見覚えのない荷物が届き、代引きで支払ってしまったあとに「これって詐欺なのかも?」と不安に駆られたことはありませんか?
いわゆる「代引き詐欺」は全国的にも急増していて、被害者の多くが「泣き寝入りしかない」と諦めてしまうことが多くなっています。
実は代引き詐欺で払ってしまったお金は、法的制度などを正しく活用することで取り戻せるケースが少なくありません。
本記事では、代引き詐欺でお金を払ってしまったという状況に直面した方に向けて、今すぐできる具体的な対処法を詳しく解説します。
もう泣き寝入りは不要です。
何をすればよいかを明確にして、不安な気持ちから抜け出しましょう。
代引き詐欺でお金を払ってしまっても返金される?希望がある理由とは

やっぱり返金は無理なんですか?
しかし、すぐに対応すれば返金の可能性が残っています。
希望が持てるケースを紹介しましょう。
代引き詐欺に遭ってしまっても、すぐに諦める必要はありません。
実際に、法律や支払い方法で返金される可能性があります。
ここでは、代引き詐欺でお金を払ってしまっても返金される希望がある理由を3つ解説します。
送り付け商法には返還義務がないと法律で認められているから
代引き詐欺の多くは「送り付け商法」と呼ばれる手口にあたります。
これは注文していない商品が一方的に送りつけられるというものです。
このようなケースでは法律上「契約が成立していない」とされるため、支払い義務も返還義務も発生しません。
参考:e-Gov 法令検索「特定商取引に関する法律(第59条)」
もしあなたがお金を払ってしまっていても、「不当利得返還請求(民法703条)」や「詐欺による契約取消し(民法96条)」などを根拠に、返金を求められます。
参考:e-Gov 法令検索「民法(96条・703条)」
たとえ代金を支払ってしまっていても、返金を求めることは可能です。
泣き寝入りせず、法律で解決しましょう。
支払い方法によっては返金制度が用意されているから
代引き詐欺で支払いを済ませてしまった場合でも、利用した支払い手段によっては返金の可能性があります。
例えば、クレジットカード決済であれば「チャージバック制度」を利用できるケースがあります。
これは加盟店と購入者の間でトラブルがあった際に、カード会社が返金処理を行う仕組みです。
商品の未着や虚偽説明など詐欺があった場合、カード会社の審査が通ることで認められることがあります。
後払い決済サービス(PaidyやNP後払いなど)を使っていた場合も、事業者によっては未払いの請求をキャンセルできることがあります。
ただし、どちらのケースも必ず返金されるわけではありません。
カード会社や決済事業者の判断によるため、なるべく早く相談するようにしましょう。
カード会社や決済事業者へ早めに相談してください。
消費生活センターや警察への相談で返金につながる可能性があるから
消費生活センターや警察などの公的機関に相談することで、返金につながる可能性もあります。
最近では、消費者庁や国民生活センターがWebサイトや電話相談で個別のアドバイスを提供しています。
参考:消費者庁「申出・問合せ窓口」
参考:国民生活センター「全国の消費生活センター等」
ただし、この場合も100%返金が保証されるわけではなく、個別の事情や業者の対応により結果が異なります。

代引き詐欺でお金を払ってしまった|状況別の対応まとめ


状況によって対応も変えていったほうがいいんですか?
ただ、どのケースでも共通して大事なのは、証拠を残して冷静に対応することです。
代引き詐欺の被害に遭った場合、焦って相手業者や配送会社にすぐ連絡してしまう方も多いですが、まずは落ち着いて「証拠の確保」から始めましょう。
そのうえで、支払った場所(郵便局・佐川急便・ヤマト運輸・Amazonなど)ごとに適切な手続きを選んでください。
ここからは、代引き詐欺でお金を払ってしまった場合の対応を詳細に解説していきます。
【共通】まずは証拠を確保する
代引き詐欺の被害に遭ってしまった場合に最優先ですべきことは、証拠の確保です。
相手に連絡する前や荷物を開封する前に、冷静に以下の対応を取るようにしましょう。
- 荷物はなるべく開封せず、そのまま保管しておく
- 送り状(伝票)や領収証、荷物に貼付されたステッカーやラベルなどもすべて保存しておく
- 荷物が届いた日時や、対応した配送業者の名前、会話内容がわかるメモなども整理しておく
開封してしまうと商品の状態が変わったと見なされ、トラブル解決時に不利になる可能性があります。
中身が気になる場合でも、写真や動画などで記録を残してからにしてください。
公的機関や弁護士に相談する際、スムーズに対応が進められます。
詐欺被害の返金請求を進める際、証拠の有無で対応の幅が大きく変わります。
送られてきた荷物などは捨てずに保管しておきましょう。
郵便局で払ってしまった場合の対応
一度商品を受け取って支払いを済ませてしまった場合、郵便局側では返品・返金には応じられないと公式に明記してあります。
参考:日本郵便「代金引換で受領印を押して、代金を支払い、荷物を確認したら詐欺だった。返金してもらえますか?」
そのため万が一受け取ってしまった場合は、受取人が差出人に連絡することになります。

受け取る前に「差出人名」「品名」「引換金額」の3つを確認し、注文していない品物が届いた場合は受取拒否するようにしましょう。
佐川急便・ヤマト運輸で払ってしまった場合の対応
佐川急便の配送で荷物を受けとってお金を払ってしまった場合は、佐川急便の担当事務所に連絡するようにしてください。
参考:SGシステム「よくあるご質問 : e-コレクト」
一方でヤマト運輸では同様のケースが起きた場合、返品・返金はできないと公式に明記してあります。
参考:ヤマト運輸「宅急便コレクト」
そのため万が一受け取ってしまった場合は、受取人が依頼主に連絡することになります。

被害に気付いた時点でできるだけ早く弁護士や消費者センターなどに相談しましょう。
Amazonで払ってしまった場合の対応
代引き詐欺のなかにはAmazonを装った偽サイトからの荷物が届き、代金引換で支払いをしてしまうケースが増えています。
このような場合Amazon自体は詐欺の加害者ではなく、配送や請求に関与していないことがほとんどです。
そのため、Amazonに問い合わせても返金などの対応は受けられない可能性が高いでしょう。
また、Amazonは2024年6月をもって代金引換(代引き)での支払い方法を廃止しています。
参考:Amazon「[重要] 代金引換に関するお知らせ」
よって、Amazonから代引きで商品が届いた時点で詐欺を疑ってください。
商品に同封されている送り状や送り元の情報をもとに、詐欺の出元を特定するための証拠を保管し、消費生活センターや弁護士などの専門機関に相談しましょう。

代引きで商品が届いた時点で「Amazonを装った詐欺」の可能性が高いです。
証拠を保管して、公的機関や弁護士に相談しましょう。
泣き寝入り不要!代引き詐欺に遭った場合は弁護士に相談するのがおすすめ

しかし、まだ諦めないでください。法的な手段や専門家のサポートを使えば、返金や損害賠償請求ができる可能性もあります。
詐欺被害に遭ってしまったとき、1人で悩んで抱え込むのは危険です。
特に代引き詐欺は、「受け取ったからにはお金を払わなければならない」と思い込みがちですが、実は法的に対処できるケースもあります。
ここでは、代引き詐欺に遭った場合、弁護士に相談するのがおすすめな理由を紹介します。
詐欺案件に強い弁護士であれば対処法のアドバイスをもらえる
詐欺被害に遭った場合、自力での対応には限界があります。
相手が詐欺業者だった場合、連絡が取れなかったり返金を求めても無視されたりすることが珍しくありません。
しかし詐欺案件に強い弁護士であれば、被害状況を正確に整理して以下のような対応方針を法的立場からアドバイスできます。
- どの法律が使えるか
- どこに相談すべきか
- 返金の可能性はあるのか
- 損害賠償請求が可能なのか
証拠の整理方法や記録の残し方などの初動アドバイスをもらうだけでも、今後の対応を大きく変えられるでしょう。
早めに弁護士に相談することで、感情的にならずに冷静かつ的確に対処できるようになります。
法的手段で返金または損害賠償請求できる可能性がある
代引き詐欺に遭ってお金を払ってしまった場合でも、法的手段で返金や損害賠償請求ができる可能性があります。
注文していない商品を代引きで送りつけられ、代金を支払ってしまったケースでは、売買契約自体が成立していないため、支払ったお金を「本来支払う必要のないお金」として返還請求できます。
参考:e-Gov 法令検索「民法(第703条)」
また、偽物が届いたなど、詐欺的な行為によって損害を受けた場合には、不法行為に基づく損害賠償請求を行える可能性もあります。
参考:e-Gov 法令検索「民法(第709条)」
ただし返金や損害賠償を実現するには法的要件を満たす必要があるため、弁護士に相談して法的に判断してもらうのがおすすめです。
まずは法律上どんな主張が可能か、弁護士に相談してみてください。
詐欺業者がわかれば代わりに交渉してもらえる
弁護士に依頼すれば、詐欺業者が特定できた場合に代理人として直接交渉してもらうことも可能です。
被害者本人が業者とやり取りをすることは精神的な負担も大きく、冷静な対応が難しい場合もあります。
その点弁護士であれば法的根拠に基づいて、以下のような手続きを進めてくれます。
- 返金請求
- 内容証明の送付
- 訴訟提起の判断
交渉に応じない業者であっても、弁護士名での通知や法的措置を見せることで態度を変えることも少なくありません。
弁護士に代理人として依頼することで、安心して対応を任せられます。
代引き詐欺でお金を払ってしまった場合に関するよくある質問

被害に遭った人のなかには、「これって詐欺なの?」「どう対応すればいいの?」と不安でいっぱいの方も多いと思います。
よくある質問にはどんなものがありますか?
代引き詐欺でお金を払ってしまった場合に関するよくある質問と、その回答をまとめました。
頼んだ覚えがない商品が届いたら受け取り拒否してもいいですか?
頼んだ覚えがない商品が届いた場合、その場で受け取り拒否してもまったく問題ありません。
実際、消費者庁も下記のように明記しています。
「注文や契約をしていないにもかかわらず、金銭を得ようとして一方的に送り付けられた商品については、消費者は直ちに処分することができます」
注文していない商品であれば遠慮なく受け取りを拒否し、支払いや返送の義務もないことを理解しておきましょう。
注文していない商品は、法的にも返送や支払いの義務はありません。
焦って受け取らず、まずは落ち着いて対応するようにしましょう。
代引き詐欺で届いた商品の送り主や会社名はどうすれば特定できますか?
送り状(伝票)や荷物の外装に記載された情報から、販売業者や発送元を確認できる場合があります。
代引き詐欺で届いた商品の段ボールや伝票に記載された、以下の情報を確認してみてください。
- 発送元の氏名
- 住所
- 販売会社名
- 電話番号配送業者名(ヤマト・佐川・日本郵便など)
- 問い合わせ番号
- 追跡番号
これらの情報をもとにインターネットで会社情報を調べたり、配送業者に問い合わせたりして確認しましょう。
ただし詐欺業者は架空の会社名や偽の連絡先を使っていることも多いため、個人での追跡には限界があります。
情報が不明瞭な場合でも、弁護士などに相談すれば特定に役立つ可能性もあります。
代引き詐欺に遭って困っている方は大地総合法律事務所にご相談ください

代引き詐欺でお金を払ってしまった場合でも、法的手段や支払い方法の仕組みによって返金される可能性があります。
「身に覚えのない商品を受け取ってしまった」
「代引きで支払ってしまったけど返金されるのか不安」
このようなときは1人で悩まず、弁護士に相談してできる限り早期に解決しましょう。
大地総合法律事務所では、詐欺被害をはじめとしたトラブル解決に注力しています。
事前に弁護士と直接話せる機会を用意していますので、安心してご相談ください。
初回相談は無料です。
詐欺被害のことでお悩みの方も、お気軽にお問い合わせください。