれた方へ|金融庁
- 消費者契約法(平成12年法律第61号)第4条・第7条|e-Gov法令検索
- 特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)第9条・第24条|e-Gov法令検索
- 割賦販売法(昭和36年法律第159号)第2条・第30条の4・第30条の5|e-Gov法令検索
- 割賦販売法施行令(昭和36年政令第341号)第21条|e-Gov法令検索
- 犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律(平成19年法律第133号)|e-Gov法令検索
- 弁護士法(昭和24年法律第205号)第72条|e-Gov法令検索
- 民法(明治29年法律第89号)第96条・第709条|e-Gov法令検索