「マンション購入を勧められたけど、これってひょっとしてワンルームマンション投資詐欺?」
「ワンルームマンション投資詐欺が流行っていると聞いて怖い…」
ワンルームマンション投資詐欺は、20代後半〜30代の社会人を中心に被害が拡大しています。
不動産詐欺の一種であり、被害額も大きくなりやすいことから、十分な警戒が必要です。
本記事では、ワンルームマンション投資詐欺によくある手口をわかりやすく解説します。
狙われやすいタイプも弁護士が解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ワンルームマンション投資詐欺とは

ワンルームマンション投資詐欺とは、「高利回りで安全に儲かる」と偽って、投資家にワンルームマンションを購入させる詐欺のことです。
誇大広告・虚偽情報・存在しない物件や価値の低い物件の販売・契約書や資料の偽造など手口も多く、複雑化しているのがポイント。
不動産の知識と法的な知識のどちらも必要なことから対応が難しく、1人で戦うハードルが高い詐欺ともいえるでしょう。
ワンルームマンション投資詐欺の種類9選とその対策


一口にワンルームマンション投資詐欺といっても、多様な種類が存在します。
ここでは、ワンルームマンション投資詐欺の代表的な種類について、対策を添えて解説します。
手付金詐欺
手付金詐欺とは、契約の正式手続き前に「まず手付金を」と迫り、支払い後に連絡を絶つ手口です。
そのまま手付金が戻らないことが大半で、手付金が丸ごと被害額となってしまいます。

架空賃貸詐欺(満室偽装詐欺)
架空賃貸詐欺(満室偽装詐欺)とは、空室が多い物件や入居者が期待できない物件を「満室で安定収入が得られる」と偽って販売する手口です。
販売資料や広告に「満室稼働中」「安定家賃収入」と記載されていますが、家賃収入が想定より大幅に下回り、利益を得られません。

サブリース詐欺
サブリース詐欺とは、管理会社や販売業者が「家賃収入保証付き」と称してオーナーに物件を貸し出す契約を結ばせ、安定収入が得られるように見せかける手口です。
実際には保証内容が不十分だったり途中で保証が打ち切られたりして、オーナーが損失を被ることがあります。

デート商法詐欺
デート商法詐欺とは、恋愛感情と絡めてマンション購入を勧める手口です。
感情に訴えることで冷静な判断をさせず、高額物件の契約をさせる点が特徴です。
「あなたのために特別な物件を用意した」と限定感を強調されたり、感情的に断りにくい状況を作ったりすることも珍しくありません。

査定額のシミュレーション詐欺(価格吊り上げ詐欺)
査定額のシミュレーション詐欺(価格吊り上げ詐欺)とは、物件購入を促すために、実際の価値よりも高い査定額や収益シミュレーションを提示する手口です。
被害者は「これなら儲かる」と誤認して契約してしまいますが、実際には期待していたような収益は得られません。

二重譲渡詐欺
二重譲渡詐欺とは、同じ物件を複数の投資家に重複して販売する手口です。
被害者は「自分だけが購入できた」と信じて契約しますが、実際には物件はすでに他の投資家にも売却されています。
買取保証付き詐欺
買取保証付き詐欺とは、業者が「将来必ず物件を買い取る」と偽の保証を提示し、安心感を与えて購入させる手口です。
しかし、実際には買取条件が不利すぎたり業者が買い取らず契約違反になったりすることが多く、投資家が損失を被ります。
融資詐欺
融資詐欺とは、業者が「融資の斡旋」や「銀行ローンの保証」を謳って安心感を与え、投資契約を結ばせる手口です。
しかし実際には融資が実行されず、手付金や契約金をだまし取られることがあるので注意しましょう。

海外不動産投資詐欺
海外不動産投資詐欺とは、国外の不動産を対象にした投資案件を装い、投資家から資金をだまし取る手口です。
日本国内の法規制が及びにくく事態が発覚しにくいため、被害が拡大しました。
ワンルームマンション投資詐欺で狙われやすいタイプ

ワンルームマンション投資詐欺で狙われやすいタイプは、以下のとおりです。
- 20代後半〜30代の社会人
- 金融や不動産の知識が乏しい人
- 節税や不労所得に惹かれやすい人
- 将来への漠然とした不安を持つ人
20代後半〜30代は社会人になりある程度の期間が経っていて、かつ独身率も高いことから、自由になるまとまった資金のある方が多いです。
加えて、「将来に備えたい」という漠然とした焦りや不安を抱えやすい時期でもあり、安心して副収入を得られるワンルームマンション投資に興味を持ちやすいタイミングでもあります。
知識不足・心理的な隙・将来不安を突かれて詐欺に遭うことが多く、冷静な判断を鈍らせることで被害に誘導されてしまいます。
ワンルームマンション投資詐欺の典型的な手口

ワンルームマンション投資詐欺の典型的な手口は、以下のとおりです。
- メリットだけを強調される
- 価値の低い物件を高額で売る
- 無理な融資を組ませる
- 購入後は管理や空室リスクを放置する
営業担当者は「家賃収入で不労所得が得られる」「節税効果がある」など、利益面だけを強調して話します。
一見するとデメリットを解説しているようで、「確実にデメリットは払拭できる」「リスクよりもメリットの方が大きい」と説得されることも。
結果として、期待していた家賃収入が得られず、投資として失敗することになります。

ワンルームマンション投資詐欺の被害に遭った場合の対応


ここでは、ワンルームマンション投資詐欺の被害に遭った場合の対応を解説します。
弁護士などプロの力を頼り、速やかな解決を図るのがポイントです。
クーリング・オフを検討する
クーリング・オフとは、契約後一定期間内であれば無条件で契約を解除できる制度です。
宅建業法では、以下のとおりクーリング・オフができると定められています。
宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約について、当該宅地建物取引業者の事務所その他国土交通省令・内閣府令で定める場所(以下この条において「事務所等」という。)以外の場所において、当該宅地又は建物の買受けの申込みをした者又は売買契約を締結した買主(事務所等において買受けの申込みをし、事務所等以外の場所において売買契約を締結した買主を除く。)は、次に掲げる場合を除き、書面により、当該買受けの申込みの撤回又は当該売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。この場合において、宅地建物取引業者は、申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
一 買受けの申込みをした者又は買主(以下この条において「申込者等」という。)が、国土交通省令・内閣府令の定めるところにより、申込みの撤回等を行うことができる旨及びその申込みの撤回等を行う場合の方法について告げられた場合において、その告げられた日から起算して8日を経過したとき。
二 申込者等が、当該宅地又は建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払つたとき。
契約書面を受け取った日から8日以内であればクーリング・オフできる可能性があります。
消費生活センターに相談する
消費生活センターでは、クーリング・オフの適用可否や手続きの手順を教えてもらえます。
弁護士や行政機関への相談が必要な場合の窓口を紹介してもらえるほか、47都道府県すべてに設置されているので気軽に相談できるのもポイントです。
弁護士と共に金銭被害の回復を図る
弁護士は、詐欺や契約違反による損害賠償請求や売買契約の解除・返金請求を代理で実行できます。
個人では難しい事業者との返金交渉や示談でも、「弁護士を挟んだ」ということがプレッシャーになり、成功率が高まることも。
契約条項など法律的な期限を意識した対応もスピーディーに進められるので、精神的な負荷も軽減できるのがメリットです。
ワンルームマンション投資詐欺についてよくある質問

ワンルームマンション投資詐欺についてよくある3つの質問に回答します。
Q:ワンルームマンション投資はすべて詐欺なの?
A:すべてが詐欺とは限りません。
むしろ多くは不動産会社や管理会社が正式に販売している物件であり、家賃収入もきちんと支払われます。
ただし、一部にワンルームマンション投資詐欺が含まれていて、見分け方が難しいことが懸念されています。
Q:ワンルームマンション投資詐欺に遭わないためには?
A:不動産や金融の知識を、ある程度身につけてから検討するのがよいでしょう。
不動産投資は夢のある投資手法ですが、メリットや将来イメージだけで判断せず、契約書や条件を慎重に確認する必要があります。
Q:ワンルームマンション投資に遭ったときにあった方がよい証拠は?
A:契約書やパンフレットのコピー、メールやLINEなどのやり取り、送金記録や領収書などを保存しておくのが有効です。
記録になるものはすべて弁護士に提出し、判断を仰ぎましょう。
ワンルームマンション投資詐欺でお困りの方は弁護士にご相談ください
ワンルームマンション投資詐欺は若い方が被害に遭いやすく、「親や会社に知られたくない」「詐欺に遭ったのが情けない」と感じて相談を躊躇ってしまうことがあります。
しかし、弁護士に相談することで被害を回復できるケースは珍しくないため、遠慮せず協力を仰ぎましょう。
自己判断だけで解決しようとせず、返金請求の可能性を少しでも上げていくことが重要です。