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事件から学ぶ!詐欺被害の実態と返金事例~悪質副業詐欺被害編~

弊所ではさまざまな消費者被害のご相談・ご依頼をいただいております。
その中でも2021年頃より相談件数が増加している副業詐欺被害について、事例を紹介いたします。
ひとくちに「副業詐欺」といっても様々な手口があります。
例えば「絶対に稼げるFX取引の自動運用ツール」「AIが搭載されたシステムで、勝率97%のバイナリー取引の運用ツール」など、投資関連の副業で稼げると謳う手口もあれば、「ブログ記事で簡単集客」などと、アフィリエイト広告での収益獲得手法を指南するというような手口もあります。
いずれもすべての共通点は「誰でも」「簡単」「隙間時間で」「スマホ一台で稼げる」などのキーワードです。
今回は、今話題の「インフルエンサー」「インスタグラマー」といわれる職業のように、動画投稿だけで簡単に収益が得られると謳った、副業詐欺の被害事例です。

~Kさんのケース~

  • 性別     女性
  • 年代     60代
  • 被害発生時期 2021年9月頃
  • 被害内容   悪質副業詐欺被害
  • 被害額    507,000円
  • 返金額    500,000円

1.被害概要

定年退職を迎えたKさんは、自宅で簡単にできる内職や副業がないか?と検索していたところ、1本のYoutube広告を見つけました。
そこでは「誰でも簡単に稼げる副業を紹介!」「あなたの撮った写真がすぐにお金になります!」などと謳われていました。
普段から写真を撮ることが趣味だったKさんは「これなら私にもできる」などと信じて、早速Youtube広告からリンクで飛んだホームページ内で申込を行いました。
申込後は、まず販売業者の公式LINEアカウントを友だち追加するように、との指示にしたがって登録を行いました。その後さらに、どのような方法で儲けられるのか、具体的にどのような作業をするのかといった指導を受けるためとして、「公式ガイドブック」とよばれるマニュアルの購入を促されたため、Kさんはこれも指示どおり購入しました。
マニュアルの購入後は、今度は「弊社のプロのアドバイザーがしっかりと始め方などをレクチャーさせていただいております」などと、販売業者の営業担当者から直接説明を受ける必要があると連絡があり、また指示どおりに説明を受ける日時の予約を行いました。
Kさんはマニュアルを購入しさえすればすぐに「写真販売の副業が始められる」と考えていましたが、実際には、販売業者からさらにその先の有料プランを購入しなければ、次のステップに進めないようになっていました。プランごとの具体的な購入金額や見込み収益などは、マニュアルに記載されていたようです。
定年退職したばかりのKさんは、なるべくお金をかけずに所得を増やしたいと考えていましたが、販売業者の営業担当者から説明を受けた際に、「このプランを契約してもらえれば確実に稼げる」「ダメだった場合も全額返金保証がある」などと強引に迫られたため、その言葉を信じて、最終的には高額な有料プランの契約締結に至りました。
その後、Kさんは、販売業者から指示を受けながら、実際に「TOPBAZZ:トップバズ」というサービスのアプリをインストールし、そこへ画像や動画の投稿を繰り返し行いました。
しかし、Kさんが1ヵ月間投稿を繰り返すも、販売業者が謳うような高収益を稼ぎ出すことができなかったため、営業担当者へ連絡をしたところ、「すでにサポート期間は満了している」「Kさんはすべてのサポートを受け終わっているため、返金保証の対象外」などと言われ、「騙された」と気が付いたKさんは、弊所への相談を行いました。

2.交渉結果

返金請求額の9.8割強の返金

3.コメント

Kさんの事例については、被害発覚までが比較的短期間であり、販売業者や決済を代行する業者などともきちんと連絡がつき、十分な交渉が可能な状態でした。
そのため、こういった悪質業者との交渉では中々ないことではありますが、請求のほぼ満額に近い金額の返金に成功しました。

本件の事例のように、「誰でも」「簡単」「隙間時間で」「スマホ一台で稼げる」などと謳う悪質な業者に、実際には役に立たない高額な副業マニュアルや商材を売りつけられるといった被害事例は数多くあります。
このようなキーワードがちりばめられた副業商材を見かけた際には、まずは「怪しい」と疑ってかかっていただいて間違いはないでしょう。

また、販売業者が、購入者から「稼げない」などの苦情・クレームがあった際に、本来であれば購入代金全額の返金請求が可能であるにもかかわらず、「購入代金の一部をキャッシュバックする」「契約代金の支払いを一部免除する」など、購入者にとって不利な条件をつけていち早く合意書(または和解書)を交わしてしまうという手口が横行しています。
一度そういった合意書を交わしてしまうと、合意書に記載されてある清算条項(お互いに合意書に記載がある以外には金銭の請求などを行わないという取り決めで、合意書作成の際には必ずといっていいほど入っている項目です)が、本来可能であったはずの返金請求を妨げてしまう場合もありますので要注意です。

最近では、コロナ禍における先行きの不安や経済的不安につけ込む手口が相当数増えており、弊所への相談数もそれに伴って非常に増えております。
そのような被害に遭わないよう、このコラムを見ていただいた読者の皆様には充分にご注意いただきたいと思います。

最後に少しでも「怪しい」と感じるような副業に手を出してしまった方、「多額の契約代金を支払いしている」「誰にも相談ができない」という方も、これ以上の詐欺被害の防止と被害回復のためにも、以下のリンクからお気軽にご相談ください。

悪質副業詐欺に関する典型的な被害事例などについては、こちらのページもご参照ください。

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