「屋根が壊れていると訪問業者に言われたけど、これってリフォーム詐欺では?」
「リフォームを検討しているけど、詐欺に遭わないためにはどうすればいい?」
住まいの修理や改築に欠かせない「リフォーム」ですが、全国的に詐欺行為が蔓延していることをご存じでしょうか。
訪問販売による強引な契約や架空工事の発注、契約後の高額請求などが発生しており、警視庁も注意喚起を行っています。
参考:警視庁 点検商法
本記事ではリフォーム詐欺についてよくある手口や、被害時の対処法を詳しく解説します。
リフォーム詐欺に遭わないためにも、ぜひご一読ください。
リフォーム詐欺とは?よくある手口を詳しく解説
手口には特徴があるので、ぜひ知っておいてほしいですね。
リフォーム詐欺は住まいの修理や改築時を狙って行われる詐欺です。
自然災害で傷んだ住まいを狙う手口もあるため、しっかりと注意し詐欺に遭わないように備えることが大切です。
そこで、この章ではリフォーム詐欺のよくある手口を詳しく紹介します。
1.無料点検で近付き修理・応急処置を促す
「無料で屋根や外壁を点検します」と突然訪問してくるリフォーム業者がいます。
このような業者は、点検と称して家に上がり込み、不安を煽って高額な修理や不要な応急処置を契約させようとします。
「今すぐ修理しないと大変なことになる」「応急処置だけでも」などと、その場で契約を迫るのも典型的なリフォーム詐欺の手口です。
焦って契約してしまうと、法外な費用を請求されたり、ずさんな工事をされたりする可能性があります。

なかには壊れていない箇所をわざと壊して修理を迫ってくることもあるためご注意ください。
2.格安工事を提案し、施工後に高額費用を請求する
他社よりも非常に安い価格で工事を提案してくる手法も、典型的なリフォーム詐欺の手口です。
契約後や工事中に、「追加費用が必要になった」「当初の見積もりには含まれていなかった」などと理由をつけて、当初の金額を大幅に上回る費用を請求します。
格安という言葉に惑わされず、見積もりの内訳を細かく確認することが重要です。
3.火災保険や補助金を不正請求させる
「お客様の家の場合は、火災保険が適用されるのでリフォーム費用は実質無料です」「今なら国の補助金が使えます」などの嘘の説明をして、工事を勧誘する手口もあります。
実際には保険金や補助金は支払われなかったり、不正な手段で保険金を請求させられたりするリスクがあります。
補助金についても、「複雑な申請手続きを代行する」と言って高額な手数料を請求するケースもあります。

十分にご注意ください。
4.架空工事を発注し、水増し請求する
実際には行わない工事を契約させる悪質な業者も存在します。
工事の品質が低かったり、契約内容と異なる材料を使用したりするだけでなく、工事を行っていないにもかかわらず、代金を請求するケースもあります。
工事の進捗状況をこまめに確認し、疑問があればすぐに業者に確認することが大切です。
5.契約するまで帰らない
一度家に上げてしまうと、長時間にわたって居座り続けたり、脅迫的な言動をとったりして、消費者が根負けするまで契約を迫るリフォーム業者もいます。
また、世間話を聞いてあげるフリをして近寄ってくる悪徳業者も少なくありません。
このような強引な勧誘は高齢者がターゲットとなりやすいため、高齢者世帯・独居老人の世帯は特に注意が必要です。
リフォームの悪徳業者の特徴とは?
リフォーム業者によるトラブルが後を絶ちません。
特に高齢者世帯は、悪徳業者のターゲットにされやすく、強引な勧誘や手口によって不当な契約を結んでしまうケースが多発しています。
大切な住まいと財産を守るために、この章ではリフォームの悪徳業者の特徴を紹介します。

飛び込み営業
「近所で工事をしているものです」「無料で屋根の点検をしています」などと、事前に連絡もなく突然訪問してくる業者には注意が必要です。
親切そうな態度で訪問してきますが、その裏には高額な契約を狙う意図が隠されている可能性があります。

その場で契約することは控え、ご家族にも相談しましょう。
修理・契約を急かす
点検後、「すぐに修理しないと雨漏りしますよ」「今なら特別価格で工事できます」などと、不安を煽り、考える時間を与えようとしないのも、悪徳業者の特徴です。
工事内容や費用について曖昧な説明しかせず、詳細が記載されていない契約書を提示してくることもあります。
雨漏りなどのトラブルで不安を煽られた場合でも、別の業者の見積もりも依頼するなどの方法で、すぐに契約しないように注意してください。
高齢者世帯を狙う
悪徳業者は、高齢者世帯を狙う傾向があります。
孤独や不安につけ込み、「あなたの家のことを心配している」といった言葉で安心させ、高額な契約を結ばせようとするのです。
また、一度契親しくしてしまうと、断りにくいと感じる高齢者の心理を悪用することがあります。
掃除などを手伝い、親しくなってから契約させる手法もあるため注意が必要です。

消費者センターに報告されている事例
さまざまな消費者トラブルの相談を受付している消費者センターは、リフォーム詐欺の被害も多数確認しています。
では、消費者センターに寄せられているリフォーム詐欺の悩みとはどのようなものでしょうか。
- 突然来訪したリフォーム業者と高額な屋根工事の契約をした。しかし、知り合いに確認してもらったところ、作業が杜撰だとわかった。
- 近所でビルの工事をしているという業者が来訪し、「屋根の工事が必要」と言われ契約をした。近所にそのようなビルはなく、不審だ。
- 住んでいるマンションで工事を行うという業者が来訪し、「今なら安くなる」と言われてリフォーム工事を契約をしてしまった。
もしも違和感を覚えるような業者の行動があったら、詐欺の可能性があります。詐欺被害に遭わないように契約しないようにしましょう。
参考:独立行政法人国民生活センター 訪問販売によるリフォーム工事・点検商法
リフォーム詐欺に遭ってしまったら?被害時の対処法
悪質なリフォーム業者に騙されてしまった場合、泣き寝入りせずに適切な対応を取ることが重要です。
放置しておくと被害が拡大したり、泣き寝入りせざるを得なくなったりする可能性があります。
そこで、この章ではリフォーム詐欺に遭ってしまった際に取るべき具体的な対処法を解説します。

住まいるダイヤルに相談する
国土交通省が運営する住宅に関する相談窓口「住まいるダイヤル」へ相談してみましょう。
住まいるダイヤルでは、弁護士や建築士などの専門家による無料の対面相談制度も紹介しています。
リフォームに関する専門的なアドバイスや、適切な相談窓口の案内を受けることが可能です。
■住まいるダイヤル
電話 03-3556-5147 受付:午前10時~午後17時(土・日・祝日・年末年始除く) ※固定電話からなら通話料無料 |
詳しくは以下リンクをご確認ください。
参考:国土交通省 無料専門家相談制度(弁護士や建築士との無料対面相談)
警察へ相談する
悪質な詐欺行為に遭った場合は、迷わず警察に相談しましょう。
特に、脅迫的な言動があったり、明らかな犯罪行為が疑われる場合は、すぐに被害届を提出しましょう。
証拠となる契約書類や記録を持参して相談することで、スムーズに対応してもらえる可能性が高まります。
警察に連絡する際は警察相談専用電話「#9110」や110番、または最寄りの警察署に相談しましょう。

消費者センターへ相談する
リフォーム詐欺は消費者問題を専門に扱う機関「消費生活センター」への相談もおすすめです。
リフォームに関する契約トラブルや悪質商法に関するアドバイス、解決に向けた情報提供などを受けることができます。
契約内容や解約、返金請求などについて相談してみましょう。

弁護士へ相談する
リフォーム詐欺に遭った場合、弁護士への相談もおすすめです。
法的な専門知識と経験に基づいた適切なアドバイスとサポートが受けられます。
悪徳業者との交渉、法的手続きの代行など、複雑で専門的な対応を安心してまかせることが可能です。
契約後に不安が発生!リフォームはクーリング・オフできる?
そこで、クーリング・オフを知っておくことがおすすめですよ。
リフォームを巡るトラブルは後を絶ちません。
特に、強引な勧誘や不当な契約を結ばされた場合、「クーリング・オフ」という制度が守ってくれる可能性があります。
ここでは、クーリング・オフの概要と、リフォーム詐欺に遭ってしまった際の弁護士への相談の重要性について解説します。
クーリング・オフとは
クーリング・オフとは、一定期間内であれば無条件で契約を撤回したり、解除したりできる制度です。
これは、消費者が強引な勧誘を受けたり、十分な情報がないまま契約してしまったりした場合に、冷静に考え直す機会を与えるためのものです。
2022年6月1日以降は、書面による通知だけではなく、電磁的記録(メールなど)でもクーリング・オフの通知が可能になりました。
通信販売や自ら営業所に足を運んで契約した場合など、対象外となるケースもあるためもあるため注意が必要です。
クーリング・オフのしくみについては詳しくはこちらから▼
要件を満たせばクーリング・オフできる
リフォーム工事を含む訪問販売は、特定商取引法の適用を受けるため、一定の要件を満たせばクーリング・オフが可能です。
- 特定商取引法9条1項(訪問販売): 事業者が消費者の自宅などを訪問して契約した場合、消費者は書面を受け取った日から8日間以内であれば、無条件で契約を解除できます。
- 特定商取引法24条1項(電話勧誘販売): 事業者から電話で勧誘を受け、その後契約した場合も、訪問販売と同様に書面を受け取った日から8日間以内であれば、クーリング・オフが可能です。
クーリング・オフの期間は、申込書面または契約書面のいずれか早いほうを受け取った日から起算します。
クーリング・オフのやり方について詳しくはこちらから▼
動画での説明はこちら▽ 佐久間先生 では前回に引き続き、クーリング・オフを学んでいきましょう。 事務局さん よろしくお願いいたします! [目[…]
クーリング・オフは弁護士への相談もおすすめ
「クーリング・オフできるかどうかわからない」「業者にクーリング・オフを拒否された」といった場合には、迷わず弁護士に相談することをおすすめします。
上記記載のとおり、クーリング・オフが適用できる期間は8日間以内と短いためです。
また、クーリング・オフが使えない場合でも、弁護士なら契約取消を求める交渉なども対応が可能です。
例として、消費者契約法に基づく契約取消や、ADR(※)の活用など、さまざまな解決方法を提案できます。
(※)ADRとは:訴訟によらずに、第三者の関与のもとで紛争の解決を目指す手続きの総称です。日本語では「裁判外紛争解決手続」と呼ばれます。
あやしいリフォーム業者には注意!詐欺被害は弁護士へご相談ください
本記事では、リフォーム詐欺についてよくある手法や被害時の対象法を詳しく解説しました。
リフォーム詐欺にはさまざまな手法があり、ときには強引な口調で契約を迫ることがあります。
甘い言葉や強引な勧誘には十分注意し、少しでも不審に感じたらすぐに契約しないことが重要です。
もしも詐欺に遭ってしまったら、クーリング・オフなどの解決方法も検討できるため、まずは早急に弁護士へご相談ください。