近年、宝くじ当選を装った詐欺被害が急増しています。
特に、収入減少や老後の資金に不安を抱える方々が標的にされやすく、なかには数千万円を失う深刻なケースも発生しています。
自分は大丈夫だと思っていても、いつ被害に遭うかは予想もつきません。
詐欺師は人間心理を巧みに利用し、あなたの冷静な判断力を奪うため油断は禁物です。
本記事では、最新の宝くじ詐欺の最新手口4選と、実際の被害事例を詳しく解説します。
さらに、詐欺を見分けるためのチェックポイントや、万が一被害に遭った場合の具体的な対応方法、返金の可能性についても徹底的に解説します。
自分自身はもちろん、高齢の親族を守るためにもぜひ最後までお読みください。
宝くじ詐欺の最新手口4選
最近、親戚のおじいちゃんにも怪しい電話がかかってきたみたいで心配しています。
最近の代表的な手口を4つ紹介するので、ご自身だけでなくご親族を守るためにもぜひ覚えておいてください。
宝くじ詐欺の最新手口は、以下の4つです。
- 嘘の当選メールを送ってくる
- 信頼関係構築後に宝くじへの投資を持ちかけられる
- オレオレ詐欺を併用してくる
- 事前に当選番号がわかるなどと騙してくる
それぞれについて1つずつ詳しく解説します。
嘘の当選メールを送ってくる
応募していない海外宝くじの当選通知が、突然メールやSMSで送られてくることがあります。
具体的には、「海外宝くじで高額当選しました」「未受け取りの宝くじ当選金があります」などと突然メールやSMSが届く手口です。
SNSが届き、フィッシングサイトのURLへの誘導をされたり、賞品発送のための手数料を要求されます。
「当選詐欺」とも呼ばれる手口で、応じてしまうとさらに追加で金銭を要求されることがあります。

正規の宝くじは、応募した覚えのない人に当選通知を送ることはありません。
また、当選金を受け取るために前もって手数料を要求されることも絶対にありませんので、そのような連絡が来たら絶対に無視しましょう。
信頼関係構築後に宝くじへの投資を持ちかけられる
SNSやマッチングアプリで知り合った相手から、時間をかけて信頼関係を築いたうえで「儲かる話がある」などと言われ、宝くじ投資を持ちかけられる手口があります。
いわゆる「ロマンス詐欺」と近い構造であり、相手の信頼を得るために宝くじを購入した実際の画面などを見せてくることもあるといわれています。
税金や手数料などの名目で次々と金銭を要求し、最終的には連絡がつかなくなるというのが一般的です。

宝くじは完全な運による当選のため、必ず当たる方法は存在しません。
親しい関係になるほど冷静な判断が難しくなるので、特に注意が必要です。
オレオレ詐欺を併用してくる
家族や親族、知人を装って「宝くじが当たったけど、受け取りに行けない」「名義を貸してほしい」などと電話やメールで連絡してくる手口です。
信頼関係のある人物を装うことで相手の警戒心を解き、受け取り代行費用や手数料などの名目で金銭を要求します。
一度振り込むと新たな名目をつけて、何度も追加送金を迫られるのが常套手段となっています。

連絡先が普段と違ったり、話し方や文章の雰囲気が異なったりする場合は注意しましょう。
たとえ親族だと思える相手からの連絡でも、宝くじの受け取り代行や名義貸しの依頼には応じないことが重要です。
もし不安な場合は、別の連絡手段で本人に確認しましょう。
事前に当選番号がわかるなどと騙してくる
「必ず当選する方法がある」などといった電話をかけ、情報量と称してお金を騙し取る手口です。
すべての宝くじの抽選は、公開のもと厳正かつ公正に行われるため、事前に抽選結果がわかることは、絶対にありません。
海外では過去に、宝くじのシステムやルールの穴から必ず儲けられる仕組みが存在していましたが、今ではすべて対策されています。
実際に騙されてしまった事例も存在するので、怪しい誘惑に惑わされないようにしましょう。
参考:みずほ銀行「「事前に抽せん結果がわかる」ことは絶対にありません 」

正規の宝くじサイトと偽サイトの見分け方は、URLの確認や運営会社の実在確認などがポイントです。
少しでも怪しいと感じたら、公式サイトに問い合わせて確認しましょう。
宝くじ詐欺の被害事例

どういった経緯で被害に遭ってしまうのでしょうか?

特に最近は高額な被害が続出しています。
実際にあった事例を紹介するので、手口の巧妙さと被害の深刻さを知っておきましょう。
宝くじ詐欺は、実際に多くの方が大切な財産を失っている深刻な犯罪です。
以下では、最近報告された実際の被害事例を詳しく解説します。
これらの事例から、詐欺の手口パターンやきっかけを学び、同様の被害を防ぐための参考にしてください。
宝くじサイトに誘導され、1,000万円を騙し取られた事例
2024年に神奈川県で発生した事例で、60代男性が知人の80歳男性から「海外の宝くじに当選する方法がある」と持ちかけられたものです。
男性は信頼していた知人からの誘いだったため疑うことなく、架空の宝くじサイトに登録し、「必ず当選する」という言葉を信じて複数回にわたり合計1,000万円以上を振り込みました。
その後、当選金を引き出そうとしたところ、「手数料が必要」と追加の現金を要求されたため不審に感じ警察へ被害届を提出しています。
捜査の結果、知人の80歳男性は書類送検されました。
実は、80歳男性自身もLINEで知り合ったアジア系女性に投資名目で金を支払っており、回収できずにいました。
「現金を戻してほしいなら宝くじを5人に紹介しろ」と言われ、被害者を勧誘していたことが明らかになっています。
参考:宝くじ必ず当選と詐欺容疑 神奈川、80歳男性書類送検 高知新聞 2025年2月12日 17時24分配信

最初の被害者が次の加害者になるという構図は、MLM(マルチ商法)的な手法で、特に高齢者が標的になりやすい傾向があります。
身近な人からの誘いこそ、冷静な判断が必要です。
オンライン宝くじへの参加を促され、約9,200万円を騙し取られた事例
群馬県安中市の37歳男性は、2024年4月下旬にマッチングアプリで韓国籍の女性を名乗る人物と知り合い、SNSで連絡を取り合うようになりました。
男性は相手から「オンライン宝くじに参加しないか」と誘われたため応じた結果、「当選した」との連絡を受けています。
しかし、宝くじの運営を名乗る人物からさまざまな理由をつけて入金を迫られ、計18回にわたり、現金や暗号資産など合計約9,200万円を指定口座に送金しています。
何度送金しても当選金が振り込まれないことに気付き、同年5月21日に警察に被害届を提出した事例です。
参考:オンライン宝くじへの参加に応じ 約9,200万円の詐欺被害 NHK群馬 NEWS WEB 2024年08月23日 22時25分配信

恋愛感情を利用した「ロマンス詐欺」と宝くじ詐欺が組み合わさった典型例といえるでしょう。
また、一度お金を支払うと要求がエスカレートする手口は、多くの詐欺に共通しています。
SNSで知り合った相手から投資や宝くじの話が出たら、詐欺の可能性が高いと覚えておきましょう。
宝くじ詐欺に遭わないための7つの防止策
宝くじ詐欺に騙されないためには、具体的にどのような対策を取ればいいのでしょうか?
特に高齢の親が心配という相談も多くなっている気がします。
自分自身だけでなく、心配されている高齢のご両親を守るためのコミュニケーション方法も含めてお話しします。
宝くじ詐欺に遭わないための主な防止策は、以下の7つです。
- 当選メールの差出人・発信元を確認する
- 手続きが不自然に複雑な場合は即ブロックする
- 金銭要求があった時点で詐欺を疑う
- URL・振込先口座・企業情報の信頼性をチェックする
- 一人で判断せず迷ったら家族や専門機関に相談する
- LINEやメールはスクショして証拠保存する
- 「自分は大丈夫」と思わないようにする
それぞれについて、1つずつ詳しく解説します。
1. 当選メールの差出人・発信元を確認する
宝くじ詐欺メールの多くは、差出人のメールアドレスが不自然です。
公的機関や有名企業を装っていても、実際のドメイン名(@の後ろの部分)が異なっていることが多くなっています。
例えば「[email protected]」ではなく「[email protected]」のような不審なドメインになっていないか確認しましょう。

正規の宝くじ関連組織や公的機関を名乗っていても、ドメイン名が一般的でない場合は警戒すべきです。
また、日本語の表現が不自然な場合も詐欺の可能性が高いので、文面の違和感にも注意しましょう。
2. 手続きが不自然に複雑な場合は即ブロックする
正規の宝くじ当選手続きは、不自然に複雑ではありません。
次々と新たな条件が出てきたり、複数の口座への振込を求められたりする場合は詐欺の可能性が高いといえます。
「手続きの不備があった」「システムエラーが発生した」などの理由で、何度も異なる手続きや追加支払いを要求されることは、通常考えられません。
また、時間的プレッシャーをかけてくる場合も、詐欺の典型的な手口です。
少しでもおかしいと思ったら即ブロックしましょう。

「今だけ」や「期限が迫っている」といった言葉が出てきたら要注意です。
正規の宝くじ当選手続きでは、合理的な時間の余裕が与えられます。
急かされた場合は詐欺を疑い、即ブロックしましょう。
3. 金銭要求があった時点で詐欺を疑う
当選金を受け取るために、前もって支払いを求められることはありえません。
どのような名目であっても、当選金受け取りのための前払いを求められたら詐欺と考えましょう。
シンプルなルールを高齢の親御さんにも伝えておくと効果的です。
大金の誘惑に冷静さを失う可能性があるため、このルールを家族間で共有しておきましょう。
4. URL・振込先口座・企業情報の信頼性をチェックする
詐欺メールやSMSに記載されたURLは、一見すると本物に見えます。
ただし、よく確認すると一文字違いだったり、不自然な文字列が含まれていたりします。
リンクをクリックする前に、URLを慎重に確認しましょう。
振込先が個人名義の口座だったり、海外の金融機関だったりする場合は詐欺の可能性が高いといえます。
また、連絡してきた組織の存在を独自に調査することも大切です。
電話番号や住所を調べ、公式ホームページが存在するか確認しましょう。
また、公的機関を装った詐欺の場合、実在する組織に電話で確認することで簡単に見破れることもあります。
不審に思ったら、独自に調べる姿勢が大切です。
5. 一人で判断せず迷ったら家族や専門機関に相談する
宝くじ詐欺の多くは、被害者を孤立させて冷静な判断ができない状況に追い込みます。
「秘密にしてください」や「他の人には話さないでください」といった指示は、典型的な詐欺の手口です。
少しでも不審に思ったら、家族や専門機関に相談しましょう。
特に高齢者は、子や孫などの家族に一度相談するというルールを作っておくことが効果的です。

高齢の親御さんには、怪しい話があったら必ず家族に相談するルールを作っておくことをおすすめします。
6. LINEやメールはスクショして証拠保存する
怪しいと感じたLINEやメールは、すぐに削除せず証拠として保存しておくことが重要です。
スマートフォンのスクリーンショット機能を使って画面を保存しましょう。
メールの場合は転送しておく、LINEの場合はトーク履歴をバックアップするなどの方法もあります。
証拠は、万が一被害に遭った場合の警察への相談や、詐欺被害の拡散防止に役立ちます。
特にインターネット上のやり取りは、削除されてしまうと証拠が残りません。
詐欺かもしれないと思った時点で、やり取りの画面を保存しておく癖をつけましょう。
また、家族や周りの人に相談する際にも、具体的な証拠があると助言を得やすくなります。
7.「自分は大丈夫」と思わないようにする
宝くじ詐欺の被害者には、「自分は大丈夫だ」「まさか自分が騙されるとは思わなかった」などと考えている方が多くいます。
詐欺師は心理学的手法を駆使して、通常なら疑問に思うはずの矛盾点をうまく隠してきます。
特に、金銭的に困っているときや大きな不安を抱えているときは、判断力が低下しやすいので注意が必要です。
むしろ社会的地位の高い方や教養のある方が、自分は大丈夫という過信から被害に遭うケースもあります。
大切なことは、誰でも詐欺の被害者になり得るという謙虚さを持つことです。
宝くじ詐欺に遭っても返金される?実際の対応方法を解説

支払い方法によって対応が違うとも聞きました。

ただし、支払い方法によっては被害回復の可能性があります。
迅速な行動が鍵となるので、被害に気付いたらすぐに適切な対応を取ることが重要です。
宝くじ詐欺に遭ってしまった場合でも、状況によっては被害金の一部または全額を取り戻せる可能性があります。
以下では、主な支払い方法別に具体的な対応策と返金の可能性について解説します。
ケース①:電子マネー決済
電子マネー(PayPay、楽天ペイなど)で決済した場合、一般的に返金は難しいとされています。
ただし、すぐに行動すれば可能性はあります。
被害に気付いたら、すぐに該当する電子マネーサービスのカスタマーサポートに連絡し、不正利用の可能性があることを伝えましょう。
多くのサービスには、緊急時の連絡窓口が用意されています。
同時に、警察にも被害届を提出しましょう。
警察からの照会があると、サービス提供会社が対応してくれる可能性が高まります。
被害に気付いてからできる限り早く対応することが理想です。
電子マネーは匿名性が高いため、警察への被害届と合わせて対応することが重要です。
ケース②:クレジットカード決済
クレジットカードでの支払いは、比較的返金の可能性が高い方法です。
クレジットカードには、チャージバックと呼ばれる制度があります。
被害に気付いたらすぐにクレジットカード会社に連絡し、「不正利用」または「詐欺被害」として申告しましょう。
多くのクレジットカード会社は、24時間対応の窓口を設けています。
申告後はクレジットカード会社の指示に従って、必要書類(被害状況の詳細、詐欺業者とのやり取りの証拠など)を提出します。
詐欺サイトの場合、VisaやMastercard、JCBなどの国際ブランドのルールに基づいて返金される可能性が高いでしょう。
ただし、カード会社によって対応は異なるので、詳細は各社のWebサイトで確認するか、直接問い合わせることをおすすめします。
ケース③:銀行振込
銀行振込で支払った場合、振込直後であれば口座を凍結できる可能性があります。
被害に気付いたらすぐに振込元の銀行に連絡し、振込先に詐欺の疑いがあることを伝えましょう。
口座の凍結や組戻し手続きを依頼します。
同時に最寄りの警察署に被害届を提出し、振込先口座の凍結を警察から銀行に要請してもらうことも効果的です。
振込から24時間以内であれば、資金が引き出される前に凍結できる可能性が高まります。
ただし、週末や祝日を跨ぐ場合は難しくなることもあります。
口座が凍結され、お金がまだ残っている場合は、いわゆる振り込め詐欺救済法に基づき、被害回復分配金の支払手続きなどで被害回復できる可能性があります。
宝くじ詐欺に遭った際の相談先3選

他にも相談できる機関があれば教えてください。
しかし、状況によって最適な相談先は異なります。
それぞれの機関の特徴と役割を理解し、適切に活用することで被害回復の可能性を高められます。
宝くじ詐欺の被害に遭った場合、1人で悩まず専門機関に相談することが大切です。
被害の状況や段階によって、最適な相談先は異なります。
以下では、主な3つの相談先とそれぞれの特徴、相談する際のポイントを解説します。
警察
宝くじ詐欺は犯罪行為ですので、被害届の提出先として警察への相談は重要です。
特に被害額が高額な場合や、明らかな詐欺と判断できる場合は積極的に相談しましょう。
最寄りの警察署の生活安全課、または各都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口が窓口となります。
近年では、インターネットを通じた相談も可能になっているケースがあります。
相談の際は、以下の内容がわかるものを可能な限り準備しておきましょう。
- 詐欺の手口
- 被害金額と振込先
- 詐欺師との連絡手段や証拠(メールやLINE、SNSのスクリーンショットなど)

被害届として受理されると、捜査が開始される可能性が高まります。
相談時には「詐欺被害として届け出たい」と明確に伝え、できるだけ具体的な証拠を提示することが大切です。
消費生活センター
消費生活センターは、消費者トラブル全般の相談窓口として宝くじ詐欺の被害相談にも対応しています。
「188」は、最寄りの自治体の消費生活センターに自動接続される全国統一番号で、通話料のみで利用可能です。
消費生活センターに法的拘束力はありませんが、相談員が解決のための助言を行ってくれたり、事業者との交渉のお手伝いをしてくれたりといった返金交渉のサポートや、同種被害の拡大防止に向けた情報収集も行っています。
警察よりもハードルが低く、被害を受けたことが確定していない段階でも相談できます。
また、消費生活センターにはさまざまな詐欺の事例が集まっているため、遭遇した手口が詐欺かどうかの判断や、適切な対応策のアドバイスも受けられます。
弁護士
被害額が高額な場合や複雑な事案の場合は、弁護士への相談も検討しましょう。
弁護士は法的な観点から対応策を提案し、必要に応じて内容証明郵便の送付や民事訴訟の提起などの法的手続きを代行します。
特に詐欺被害に強い弁護士事務所を選ぶことで、より適切なアドバイスや対応が期待できます。
多くの弁護士事務所では初回相談を無料または低額で受け付けているため、まずは相談してみることをおすすめします。
特に被害額が高額な場合や、相手が特定できている場合は、弁護士を通じての交渉が効果的なケースもあります。
不安な場合は、多くの弁護士事務所が提供している無料相談を利用して、まずは状況を整理することをおすすめします。
宝くじ詐欺に遭って困ったら弁護士にご相談ください
本記事で紹介したように宝くじ詐欺はさまざまな手口があり、私たちを狙ってきます。
「海外宝くじで高額当選しました」「未受け取りの宝くじ当選金があります」など、甘い言葉に誘われて資産を失ってしまうケースが後を絶ちません。
被害に遭ってしまった場合、一人で悩まず専門家に相談することが大切です。
特に、以下のような場合は、弁護士への相談をおすすめします。
- 高額な被害に遭い、資産回復を図りたい
- 警察や消費生活センターに相談しても解決しない
- 詐欺師が特定できており、法的措置を検討したい
- 家族や知人が詐欺被害に遭い、対応方法を知りたい
大地総合法律事務所は、詐欺被害に特化した事務所です。
契約前に弁護士と直接話せるので、ご安心頂けます。
相談は無料ですので、詐欺被害に遭ってしまってご不安な方は、弊所までご相談ください。