副業を探していると、「購入代行」「代理購入」などの単語が目に入ることがあります。
一見すると「指定された商品を購入し、依頼主のもとに送るだけで報酬がもらえる簡単な仕事」に見えますが、実は詐欺や犯罪に巻き込まれるリスクがあるので注意しましょう。
SNSや副業サイトで「スマホ1台でOK」「高収入」「ノルマなし」といった甘い言葉で勧誘されることも多く、老若男女問わず被害に遭う可能性があります。
本記事では、購入代行の危険性や、万が一詐欺に遭ってしまった場合の対処法を解説します。
購入代行に関する詐欺に遭ってしまった方や、購入代行の危険性を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
購入代行(代理購入)とは?犯罪になる?

購入代行のすべてが詐欺なのでしょうか?
購入代行(代理購入)とは、他人の代わりに商品を購入し、それを相手に渡すことで報酬をもらう仕組みのことです。
購入した商品を相手に渡すと商品代と報酬を受け取れるので、誰でも簡単にできそうな副業に見えますが、内容によっては犯罪に巻き込まれる危険性があります。
購入代行詐欺によくある手口

購入代行詐欺によくある手口を紹介するので詳しくみていきましょう。
オークションやフリマアプリでの購入代行
購入代行詐欺でよくある手口の1つが、オークションサイトやフリマアプリを使った購入代行です。
フリマアプリで指定された商品を自分のアカウントやクレジットカードで購入し、依頼者に商品を発送すると、購入代金と報酬をセットでもらえる仕組みになっています。
しかし、実際には報酬どころか立て替えた購入代金まで全く返ってこない被害が多発しており、代理購入者が損失を負うことになります。
自分のアカウントや名前での購入履歴が悪用され、トラブルに巻き込まれる可能性も少なくありません。

海外からの商品輸入代行
海外からの「商品輸入代行」も、詐欺やトラブルが起きやすい購入代行の1つです。
特に近年は、SNSや副業サイトなどで「副業感覚でできる」「簡単に報酬がもらえる」などと謳い、海外商品を購入・転送させる依頼が増えています。
「海外でしか買えない商品がある」「あなたの名前で購入してほしい」と依頼されたときは十分な警戒をしましょう。

副業としての購入代行
「指定の商品を購入して、あなたの住所で受け取ってほしい」と依頼され、手数料や報酬をもらう副業が増えています。
海外の通販サイトでしか手に入らない商品を日本の住所へ送る「輸入代行」や、フリマアプリやオークションサイトでの「落札代行」も、副業詐欺の一環として行われることも。
代金を先に支払った後で相手が音信不通になる詐欺や、自分の個人情報や銀行口座情報を抜き取るための詐欺に遭うことも少なくありません。

商品価格の法外な吊り上げ
「10回分商品を買ってくれたら報酬を支払う」と言われたものの、途中から商品価格を法外に吊り上げてくるなど、悪質な詐欺も横行しています。
他にも、本来の価格に加えて購入代行業者が不当に高い代行手数料を上乗せするなど、不審な値動きになることも多いです。
報酬以上の購入価格が設定された場合、損失ばかり大きくなって実際に利益を得ることはできません。

責任のなすりつけによる金銭の請求
「購入方法が違う」「届いた商品が壊れていた」と言われ、損害賠償の名目で金銭を請求されることがあります。
損害賠償だけでなく追加料金を請求されたり、「保険に入っておく」という名目で高額な保険料を求められたりすることもあるので注意しましょう。
偽造品や不良品を渡され、責任まで押しつけられてしまうなど、被害者が一方的に損失を被る詐欺もあります。

購入代行が危ないと言われる理由


購入代行が危ないと言われる理由を紹介するので詳しくみていきましょう。
代金を支払っても商品が届かない恐れがあるから
指示されたとおりに商品を購入したのに、商品が届かないまま出品者とも依頼者とも連絡が取れなくなるパターンです。
購入代行を謳っている業者のなかには、実際には商品を仕入れることなく、顧客からお金だけを受け取って音信不通になる詐欺業者が存在します。
代金を支払ったにもかかわらず、最終的に商品が届かず、返金もされないので注意しましょう。

商品の破損などを自分の責任にされる恐れがあるから
商品が配送途中で破損した場合や不良品であった場合、依頼者も出品者も責任を取らず、購入を代行した人の責任にされる恐れがあります。
修理費や再購入費用を全額自己負担しなくてはならず、損失ばかりが膨らんでしまいます。
依頼者と出品者が最初からグルになって不良品を送りつけてくることもあり、悪質な場合では商品の交換・返金もできません。

自分のクレジットカード情報が悪用される恐れがあるから
依頼者と出品者が手を組んでいる場合、ネットショッピングサイトに登録したクレジットカード情報が悪用される恐れがあります。
そもそもの目的がクレジットカードや個人情報の取得にあるケースも多く、情報が漏洩したり、悪意のある第三者に渡ってしまったりすることも少なくありません。
不正に高額な買い物がされたり、詐欺の電話が相次いだり、深刻な二次被害が生じることも多くなります。

知らないうちに自分も犯罪に加担する恐れがあるから
購入代行業者を利用することで、知らず知らずのうちに自分も犯罪に加担するリスクが生じる可能性があります。
特に、違法な商品を転売したり不正な手段で商品を仕入れたりする購入代行の場合、関与した自分まで法的責任を問われることも考えられます。
購入を指示された商品が盗品だったり、武器や覚せい剤が仕込まれていたりする「ブラックバイト」とも関連性が高いです。

購入代行詐欺に遭ったときの対処法
1人で抱えて時間ばかり経っていくのが一番危険です。
購入代行詐欺に遭ったときの対処法を紹介するので詳しくみていきましょう。
弁護士に相談して被害回復を図る
購入代行詐欺に遭ってしまった場合、速やかに弁護士に相談することが被害回復への第一歩となります。
被害内容に応じて、加害者に対する損害賠償請求や返金交渉、警察への被害届の提出など、法的に取れる手段をアドバイス・サポートしてもらえるのでぜひ相談してみましょう。
弁護士は、取引の経緯や証拠を整理し、相手方に対して内容証明郵便での請求や民事訴訟の提起ができることもポイントです。
加害者が特定できないケースでも、警察や消費者庁と連携しながら被害届の提出を進めるなど、専門家ならではの対応力が期待できます。
また「この場合は詐欺被害を回復できるか?」「購入代行詐欺で負った借金はどうすればいい?」など相談内容に限定がないのもメリット。
警察・消費者センターに相談する
購入代行詐欺の被害に遭ったと気付いたら、速やかに警察や消費者センターに相談しましょう。
警察に被害届を出すことで、詐欺事件としての捜査が行われる可能性があります。
加害者の特定や逮捕につながることもあり、被害回復への道が開けるかもしれません。
また、消費者センターでは専門の相談員が対応してくれ、今後どう動くべきかアドバイスをもらえます。
類似の被害情報が集まっていれば、行政として注意喚起や対応策が取られるケースもあります。
銀行やカード会社に連絡して二次被害を防ぐ
購入代行詐欺に遭った可能性がある場合は、すぐに銀行やクレジットカード会社に連絡しましょう。
クレジットカード情報を渡してしまった場合は、カード会社に不正利用の可能性を伝え、利用停止や再発行の手続きを進めます。
口座が別の詐欺に使われる可能性も検討し、口座の凍結や調査を依頼するのがポイントです。
速やかに対応することで、知らない間にクレジットカードが使われ、さらに被害が広がるのを防げます。
まとめ|購入代行詐欺は危険!疑わしいときや被害の相談は弁護士へ!
購入代行は一見すると簡単で稼げそうな副業に見えますが、詐欺や犯罪加担のリスクが非常に高いです。
実際に、代金をだまし取られたり、自分の名義やカード情報を悪用されたり、最悪の場合は詐欺グループの一員として扱われてしまうケースもあります。
SNSや副業紹介サイトなどでは、「簡単に稼げる」「誰でもできる」といった甘い言葉で誘ってくる手口も多く、トラブルに巻き込まれてからでは取り返しがつかないかもしれません。
万が一、購入代行詐欺に遭ってしまったときは速やかに弁護士へ相談し、適切な対処法をアドバイスしてもらいましょう。