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送り付け商法(ネガティブ・オプション)が急増中!手口と被害に遭った場合の対応方法について解説

警視庁や消費者庁、自治体などから相次いで送りつけ商法(ネガティブ・オプション)についての注意喚起がされています。

頼んでもいないのに商品が送られてきて、代金を支払えと一方的に請求されており、「詐欺なのではないのか?」と対応方法に悩んでいませんか?

実は、最近の法改正により、こうした送り付け商法には明確な対応策が整備されています。

本記事では、送り付け商法の具体的な手口や、被害に遭ったときの正しい対処方法について解説します。

自身やご家族が送り付け詐欺で対応に困っているのであれば、ぜひ最後までご覧ください。

送り付け商法とは?手口や特徴について

送り付け商法とは?手口や特徴について

事務局さん
佐久間先生!
送り付け商法というものがあると耳にしました。
いったいどういう手口のものですか?

 

佐久間先生
送り付け商法とは、購入した覚えのない商品が突然自宅に送られ、難癖をつけて支払いを求められる詐欺です。
特に高齢者が狙われやすいという特徴があります。

送り付け商法とは、購入した覚えのない商品が突然自宅に送られ、難癖をつけて支払いを求めてくる販売手法で、ネガティブ・オプションとも呼ばれます。

身に覚えのない物が送りつけられる

送り付け商法では、購入した記憶がない商品が突然送りつけられます。

送られてくる商品は、健康食品やサプリメント、衛生用品、化粧品、日用品などが一般的で、「無料サンプルかと思ったら後から請求書が届いた」というケースもあります。

弁護士や警察などに届けるような大きな金額にならないものが多く、仮に被害に遭っても「今回は勉強代として終わらせよう」と泣き寝入りさせようとします。

難癖をつけて代金の支払いを要求される

送り付け商法の特徴の1つが、難癖をつけて代金の支払いを迫ってくることです。

例えば、「もう開けたのであれば返品されても困る」「電話注文を受けている」「開封したので返品できません」などの難癖をつけ、支払いをしなければならないと誤信させます。

なかには、「裁判になる」「悪質なイタズラ注文で刑事告訴せざるを得ない」など法律用語を並べることで、相手を萎縮させて支払わせようとするケースもあります。

佐久間先生
大きな金額でもないところに法的用語で支払いを求められると「面倒なことになるのは嫌だから支払ってしまおう」と思わせることが狙いです。

 高齢の家族が狙われやすい

送り付け商法のターゲットになりやすいのが、判断能力の低下した高齢者です。

特に一人暮らしの高齢者や、家族と同居していても注文や契約内容を正確に把握できない人は、業者にとって「だましやすい相手」として認識されがちです。

業者は「以前にお電話でご注文いただきましたよね?」などと記憶をあいまいにさせる言い回しを使い、納得しないまま支払いに誘導します。

業者が家族構成や生活環境、通販の利用履歴まで調べたうえでアプローチしてくることもあり、個人情報の漏洩が悪用されるケースもあります。

一度うまくいくと、次から次へと送り付けて支払わせる可能性もあり、注意が必要です。

国民生活センターでも80代・90代がターゲットになっていることが示されています。

参考:国民生活センター「一方的に送りつけられた商品の代金は支払い不要!

 送り付け商法でお金を支払ってしまうとその後詐欺のターゲットに

送り付け商法で一度でもお金を支払ってしまうと、「お金を支払う人」「反論してこない人」として、業者の間で「カモリスト」に登録される恐れがあります。

詐欺グループ間ではこうした情報が売買されており、名前・住所・電話番号・支払い実績などが詐欺に悪用されることがあります。

必要のないリフォームの申し込みや価値のない美術品を購入させられるなどの詐欺に発展する可能性もあるので注意が必要です。

相次ぐ送り付け商法は公的機関から注意喚起が多数されている

送り付け商法の被害が社会的に問題視されるようになり、近年では警視庁や消費者庁、地方自治体などの公的機関が繰り返し注意喚起を行っています。

例えば、次のものがあります。

令和3年(2021年)に特定商取引法の改正で対策されたにもかかわらず繰り返し注意喚起が行われているため、きちんとした対応方法を知っておくことが欠かせません。

令和3年(2021年)の特定商取引法改正によって商品の返還が不要に

令和3年(2021年)の特定商取引法改正によって商品の返還が不要に

事務局さん
送り付け商法について特定商取引法ではどのような改正がされたんですか?
佐久間先生
従来は送り付けられた商品を保管しなければならなかったのが、改正によってすぐに処分をしても構わなくなりました。

悪質な送り付け商法に対応するため、消費者保護を目的とする特定商取引法が令和3年(2021年)改正されました。

その内容を確認しましょう。

改正前の送り付け商法の規定

令和3年(2021年)以前の特定商取引法では、商品の送付があった日から14日間経過しても引き取りがない場合、もしくは商品の引取りを請求してから7日間経過しても引き取りがない場合には、販売会社は返還を請求できず、送り付けられた側が自由に処分できるとされていました。

しかし、長いと14日間は商品を保管する必要があり、生モノを送り付けられたような場合に保管に困り業者に連絡してしまうと、言いくるめられたり、脅されたりして代金の支払いをしてしまうことが問題となっていました。

改正後は即日処分がOKに

令和3年(2021年)の特定商取引法改正により、特定商取引法第59条によって、注文していない商品については、その日に処分してかまわないことになり、代金の支払いはもちろん、返送も不要となりました。

そのため、従来のように一定期間保管する必要もありません。

また、万が一お金を支払ってしまった場合でも、返金を要求できます。

佐久間先生
このような改正があっても、法律自体を知らない場合や、うっかり電話をしてしまって言いくるめられる・脅されることもあるので、
被害は依然として続いてしまっているのが現状です。

送り付け商法に遭わないための対策

送り付け商法に遭わないための対策

事務局さん
送り付け商法についての法改正があってもなお注意喚起がされているので、
送り付け商法に遭わないための対策も必要ですね。
佐久間先生
そのとおりです。送り付け商法に遭わないための対策を知っておきましょう。

送り付け商法に遭わないためにはどのような注意が必要でしょうか。

身に覚えのない商品については「受取拒否」

送り付け商法の被害を未然に防ぐためには、まず身に覚えのない荷物は受け取らないことが最も重要です。

特に「代引き(代金引換)」で届いた商品については、配達員にその場で受取拒否を申し出れば、支払いも発生せず、被害を回避できます。

業者のなかには、「とりあえず受け取ってもらえれば勝ち」と考えている者も多く、一度受け取ってしまうと後からの対応が複雑になる可能性があります。

受け取りの際に少しでも不審な点を感じたら、その場で開封せず、冷静に対処しましょう。

郵便局や宅配業者の伝票には送り主の情報が記載されているため、確認したうえで判断しましょう。

また、家族宛に届いた不明な荷物も安易に受け取らず、本人に確認してからの対応が重要です。

「受取拒否」は、被害を防ぐ第一の防御策として、誰でも実践できる簡単かつ効果的な方法です。

注文した商品が届く予定を家族で共有する

家族のなかで誰がどの商品を注文しているか、日頃から情報共有しておくことは、送り付け商法対策として非常に有効です。

特に高齢の家族がいる場合、本人は覚えていないが、実は家族が代理で注文していたというケースもあり、そこに業者が付け込む隙が生まれます。

「お孫さんが頼んだ健康食品です」などと言われると、不安になって支払ってしまう高齢者も少なくありません。

そのため、注文の事実や配送予定日、購入先の情報を家族間で記録・共有しておくと、見覚えのない荷物が届いたときに冷静に判断できます。

LINEや紙のカレンダーなど、家族に合った方法で無理なく継続できる仕組みを作ることが大切です。

特に、インターネット通販が普及した現代では、家族全員が日常的にオンラインで買い物をしているため、このような「情報の見える化」がトラブル防止につながります。

身に覚えのない商品を受け取ってしまったらすぐに処分

万が一受け取ってしまった商品であっても、改正特定商取引法に基づいて、すぐに処分してしまってかまいません。

その際に販売業者に連絡する必要もありませんし、販売業者から電話などの連絡があった場合には取り合わないようにしましょう。

一度連絡してしまったり、電話連絡に応じたりしてしまうと、あなたを詐欺師呼ばわりしたり、泣き落とそうとしたり、脅そうとするなど、さまざまな方法で支払わせようとします。

相手にせず、取り合わないことが重要です。

処分する際には送り主や連絡先商品などの写真を撮っておく

不審な商品を処分する際には、念のため証拠を残しておきましょう。

送り主の名前や住所、商品ラベル、伝票番号、商品本体などを撮影しておきましょう。

これらの情報は、後からトラブルになった場合や、専門機関に相談する場合、また代金を支払ってしまった場合の取り戻しのために役に立ちます。

処分前の写真は、家庭内のLINEグループやGoogleフォトなどに保存しておくと、家族間で共有も可能です。

高齢で判断能力が衰えている家族がいる場合には成年後見の利用を検討

高齢で判断能力が衰えている家族がいる場合には、成年後見制度の利用を検討しましょう。

高齢で判断能力が衰えていると、送り付け商法への適切な対応のみならず、訪問販売で必要のない契約をさせられるなど、さまざまな消費者被害に繋がりやすいです。

そのため、成年後見制度を利用して、重要な契約については単独でできないようにして、家族が本人に代わって契約できるようにしておくことが望ましいです。

お金を支払ってしまった場合には弁護士に相談を

もし送り付け商法によって商品を受け取り、支払いをしてしまった場合でも、「もう取り戻せない」と諦める必要はありません。

特定商取引法や民法上の不当利得返還請求、詐欺被害としての損害賠償請求など、法律に基づいて返金を求められる可能性があります。

とはいえ、相手は悪質な業者であることが多く、個人で対応するのは難しいでしょう。

そのため、速やかに弁護士に相談することをおすすめします。

まとめ|送り付け商法の被害に遭った場合には弁護士に相談してください

本記事では送り付け商法について解説しました。

購入した覚えのない商品が突然自宅に送られ、難癖をつけて支払いを求めてくる販売手法である送り付け商法は、令和3年(2021年)の特定商取引法改正で、送ってきたものを保管すらせずに処分できます。

もっとも、この改正後も同様の手段による被害が続いていることから、トラブルを避けられるきちんとした対応方法を知っておくべきです。

大地総合法律事務所は、消費者被害や詐欺被害など悪質な業者への対応に特化した事務所です。

相談は無料ですので、送り付け商法に遭ってしまってご不安な方は、弊所までご相談ください。

送り付け商法(ネガティブ・オプション)が急増中!手口と被害に遭った場合の対応方法について解説
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