弊所ではさまざまな消費者被害のご相談・ご依頼をいただいております。
今回は、その中で最も相談件数が多い悪質サイト被害について、事例をご紹介いたします。
~Aさんのケース~
- 性別 女性
- 年代 60代
- 被害発生時期 2019年6月~2021年5月頃にかけて
- 被害内容 悪質サイト被害
- 返金請求額 231,000円
- 返金額 200,000円
1.被害概要
間違いメールを受信したことからすべてが始まりました。
Aさんが、“送り先を間違っていますよ”という旨の返信をしたところ、サクラからメールが来るようになり、やりとりを続けるうちに相談相手になってほしいと言われるようになりました。
その後、“父親にスマホを取り上げられたからここでやりとりしたい”という内容のメールが届き、Aさんは被害サイトへ誘導されています。
被害サイトでは、サイト内でメッセージのやりとりができるようになっていましたが、送受信に料金が発生する仕組みでした。
Aさんは、やりとりを続けるためにコンビニでプリペイドチケットを購入するようサクラから指示されていましたが、ある時サクラの兄を名乗る人物が登場し、やりとりに発生した料金を援助すると告げられました。
その後、兄の部下で経理担当者を名乗る人物より“1,000万円の用意ができたからAさんへ送金したい”というメッセージがAさんのもとに届きました。
しかし、Aさんがそれを受け取るためには、手続きとしてセキュリティ解除のためのパスワードやコード等の入力が必要になると指示され、また、これらの手続きはいずれも課金を伴うものでした。
Aさんは、1,000万円を受け取れると信じ、指示通りに何度も課金と手続きを行いましたが、1,000万円どころか一切の金員を受け取ることができませんでした。
2.交渉結果
返金請求額の9割を返金
3.コメント
この悪質サイトの運営会社は海外に拠点を置いていました。
そのため、運営会社と直接連絡を取るということが難しく、決済の流れを辿って収納代行会社と交渉を重ね、事件解決へと導きました。
決済を行ってから時間が経ちすぎているものや、決済の証拠となるプリペイドチケットが無いものに関しては、そもそも返金請求の対象に含めることができない場合があります。
本件も、もともとの被害総額は600万円程にのぼっていましたが、悔しいことに上記理由から大部分を返金請求額に含めることができませんでした。
しかし、プリペイドチケットの原本が無くとも、お持ちの決済証拠や資料次第では、返金請求が可能なケースもございます。
本事例から、被害に遭ったかも?と感じる方がいましたら、手遅れになる前にまずはご相談ください。
悪質サイトに関する典型的な被害事例等についてはこちらのページもご参照ください。